ootorirakuさんの口蹄疫>防疫>狂犬病ワクチン接種についての一連ツイートまとめ
口蹄疫について
口蹄疫について考えている。 ほんのちょっとの間、現場に行っただけの私でさえ、今でも思い出すと涙が出そうな経験なので、宮崎の農家さん、関係者の皆様のご苦労・ご心痛は、いかほどばかりだっただろうと、ただただ頭を垂れるしかありません。
2013-07-31 19:57:21「この牛、来月には子牛が生まれる予定なんだよ」と農家の奥さんに言われたお腹の大きな母牛。嫌がって座り込む母牛を、無理矢理引っぱり出して殺処分したのは私です。ぴぃぴぃ鳴きながら、必死に逃げ惑う子豚の脚を掴み、母豚と引き離して引きずり出したのも私です。>口蹄疫で思い出すこと
2013-07-31 20:03:23暖かい子豚の脚を掴みながら「私は、死んだら、絶対に地獄に行く」と確信しました。 そして、普段は、子供を暖かく抱きしめる優しい同僚も、愛犬のお散歩が何より楽しみと語る同僚も、私と同じように豚の脚を掴んでいました。みんな、私と同じように、黙々と豚を処分していました。>口蹄疫の話
2013-07-31 20:08:15あの時、普段はニコニコと優しい人たちが、黙々と豚の脚を掴むのを見て「戦争に行って人を殺すって、こういうこと?」「必要だから殺せって言われて、人を殺すのってこういうこと?」とも思いました。「日本の畜産を守るために必要な対応」と頭では判っていても、非常に辛いことでした。>口蹄疫の話。
2013-07-31 20:14:20本当に、ちょっとだけ現場に行った私ですが、それでも今でも思い出すと辛いことです。 だからこそ、これ以上沢山の人に、あのような経験はして欲しくないと心の底から思います。「疾病は治療より予防」が基本です。でも、日本では口蹄疫の予防にワクチンを使うことができません。>口蹄疫の話
2013-07-31 20:18:53わたしたちができる防疫
詳細は省略しますが、口蹄疫汚染国からの畜産物輸入をブロックするためには、日本が口蹄疫清浄国である必要がある。 という事情があります。口蹄疫のワクチン接種を実施している国では「ワクチン非接種口蹄疫清浄国」のステータス認定を受けられず、国際競争の場で圧倒的に不利になります>口蹄疫の話
2013-07-31 20:24:24口蹄疫防疫ではワクチン接種ができないので、動物検疫など関係諸機関が必死に輸入検疫をおこない、口蹄疫ウイルスの侵入を防ぐ努力をしています。でも、誰かがウイルスの付いたソーセージ、生ハム、チーズ、ビーフジャーキーを、黙ってこっそり持ち込んじゃうって、充分ありうることです。>口蹄疫の話
2013-07-31 20:28:44美味しくて安い海外の畜産物。持ち込みたくなる気持ちはよくわかります。家族やお友達にだって食べさせてあげたい。私だって、そう思います。 でも、あなたのその行為が、30万頭近い動物を殺すことになった、あの状況をもう一度引き起こすことに繋がる・・・かもしれません>口蹄疫の話
2013-07-31 20:31:0830万という数は私の故郷鳥取県の人口の半分です。あなたが「美味しかったから、家族に食べさせてあげよう♪」と思った、その優しい気持ちが、30万頭のイキモノを殺すことに繋がる可能性があるのです。お願いですから、輸入検疫を受けずに海外から畜産物を持ち帰ることは止めてください>口蹄疫の話
2013-07-31 20:34:16そして、もう二つお願いがあります。一つは、海外に行かれた方は、日本に帰ってくる時、空港や港にある消毒マットで、あなたの靴底をしっかりふき取ってください。土や埃にまぎれて、ウイルスが入ってくる可能性はかなり高いのですが、それを防ぐために消毒マットは有効です。>口蹄疫の話
2013-07-31 20:38:18もう一つのお願い。海外で畜産農家に行ったり、動物園に行ったり、象に乗ったりした人は、日本帰国後数週間は畜産農家や家畜の居る所、動物園にはに行かないでください。ということです。もし、あなたに口蹄疫ウイルスが付着しているまま動物と接触したら、それが感染源となってしまいます>口蹄疫の話
2013-07-31 20:41:05口蹄疫の防疫にはワクチンが使えないので、私達獣医師は、常に最悪の事態を考えています。場合によっては、また家畜の殺処分に行かなくてはいけないかもしれません。ああいう経験は、誰だって二度としたくありません。でも、そうなる可能性は充分あります。>口蹄疫の話
2013-07-31 20:47:00動物園も無関係ではない口蹄疫
口蹄疫の発生時に殺処分の対象となるのは、家畜だけではありません。ペットとして個人が飼育しているヤギ・羊・豚はもちろん、動物園のキリンや象だって、殺処分対象になるのです。動物園のスタッフ達は、いざという時の対応を考えていますが、同時に最悪の場合の覚悟もしているのです>口蹄疫の話
2013-07-31 20:43:37散々、動物を殺した獣医師の私だから大きな声で言えます。「獣医だって、誰だって、殺処分なんてやりたくありません。」 >口蹄疫の話
2013-07-31 20:51:27ワクチンで防げる感染症は、ワクチンで未然に防ぐ
だから、心の底から「ワクチンで防げる感染症は、ワクチンで防いで欲しい」と強く思うのです。先日から、狂犬病のワクチン接種を勧めるツイートをしている理由は「殺処分なんて二度とやりたくない」という、私自身の切なる願いがあるからです。
2013-07-31 20:58:33私が、いくら狂犬病の予防接種を勧めるツイートをしても、例えワクチン接種率が上がっても、どこからもお金は貰えませんし、お中元もお歳暮も届きません。
2013-07-31 21:03:19台湾で発生した狂犬病について
お中元は届きませんが、大切なことなので書いておきます。台湾では、7月27・28日にも狂犬病に感染したイタチアナグマが見つかっています。(2例のうち1例で人が噛まれ、7月22日にも人が別な個体に噛まれています)。病原体が、一旦野生動物に感染してしまうと、その根絶は非常に困難です。
2013-07-31 21:07:28日本は島国なので、感染症のコントロールという点では物凄いアドバンテージがあるはずです。でも、同じ島国の台湾が、このようなことになってしまった事例から「決して油断はできない」ということが良く判ります。
2013-07-31 21:09:52予防できる疾病は、可能な限り予防しよう。
今日は沢山ツイートをしました。結論は「予防できる疾病は、できるだけ予防しよう」ということです。疾病というのは感染症だけでなく、生活習慣病や、交通事故、外傷等々も含みます。ワクチンは打つ。ノーリードで歩かない。外出時はキャリーに入れる。その動物に適した食事を用意する等々、重要です。
2013-07-31 21:14:08