事故に備えることと住民関与とオーフス条約と脱原発
きっかけとなったのはある方の以下のツイート。このまとめの趣旨とは関係ないので、ご本人のツイートを収録せずにテキストとして引用しました。
エートスのもくろみ「将来フランスやEU諸国で原発事故が起きた場合に、事故処理と重度汚染地域の管理を行うにあたり、人々が政府や原子力に対する信頼を維持し続けるための長期的に、持続可能な管理体制、そしてそのために必要な程度の放射線医学を提供するための持続可能な管理体制」
このツイは例のチェルトコフというWHOがIAEAから独立せよの会の人が流している馬鹿げた話の流れなんだけれど、福島のエートスではなく、ロシャールさんたちヨーロッパの人についての話なら、全部は説明していないが、別に間違ってはいない。
2013-09-05 19:19:55特にフランスは、原発を事故なく維持することで、きれいな田園風景を守っているわけだから、何としてでも事故は起こしたくないし、万が一の場合でも、万全の準備をしておきたい。チェルノブイリの時にベラルーシで行ったのも、人道援助の側面もあるけれど、そこから学びたいというところもある。
2013-09-05 19:22:42チェルノブイリ事故の時は、ヨーロッパは共同対応する体制は全くなくて、それでも放射能雲は国境など無視してきてしまったわけだから、ろくな対応はできていません。フランスなど単に風向きの運が良かっただけ。ノールウェイは逆に運が悪かった。これが、あんどーさん達の行ったバルドレスの話。
2013-09-05 19:25:23ロシャールさん本人も、本業は原子炉での作業員の被曝管理だったので、一般人相手の仕事はしたことがありませんでした。でも、ベラルーシでエートス計画を始めた時に、正直にいうと、オルマニーの村の人たち、おばあちゃんたちに恋しちゃったんですね。発表した文章にはそう書いていないけど。w
2013-09-05 19:29:01だから、ヨーロッパ委員会向けには、『将来、ヨーロッパで核事故が起きた場合に備える知識を得るため』と説明して、それは嘘ではないんだけれど、オルマニー村での人との出会いが楽しくなければ、20年も通ったりしないよね。最初はオロオロしていた若い母親たちが、今では地域のリーダーです。
2013-09-05 19:32:50エートス計画での試行錯誤が進むうちに、ノルウェイのNRPAの人たちと会う機会があって、話を聞いてみると、自分たちがベラルーシで行ったことと、本質的には同じ話をしていることに気がつきます。それが、彼らとのつきあいの始まりで、だから、あんどーさんがバルドレスに行った訳です。
2013-09-05 19:36:05土地環境など違うから、厳密には同じ事ではないんだけれど、専門家が仕切るのではなく、住民の生活を大事にして、住民の創意工夫とともに行うという点ではノールウェイで行われたことと、エートス計画は同じ。
2013-09-05 19:37:36ロシャールさんたちは、ヨーロッパでそういう諸外国との連携を使って、ヨーロッパでの非常時即応体制を構築します。それがNERISです。この場合も、事故になってからでは遅くて、平常時から準備しておくべきだ、という考えですね。
2013-09-05 19:42:13特にフランスでは、平常時の原発管理も住民とともに行うべきだ、という考えです。アーハス議定書も同じ考えです。私は、フランスでの核政策に対する持続的な関与は、日本の方が逆にヨーロッパから学ぶべき点だと考えています。
2013-09-05 19:45:00アーハス=オーフス条約について
buveryさんは「アーハス」と書いていますが、日本では「オーフス」と呼ばれることもあります。
↓は「オーフス条約を日本で「オーフス条約を日本で実現するNGOネットワーク(オーフス・ネット)」のサイトで、中の人たちはほとんど反原発系の人だと思います。
オーフス条約とは
「環境に関する、情報へのアクセス、意思決定における市民参画、司法へのアクセス条約は、欧州諸国、ロシア、米国、カナダなどからなる国連欧州経済委員会の枠組みにおいて、1998年6月25日、デンマークのオーフス市で開催された「第4回欧州のための汎欧州環境閣僚会議」が採択した条約です。
出典:http://www.aarhusjapan.org/convention.html
オーフス条約の理念
オーフス条約は、条約を批准した国(締約国)が、環境に関する、①情報へのアクセス、②意思決定への参画、③司法アクセス(裁判を受ける権利)を、NGOを含めた全ての市民に保障することを目的として、各締約国が、市民に保障しなければならない最低限の国際的基準を定めています。
オーフス条約成立の背景には、1992年の「環境と開発に関する国際連合会議(UNCED)」で合意された「環境と開発に関するリオ宣言」があります。リオ宣言第10原則は、「環境問題は、それぞれのレベルで、関心のある全ての市民が参加することによって、最も適切に扱われる。国内レベルでは、各個人が、有害物質や地域社会における活動の情報を含め、公的機関が保有する環境に関する情報を適切に入手し、かつ意思決定過程に参加する機会をもたなければならない。各国は、情報を広く利用可能にさせることによって、市民の認識と参加を促進し、かつ奨励しなければならない。求償及び救済を含む司法的及び行政的な手続きに効果的に参加する機会が与えられなければならない。」と明記しました。そして、このような環境における市民の参加権を保障するために、オーフス条約が締結されたのです。
環境において持続可能な未来を創るためには、市民の参加が最も重要です。環境における現在の多様かつ複雑な課題は、もはや政府だけでは解決することができません。市民社会の中でのステークホルダーとのパートナーシップを通してこそ、この課題を解決していくことが可能なのです。
出典:http://www.aarhusjapan.org/convention.html
(こういう事情だから、ICRP109、緊急時被曝状況のマニュアルは、『事故前の準備』という形で書き直すべきだ、とロシャールさんとかクリスに言ったわけですね。ほんと、今の状態では、あれは使えないから。)
2013-09-05 19:48:40というのは、せっかく、クリスことクマのプーさんに話をする機会があって、福島の現状を踏まえて、109と111を改訂するという話があることを知っていたから、『改訂するのなら、日本の現状に有意義に使えるものである必要がある』と言った訳ですね。
2013-09-05 19:53:55そうすると、クリスは『ICRPの出版物は一国向けに書くものじゃないから』というので、『チェルノブイリから今回の事故までで25年。せっかく改訂しても、25年先か知らないけれど、次の事故まで寝かせておくの?』というと、それもそだな、という話をしておりました。
2013-09-05 19:56:29結局、どういう局面においても、透明性や意志決定への住民(を含む利害関係者)の関与が、普遍的に重要なのだけど、日本でもっとも出来てない側面でもある。
2013-09-05 19:57:10@buvery 今の日本に向けて書いてそれが役に立てば、将来別の場面でも役に立つわけですね。もっとも過去の勧告すら国内制度にも現場にも取り入れていない国なので、書いていただいても役立てられるかどうか分かりませんが。
2013-09-05 19:59:30その通り。はっきり言って役に立たなかった109は、事故になってからドタバタやるから役に立たないので、事故前から準備すべきこと。つまり、再稼働される原発の話です。RT @birdtaka: 今の日本に向けて書いてそれが役に立てば、将来別の場面でも役に立つわけですね。
2013-09-05 20:02:45国が住民主体のプロジェクトを進めるのは、そもそも矛盾しているから、そこんところ、ごまかすしかないんだな。ベラルーシでも国の機関が引き継いだのはエートス計画が始まって10年後。
2013-09-05 23:23:32