映画『ジョーズ』と元ネタのエピソードについて

長崎の原爆以降日本を核攻撃するために核物質を搬入帰還中の米海軍艦艇を撃沈した帝国海軍潜水艦
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SOW@ @sow_LIBRA11

そういえば、昨日の深夜「ジョーズ」が放送され、「空も飛ばないし巨大化しない触手もないサメ映画とは、なんて斬新なw」と盛り上がったようだが、この「ジョーズ」映画史に残る傑作ではあるが、それ以外の部分でも大変大きな波紋を与えた作品でもある。 pic.twitter.com/N71R3ZbTvx

2020-06-10 05:05:11
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主要登場人物の一人、サムは、元海軍の兵士。太平洋戦争中「インディアナポリス」に乗っていたが、日本軍の潜水艦に沈められ、海に投げ出され、他の多くの兵士たちとともに、夜の闇の中で、サメに襲われ死の恐怖を味わい、それ以来、サメへの憎しみを抱くようになる。 pic.twitter.com/WFZqBc1Ffb

2020-06-10 05:06:52
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この「インディアナポリス号の悲劇」は、長らく語られ続け、「祖国のために出兵したにも関わらず、名誉の戦死ならまだしも、サメに食い殺されるとは」と、惨劇として語られ、敵潜水艦の攻撃を回避する努力を怠ったと、艦長は軍法会議にかけられ、戦後も責められ続けた挙げ句、自殺してしまった。 pic.twitter.com/UGAEYNEJ3L

2020-06-10 05:11:11
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そして「インディアナポリス号の悲劇」も過去のものとなったと思われたが、そこに「ジョーズ」を見た人物が興味を持ち、再調査を始める。その結果、「サメによる被害は、ほぼなかった」ことが判明した。それどころか、海軍司令部の不手際による救助の遅れこそが最大の原因だと確定したのだ。

2020-06-10 05:14:14
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これによって起こった、自殺したインディアナポリス号の艦長、マクベイ大佐の名誉回復運動が起こり、時の大統領ビル・クリントンすら動かし、ついに「無罪」が勝ち取られた。死後32年経ってのことであった。 pic.twitter.com/r69B9rNHeD

2020-06-10 05:17:16
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このマクベイ大佐の無罪を得るにあたって大きな要因となる、「インディアナポリス号は、決して敵襲に対して怠慢な行動など取っていない」という証言があった。 証言した人物は、誰あろう、あの時、インディアナポリス号を撃沈した、帝国海軍の潜水艦の艦長であった。

2020-06-10 05:19:37
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その潜水艦の元艦長、橋本以行氏は、「敵側の立場として、最も攻撃しにくい対応をマクベイ艦長は行った」と、アメリカ本土まで招致された上で、証言した。 さてここで、結論から言うが、先述のように、インディアナポリス号の悲劇の原因は「司令部が位置を把握しておらず、救助が遅れた」である。 pic.twitter.com/rYUQDul1Vt

2020-06-10 05:26:16
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そもそもなぜ、米海軍司令部は、インディアナポリス号の位置を把握できなかったか・・・その理由は、ある秘密兵器の運送任務に就いていたからだ。それゆえ、情報が制限されていた。その兵器とは、原子爆弾であった。インディアナポリス号は、原爆をアメリカ本土から運び、その帰路にあったのだ。 pic.twitter.com/Sa6sl8y0D4

2020-06-10 05:28:28
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橋本氏の心中察するに余りある話である。「この世界の片隅に」でも描かれた、何千、何万、何十万もの同胞の命を奪った虐殺に関わった相手。しかし、それでも同じ軍人として、国の命令に従ったにも関わらず、不名誉を押し付けられることを良しとせず、徹底してマクベイ大佐を擁護した。 pic.twitter.com/vfVwvBOmST

2020-06-10 05:31:45
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実は、海軍司令部的には、「自分たちの落ち度」を回避するべく、意図的にマクベイ大佐に責任を押し付けようとしていた。事実、大佐は軍法会議で有罪となったが、「寛大な処置」によって無罪になり、口止め料を支払われるかのように、少将に昇格している。

2020-06-10 05:33:23
SOW@ @sow_LIBRA11

海軍司令部は橋本氏を招致したのも、マクベイ大佐に不利になる証言をさせるためだったが、氏は最後までそれに応じず、大佐の無罪を訴えた。それゆえ、公式映像記録から、長く氏の証言のシーンはカットされていた。橋本氏は、マクベイ大佐の死後も、長く大佐の無罪を、米政府に訴え続けたという。

2020-06-10 05:38:39
SOW@ @sow_LIBRA11

この橋本氏が乗っていた、インディアナポリス号を撃沈した潜水艦は、伊五十八号潜水艦、ゴーヤである。近年、五島列島沖で沈められていたものが発見されたアレである。 pic.twitter.com/3MP0Emt14x

2020-06-10 05:41:04
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SOW@ @sow_LIBRA11

伊五十八号は、様々なメディアに登場するが、最も有名な作品を上げるならば、映画「真夏のオリオン」の伊77のモデルが挙げられる。 ここま来れば勘の良い方はお気づきかもしれない。 元艦長の橋本以行氏は、「真夏のオリオン」の主人公、玉木宏が演じた、倉本孝行少佐のモデルとなった人物なのだ。 pic.twitter.com/poMJUzVAYC

2020-06-10 05:45:11
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SOW@ @sow_LIBRA11

こうして、ようやく名誉回復したマクベイ大佐は、「悲劇の英雄」として語られることになり、「多くの部下を救うべく最後まで尽力したにも関わらず、非業の運命に翻弄された」として、映画化され、後世に語られることになる。 pic.twitter.com/U5tYzXTFZF

2020-06-10 05:53:13
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SOW@ @sow_LIBRA11

そして「パシフィック・ウォー」でも、橋本氏は登場し、史実同様、大きな役割を果たす。ちなみに「真夏のオリオン」において、主人公倉本少佐は、特攻兵器回天の使用を最後まで拒むのだが、橋本氏もまた、「無駄な戦没者を出したくない」と最後まで拒んだ人物でもある。 pic.twitter.com/Npw0DXTMJN

2020-06-10 05:57:28
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SOW@ @sow_LIBRA11

まぁこれこのように、「映画」は歴史を描くが、同時に「映画」自体か、歴史に描かれるという、大変興味深いエピソードがあったわけです。

2020-06-10 06:00:25

インディアナポリスについて別の解説

Sputnik 日本 @sputnik_jp

米国 日本にさらに12の原爆を投下する予定だった sptnkne.ws/AQn #米国 #広島 pic.twitter.com/16sBsTsMJO

2015-08-16 15:39:41
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リンク Sputnik 日本 米国 日本にさらに12の原爆を投下する予定だった 米国は、広島と長崎に原爆を投下した後も、日本への原爆攻撃をやめるつもりはなかった。彼らは、三発目を投下するばかりでなく、さらに12もの原爆投下計画を持っていた。新聞「The Daily Beast」が、広島・長崎への原爆投下70周年に関連して公表された米国の軍事アーカイヴの資料を引用して伝えた。
Элизачка@Александр @Erizatika

実はテニアン島に重巡洋艦インディアナポリスが搬入した原子爆弾の資材はウラン爆弾一発分にプルトニウム爆弾3発分だった。ただ、核物質がウラン、プルトニウム各一発分だった。 命令と核物質搬入が在れば何時でも3発目以降の原子爆弾は投下可能だったのを、トルーマンが3発以降中止命令を出した。 twitter.com/ariga_prdgmmkr…

2017-08-12 17:05:31
有賀暢迪(科学史と博物館) @ariga_prdgmmkr

これは知らなかった。3発目の原子爆弾は8月下旬に準備できる、というグローブスからの連絡に対するトルーマンの反応。これ以上は使うな、さらに10万人を殺すのはあまりに恐ろしいことだ、と。……驚いた。 twitter.com/wellerstein/st…

2017-08-11 09:39:31
Masa Okumura @mokumura

北マリアナ諸島のテニアン島、米海軍の駆逐艦、インディアナポリスと広島・長崎の原爆との関係を知る人は少ないと思うが、、インディアナポリス駆逐艦が4日早く、日本の潜水艦に攻撃され沈没されておれば、広島・長崎の原爆は無かった。駆逐艦は米本土からテニアン島に原爆を運び、そこからB-29

2017-08-09 20:20:03
Masa Okumura @mokumura

これが駆逐艦、インディアナポリスでテニアン島に原爆を運び降ろして、4日後に日本海軍の潜水艦によって、一発で船体が半分に折れる爆撃で沈没 この事は映画にもなっている。 USS Indianapolisの記事 atomicheritage.org/history/uss-in… pic.twitter.com/vkXtAqv53R

2017-08-09 20:25:43
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リンク Atomic Heritage Foundation USS Indianapolis The USS Indianapolis was a US Navy cruiser that delivered the components of the Little Boy atomic bomb to Tinian Island. It was later sunk by a Japanese submarine in what became the worst naval disaster in US history. 193
Masa Okumura @mokumura

このインディアナポリス沈没には更に艦長が軍艦を潜水艦の攻撃から守るために、ジグザグに航行する義務をしなかった怠慢で軍法裁判に掛けられ有罪になった。この時、日本海軍の潜水艦が沈没させた証人としてハシモト モチスラが証言でインディアナポリス艦長を擁護する敵の日本人がアメリカ人をかばう pic.twitter.com/phGXwTzKiO

2017-08-09 20:49:17
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