現実的な実効線量の推定法(私見)―各種測定器指示値との関係
福島県内ではあるものの,除染後で線量がバックグラウンド領域に近付いているので,サーベイメータと個人線量計の比は0.7より大きく取る方が正解かもしれない. http://t.co/VeoTOI8p2Q のp.18 表3 に,通常の 環境放射線被 ばくでは0.86という表記もある.
2013-10-31 19:20:41通常の環境放射線被ばくでは実効線量は周辺線量当量の0.86倍,という記述の元の文献 “森内茂他, 保健物理, l25 (1990) 121-128”が https://t.co/lhSIEnyEG3 で読めると @h_okumura 先生にご教示いただいた.ありがとうございます.
2013-11-01 00:12:12ここ以下は私見
たった1つの測定値(モニタリングポスト測定値や,航空機モニタリング結果等)からできるだけ正確に実効線量を出すような計算,あるいは1つの空間線量測定値による線引きについての雑感.
2013-09-19 11:52:39まず基本は, これまでは緊急時であり過大評価側(安全側,保守側)の大きな誤差を許容してきたのに対し,データも測定環境も揃ってきた今,できるだけ正確に見積もり,それに基づき考えようという動きだと解釈しています.
2013-09-19 11:54:18しかし,推定で過大評価も過小評価も避けたいと真中を狙えば狙うほど,元々<ばらつきの大きな推計は>上にも下にもはずれ値を作ってしまいます.それは推定の誤差により「帰れたかもしれないのに帰れなかった」「期待して帰ったけどやっぱりだめだった」という話を生みかねない気がします.
2013-09-19 11:55:28手に入る数字が僅かしかない状況では誤差が大きかろうがそこから推定するしかないですが,その場合は通常過大評価を許容して安全側に評価します.それはその時点では必要なことだったと思います.
2013-09-19 11:56:07しかし,1cm線量当量のようなシステムとして安全余裕が組み込まれたものを使わず,実効線量ベースなのに他の部分には本質的に不確定要素が多くて個々の誤差の大きい数字を使う推計は有効数字を無視した計算と同様で,そういう流れはあまり好ましくない気がします(見る人が十分理解しれてば良い).
2013-09-19 11:57:13たった1つの測定値から外出時も,自宅も,学校(職場-屋外含む)も推定するというのは,自ら設定した制約条件にこだわりすぎな気がします.実際には,除染後の自宅線量等を参考値持っている人もいますし,必要なら測れます.そういった現地の実態も加味した方が有効ではないでしょうか.
2013-09-19 11:58:271入力でパラメータチューニングで追い込むのは個人の興味の範囲としては面白いかもしれませんが,合わせこむほどちら側かのはずれ値が思惑(保守的/その逆)からはずれてくるわけで,測定器がある程度使える(複数の実測の入力値が得られる)という現状と照らし合わせると筋が悪いように感じます.
2013-09-19 11:58:57まあ,長々と書きましたが,ある程度の精度を求めたい/現実への適用も視野に入れた推定計算時に,1入力パラメータという制約にこだわりすぎるのはマイナスでは?ということです.
2013-09-19 11:59:39(補足説明)ガラスバッジや電子式個人線量計により実測した個人線量はその人にとっての一番知りたい値そのものずばりなので,これが<解>(但し誤差含む)であり,それがもし直接測れないなら,という話です.測れるなら個人線量が一番良いし,無理なら現状でできるだけ良い推定が必要ということ.
2013-09-19 12:09:07(偏見にもとづく私感) 【松】ガラスバッジ・電子式積算線量計による個人線量の実測 【竹】長時間滞在場所(自宅,学校 or 職場)数か所のH*(10)実測値+地域代表値と,各人の生活行動に基づく推定 【梅】地域代表値1つからの推定
2013-09-19 12:21:04竹も学校や屋内の職場の線量は共通データにできるし(農林業,外出の多い人は別途測定 or この方法を無理に適用しないで個人線量測定),自宅線量も除染後の測定値を使っても良いし,通勤・通学はそれほど時間が長くないので地域代表値を使う,とかすれば現実的に適用できる範囲ではないかと.
2013-09-19 12:28:17そんなこんなで,「空間線量測定値は使えない」といった誤解が広まることに懸念を持ったので件の放射線測定値の関係図 https://t.co/pQ7uJqUNvJ を作ったわけです.
2013-09-19 12:32:59(実効線量)1mSvに対応するのは実際は0.23μSv/hでないとして,やっぱりどこか違うところで一応の線を引かなくてはならない.それは,地域代表値からの推定式のパラメータチューニングでなくて,やはり実測値からの経験式でないかと思う.同時に偏差情報が必須(だからこそ実測が必要).
2013-09-20 23:09:49また,帰還をどうするか検討するレベルであれば,個人線量計をつけてしばらく生活をして,というのに抵抗があって当然.そういう時こそ,昨日の【竹】コースでないかと思う.このようなケースではそちらの方が心理的な抵抗も負担も少ないのではないか.
2013-09-20 23:12:14計測の戦略にはさまざまなものを状況において使い分けることも含まれる.一つの方法で全てまかなえるのが分かりやすくはあるけど,これだけ状況が異なることも踏まえ,それぞれのアプローチを行い,数字がどれぐらい一致するか見ておくのが必要なのではないかなと.
2013-09-20 23:15:27.@leaf_parsley さんの「個人線量の大ざっぱなシミュレーション」<これを複数の実測値入力による計算につかうならすばらしいと思います(【竹】用に使いたい). http://t.co/h5JzdLEadN
2013-09-21 10:52:01余談
実効線量と各測定値の関係図 http://t.co/hagJdWuckD 作図と理解のしやすさの関係でほんの少し厳密性に目をつぶった部分がある(間違いというほどではなく,今の方が一般の方の知りたい点に対応している).どこかわかりますか?並べる位置を変えるとより厳密に直せるかな?
2013-09-22 20:25:51