ストライキを打たれないが故に増長する日本の経営者とストに臆病な日本の労組・そして現場の惨状! by 野川忍明大教授(@theophil21)
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争議リスク(1)今朝の日経「私の履歴書」において小沢征爾は、ボストンフィルを30年以上指揮した回顧話の一つとして、できるだけ団員の処遇をよくすることに気を使ったことを記している。その理由が「ストライキを避けるため」。彼は厳密には使用者ではないが、これは非常に正常な認識である。
2014-01-29 11:41:17争議リスク(2)労働者の処遇の改善は、労使交渉の中で勝ち取られるべきものであるが、交渉が進まない場合には労働組合は権利の行使としてストライキを打つ。だから交渉の前に、「いざとなればストライキを打つ」ことを使用者側に通告しておく。使用者は本気で交渉に臨まざるを得なくなる。
2014-01-29 11:44:07争議リスク(3)使用者としては、ストライキを実際に打たれて打撃をこうむることは避けたいので、交渉の中でできるだけ適切・妥当な合意点を探ることとなるし、労組もストは痛手となるので使用者側の譲歩がある程度引き出せればそこで合意する。争議リスクが両者を歩み寄らせるのである。
2014-01-29 11:45:54争議リスク(4)ところが、絶対にストライキを打たない、争議行為はしないことが明らかな場合は、どれほど交渉をしようと、使用者は労組の要求を突っぱねても構わないという判断に導かれる。争議リスクがないのだから、労組の要求など「余裕のあるときに聞いてやってもよい」程度の位置づけとなる。
2014-01-29 11:47:52争議リスク(5)加えて、「労働者をあまり過酷に扱えば、労組から争議行為という合法的で強力なリアクションがある」という認識があれば経営者もブラック化への誘惑に勝てるが、「どんなに労働者に血しぶきを上げさせても彼ら自身からは何の抵抗もない」と認識すればどうなるか。それが現状である。
2014-01-29 11:50:37争議リスク(6)この点では、先進諸国の中で、日本の経営者ほど甘えた立場にある経営者はいないだろう。どの国でも経営者は、労組の争議行為・ストライキを想定しながら、少なくとも日本とは比較にならない緊張感をもって労組と対峙しているのである。この惨状は、もちろん経営者だけの責任ではない。
2014-01-29 11:53:14争議リスク(7)労組に呼ばれて労働法の講義をするとき、よく「ストライキの話はしないでくれ」と言われる。差しさわりがあるからだそうだ。冗談じゃない! ストは憲法で直接国民に保障されたゆるぎない権利であって、使用者の経営権と対等もしくはそれ以上の位置づけをされているのだ。
2014-01-29 11:54:56争議リスク(8)そして、誰も「もっとストライキをやれ」などと言っているわけではない。前ツイしたように、「いざとなればストをやる」ことを示して労使交渉にあたることで、交渉の中身を労使双方にとって実質的で有益なものとすることが最大の意義なのだ。実際のストは満を持してまれに行えばよい。
2014-01-29 11:58:29争議リスク(9)以上のような争議行為の本意を理解しようともしない労組の責任は大きい。繰り返すが、争議権が労働者に与えられているのは、何も経営者に無理じいをするためではない。対等で合理的な交渉により双方に実りある合意をもたらすためなのだ。
2014-01-29 12:01:46争議リスク(10)小沢征爾のように、「従業員の処遇をできるだけ改善しよう。ストは回避したい」という「国際標準」のまっとうな経営感覚をもった経営者が多数派になるために、経営者自身も勉強してほしいし、連合をはじめとする中央団体は日本の惨状克服に本気で取り組んでほしい。
2014-01-29 12:05:55ユニオンに関わっています。ストどころか労組すらない中小零細においては、経営側が従わざるをえない措置は最終的に裁判しかなく、労働者にはハードルがあまりに高い状態です。やれば勝てる裁判でも経済力がなくては戦えない。見渡す限り「女工哀史」ですよ。@theophil21
2014-01-29 12:12:21ユニオンとの団交に応じるのはまだしもマトモな経営者。悪質な経営者、あるいは悪質な弁護士・社労士がついた経営者は、団交なんてガン無視です。こちらには最終的な強制力がないのを知っている。ストは絶対的に必要です。抑止力が必要なのです。@theophil21
2014-01-29 12:15:10@tikani_nemuru_M おっしゃる通り。労使関係によって労働条件を形成する、という憲法の原則からすれば、惨状が惨状という表現も甘いほどのレベルに達していると言わざるを得ない。どこから、どのように解きほぐしてまっとうな方向へ一歩でも踏み出せるのか、模索しつつ行動。
2014-01-29 12:26:17争議リスク:theophil21氏http://t.co/4ZzhaW9DTG小沢征爾は、ボストンフィルを30年以上指揮した回顧話の一つとして、できるだけ団員の処遇をよくすることに気を使ったことを記している。 その理由が「ストライキを避けるため」。これは非常に正常な認識である。
2014-01-30 21:26:38労使関係によって労働条件を形成する、という憲法の原則からすれば、惨状が惨状という表現も甘いほどのレベルに達していると言わざるを得ない。どこから、どのように解きほぐしてまっとうな方向へ一歩でも踏み出せるのか:theophil21氏http://t.co/4ZzhaW9DTG
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