著名人『風立ちぬ』感想その４

伊藤隆介 @RyusukeIto

深夜テレビで「グッドフェローズ」「ギャング・オブ・ニューヨーク」を観て、故郷の歴史を一貫して描くスコセッシに感心。ほぼ同じ歳の宮﨑駿も、「風立ちぬ」でようやく大人を対象に日本史（と連なる現在）を主題にして見応えがあった。映画作家は、映画以上の存在を目指さないと良い作品を成せない。

伊藤隆介 @RyusukeIto

宮﨑駿の最高作は政治的ヒステリックさ、シニカルさと悪意に満ちた「さらば愛しきルパンよ」で、次がペシミスティックな「カリオストロの城」だが、「風立ちぬ」もそれらに並ぶ質の作品だった。同時に、大人向け作品を作ると、やはり大林宣彦や松本零士と近い資質の作家であることもはっきりした。

伊藤隆介 @RyusukeIto

@akira_yanai 「カリオストロの城」というのは、（おそらく）宮﨑監督自身の青春への惜別、および高度経済成長のノリへの訣別といった「別れ」が主題の作品と思います。作品内にも「滅び」や「死」のメタファーがあふれています。

伊藤隆介 @RyusukeIto

@akira_yanai あの映画では、ルパンも銭形警部も「隠遁者」「時代遅れ」という存在でした。オリジナルの放映当初は“ピカレスク”だったルパンが、「ルパンVS複製人間」などで“スーパーマン”扱いされる矛盾とコマーシャリズム、それをめぐる時代に引導を渡すために（つづく）

伊藤隆介 @RyusukeIto

@akira_yanai 作られたのが「カリオストロ」だと思います。とはいえ、1980年当時、テレビシリーズは放送続行しており、最終回でホントに引導を渡そうとした（第2シリーズのルパンは全て偽物だった…という展開）のが「さらば愛しきルパンよ」です。（つづく）

伊藤隆介 @RyusukeIto

@akira_yanai このエピソードでの銭形警部の「スーパーマンみたいですなぁ」という台詞は、もちろんロボット兵の元ネタであるフライシャー兄弟へのオマージュもありますが、皮肉でもあると思います。その割に最終シーンのBGMが「スーパーヒーロー」という唄だったりして、（つづく）

伊藤隆介 @RyusukeIto

@akira_yanai 「カリオストロの城」というのは、（おそらく）宮﨑監督自身の青春への惜別、および高度経済成長のノリへの訣別といった「別れ」が主題の作品と思います。作品内にも「滅び」や「死」のメタファーがあふれています。

伊藤隆介 @RyusukeIto

@akira_yanai これには監督は関知していないか、またもや皮肉かは放映当時から謎です。ちなみに「カリオストロの城」のラストの俯瞰ショットの動画を担当したのは、日本のアート・アニメーションのパイオニアである相原信洋先生である旨、ご本人からうかがいました。（おわり）

伊藤隆介 @RyusukeIto

宮崎駿の『風立ちぬ』について、「映画の中で二郎（主人公）が“自分は美しい飛行機をつくっているんだ”と言っても、時代状況を考えれば、それだけでは割り切れないはず。その葛藤が伝わらなかった。」という評があるが、葛藤が無い場合も多いというのが市民生活と戦争のリアリティだと思うのだ。

伊藤隆介 @RyusukeIto

日本のアニメ産業の基礎も、海軍の依頼による「桃太郎 海の神兵」（1945）で作られた。そういう矛盾についての映画でしょう。ただ、傑作であった原作にあったアニメ産業についてのコメンタリーがばっさりオミットされているのは残念で、解りにくい映画になっていることは事実と思う。

伊藤隆介 @RyusukeIto

ＳＦ映画やアニメーションというのは全て「シュールレアリスム映画」に分類されると思うので、設定や筋がわからないとかいう苦情は意味をなさない。映像の質（驚き）や、描く世界の信憑性（感情移入の接点）が全てだ。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版：Q」の作者はそういうことをよく理解っていると思う。

伊藤隆介 @RyusukeIto

香港時代のジャッキー・チェンがバスター・キートンの後継者で、 「マトリックス」の本質がミュージカル（ダンス映画）であることを考えれば、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版：Q」はやはり抽象アニメーションに分類されるべきだろう。

伊藤隆介 @RyusukeIto

これは素晴らしすぎる、「トラ・トラ・トラ！」の航空機制作記録。 http://t.co/Edw1SxhGDP

伊藤隆介 @RyusukeIto

そういえば、宮崎駿の「風立ちぬ」（原作マンガ）について、４年前にレビューを書いたんだった。 http://t.co/TurzsLJ6Cz

稲本望@卒煙支援 @nosmokerider

日本禁煙学会所属です．映画「風立ちぬ」への学会からの提言ですが，結核の奥さんの手を握りながらタバコを吸うシーンがあります．タバコを吸わなくても心理描写はできると思うのです．喫煙率の高い時代といえども．作品にタバコがなくても素晴らしい作品．非難されるのは承知ですが，残念なんです．

おぼ @hazy_mn

.@nosmokerider 突然失礼いたします。確かに「風立ちぬ」はタバコの描写が多く，非喫煙者の私からすると嬉しくない映画だと感じました。稲本先生は，あの場面はどの様な心理描写を意図していて，どうすればタバコを用いずに描写できたと思われますか？教えて頂けると嬉しいです。

稲本望@卒煙支援 @nosmokerider

@hazy_mn タバコを吸わなければ主人公の心理が描けないのでしょうか？

かわしま @kwtk81

@nosmokerider 要望書を読ませて頂きました。禁煙を推進する立場だからといって、作品に対してそのような偏った見方しかできないのは残念だと思いますし、何よりこの件で気分を悪くした人がいることを把握してください。そこまでタバコに拘泥して、苦言を呈すことでしょうか？

稲本望@卒煙支援 @nosmokerider

@tfu_barukan81 タバコ関連病と闘う患者さんと，サポートするご家族がいるからです．病気になると思って吸い続ける方はいませんが，病気になって生活が変わる方もいます．タバコがなくても病気になることはありますが，吸っている方は若く罹患することが多いです．

稲本望@卒煙支援 @nosmokerider

私の意見（tweet）にたくさんのリプライありがとうございます．全てお返しできないので申し訳ありません．主人公の心の中を表現してタバコを吸った，という解説もありがたく思います．

稲本望@卒煙支援 @nosmokerider

禁煙ファシズム，という意見もいただきました．タバコ対策や政策が行き過ぎであれば，そういう表現も適当かもしれませんが，欧米を中心とするタバコ対策が進んでいる国に比べればファシズムは適当でしょうか．喫煙者に禁煙を強要しているわけでもありません．価格や受動喫煙対策も進んでいません．