#鳳翔の艦娘講座　巡潜乙型潜水艦　～伊５８編～

鳳翔 @Housyou_kankore

さて、お店の方も落ち着きましたでしょうか。 それでは、本日の #鳳翔の艦娘講座 を始めたいと思います。 何時もの様に拙いお話ではありますが、酒の肴、寝物語と聞いて頂ければ幸いです。 本日の艦娘ちゃんは、「苦くなんかないよ！」ゴーヤちゃんこと伊５８ちゃんです。

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なお、艦これのゴーヤちゃんは２代目さんに当たります。 ですから、何時もの様に初代さんから解説をさせて頂きます。

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初代の伊５８ちゃんは、伊１５３型潜水艦、俗に「海大Ⅲ型ａ」４人姉妹の末っ子に当たります。 海大型の潜水艦は、敵艦隊を襲撃する為に海上高速性能を追求されたタイプの潜水艦です。

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海軍では海大１型から始まって、2型、3型ａ、３型ｂ、4型、５型、6型ａ、６型ｂ、７型と、このタイプだけでも９種類もの型が存在します。 Ⅲ型ａはワシントン軍縮条約を受けて、１９２３年計画に於いて建造を計画された一連の潜水艦の、最初の４隻に当たります。

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１型、及び２型が割と実験的な性質を持った艦型だったのに対し、３型ａに至ってようやく実用的な潜水艦として就役させて居ます。 さて、初代の伊５８ちゃんですが。 １９２４年１２月３日に起工、１９２５年１０月３日に進水、１９２８年３月１５日に就役をします。

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就役後は第１９潜水隊に所属。 当初は訓練と予備艦登録を繰り返して居ます。 １９３６年７月、寺島水道に仮泊中、強烈な台風により座礁。１２月まで修理を受けます。 １９４１年１２月、第４潜水戦隊第１９潜水隊に所属。 マレー作戦に参加をします。

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その際英国東洋艦隊のプリンス・オブ・ウェールズ、レパルスを発見。レパルスに対して雷撃を行いますがこの攻撃は外れてしまいます。 その後、通商破壊に従事。 １９４２年５月２０日に伊号第１５８潜水艦と、艦名数字に１００を足された数字に改名をされます。

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１９４２年５月、ミッドウェー海戦に参加。 その後帰国をした後、艦の老朽化から練習艦に指定をされます。 以後は潜水艦乗りの方達の育成に尽力をすることになります。 １９４３年３月に補足電探験艦となります。要するに電探の試験艦と云う役割ですね。

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そのまま、無事に終戦を迎える形になります。 練習艦として過ごして終戦を迎えると云うのは、何となく私の足跡にも似ていますね。 終戦後の１９４６年４月１日、五島列島沖において、米軍により爆破・海没処分とされました。 以上が、初代伊５８ちゃんの戦歴でした。

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初代伊５８ちゃんの諸元ですが。 全長１００．５８ｍ、全幅７．９８ｍ、基準排水量１６３５トン、速力水上２０ノット、水中８ノット。 １２ｃｍ単装砲１門、 ７．７ｍｍ機銃１挺、 ５３ｃｍ魚雷発射管艦首６門、艦尾２門、 魚雷１６本、 水中聴音機Kチューブ、 を装備して居ました。

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続きまして、艦これ的に見た「今の」伊５８ちゃんの紹介です。 ２代目、つまり今の伊５８ちゃんは、伊５４型、俗に「巡潜乙型改２」型３人姉妹の末っ子として建造をされました。 巡潜型については、先日のイクちゃんの講座でも説明をしました。

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今で云う所の「戦略原潜」の原型になったと云われている巡潜型、そのうちの乙型は司令部設備を持たないタイプの潜水艦です。 ちなみにイクちゃんは巡潜乙型で、その後に乙型改１、乙型改２と続いていますから、ゴーヤちゃんは乙型シリーズの最終型、と云う事になります。

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さて、ゴーヤちゃんですが。 １９４２年１２月２６日に起工、１９４３年１０月９日に進水、１９４４年９月７日に竣工をします。 １９４４年１２月に第１５潜水隊に編入、先遣部隊に配備をされます。

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この頃になりますと、既に戦況は悪化の一途を辿っていまして、本来の巡潜としての用途としては使われる事は無くなっています。 では何を任務としたかと云いますと、ゲーム中で彼女が「アレは積みたくないからね？」と嫌っている「アレ」の母艦としての任務を与えられています。

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「アレ」と云いますのは、人間魚雷とも呼ばれている「回天」の事です。 回天による攻撃作戦は、１９４４年１１月から開始をされていまして、ゴーヤちゃんも２回目の作戦から参加をして居ます。

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１９４５年１月のグアムアブラ港に対する攻撃は、戦果を確認しては居ませんが回天発進後、港の方から黒煙が上がっている事から成果ありと判断、ゴーヤちゃんは帰国をします。 続いて１９４５年３月、今度は硫黄島に上陸した米軍に対する回天攻撃を行うべく出撃をします。

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この作戦は途中で中止命令が発令をされ、代わりにウルシー特攻に向かう部隊の電波誘導を行う任務を与えられます。 無事に電波誘導の任務を行った後に、帰国をします。 続いて沖縄に対して攻撃を開始した米軍に回天攻撃を行うべく、４月１日に出航。

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この際は、大和さん達の水上特攻作戦に同行するつもりで進撃をしたそうですが、悪天候などにより目標地点到達が出来ず、別な目標地点に変更をされる物の、これまた特に会敵もせず、帰国をして居ます。 とまあ、数度回転攻撃に出撃する物の、大部分は失敗に終わっています。

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１９４５年７月、再び回天攻撃にゴーヤちゃんは出撃。 ７月２８日に輸送船団を発見して回天による攻撃を行いますが、雨の為戦果確認は出来ませんでした。

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１９４５年７月３０日、ゴーヤちゃんは米重巡洋艦インディアナポリスを発見します。 通常魚雷の攻撃と回天攻撃の準備を行いますが、魚雷攻撃で３門づつを時差で２回発射し、うち３発が命中。 インディアナポリスは弾薬庫の誘爆により大爆発を起こして、１２分後に沈没をします。

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このインディアナポリスですが、実はゴーヤちゃんに撃沈をされる前に、テニアン島に原爆を運搬していた事が戦後判明をして居ます。 良く語られますのは、もしこの原爆を運んで居る最中に撃沈出来れば…と云うお話です。 それについては、ここで語る事ではありませんのでは伏せさせて頂きます。

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ちなみに、このインディアナポリス撃沈が、日本海軍としては最後の潜水艦による大型戦闘艦の撃沈で、なおかつ米軍に於いて第２次世界大戦で最後に敵の攻撃で沈んだ水上艦となりました。

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この戦果にゴーヤちゃんの乗組員さんは大いに沸き立ちますが、逆に攻撃に迎えなかった回天乗組員さんは意気消沈していたと云われています。 １９４５年８月９日、再び輸送船団を発見したゴーヤちゃんは回天による攻撃を行いますが、これについても戦果は確認出来ませんでした。

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そして、そのままゴーヤちゃんは終戦を迎える事になります。 終戦後、１９４６年４月１日に米軍によって五島列島沖に海没処分をされました。奇しくも、初代ゴーヤちゃんと共に海没処分になった事になりました。 以上が、ゴーヤちゃんの戦歴です。

鳳翔 @Housyou_kankore

伊５８ちゃんの諸元ですが。 全長１０８．７ｍ、全幅９．３ｍ、基準排水量３６８８トン（水中）、速力水上１７．７ノット、水中６．５ノット。 ２５ｍｍ連装機銃１機、 ５３ｃｍ魚雷発射管６機、 魚雷１９本、 水上偵察機１機、 を装備していました。