- sunagamesh
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パーティに浮かれる姿に苦笑したのが三時間前。子狼姿で襟巻きにされた弟をからかいながらも実は羨ましく思っていたのが二時間前。マスターをエスコートできる喜びを噛み締めたのが一時間前。そして今。これもひとつのワールドエンド。血の海で二匹の黒狼を従える金色に言峰は知らずその身を震わせた。
2014-04-01 22:18:48桜を眺める母が何処かに消えてしまいそうで、きれいは慌ててその手を掴んだ。「ふふ、お前は■■に似ずに甘えん坊だな」母は笑ってきれいを撫でる。「ははうえ、どこにもいかないで」「ああ、ずっときれいの傍にいる」これもひとつの世界の終わり。その嘘に気付かぬように私はそっと目を閉じた。
2014-04-01 22:35:40雪が降ってきたのかと思った。倒れた私の隣にふわりと立った彼は見慣れぬ白い衣を着ていた。魔術礼装だろうか。まるで花嫁だ。「お前なんぞのためにここまでするなんてな」苦笑する姿に違和感を覚えた。意識が途切れる。これもひとつのワールドエンド。彼の聖杯は願いを叶え、私はここに生きている。
2014-04-01 22:46:37月の裏側から箒星のように表へと駆ける背中を見送る。所詮NPCの身では壁を破ることはできない。表ではまた言峰綺礼が作成されるだろうがそれはきっと私ではない。彼と出会った私ではない。消滅するとしても私は私でありたかった。だからこれはひとつのワールドエンド。月の裏側で私は金の夢を見る。
2014-04-01 22:56:22「おかえりギルガメッシュ」パートナーの姿に言峰はそ笑みを浮かべる。聖杯戦争は目前だ。いつまでも遊び歩かれても困る。彼と過ごした十年を思い出そうとして首を振った。「ではいくか」未来は続かないことを知っていて、それでも二人歩き出す。これもひとつのワールドエンド。そして運命の夜がくる。
2014-04-01 23:04:35どうかわたしをみつけてください。 あらゆる世界に、あらゆる時空に彼らはいます。 だからわたしはあなたのなかにいます。 だからわたしのゆめはおわりません。 あなたのゆびで、あなたのことばで、どうかわたしをつくって、くださ、い。 わたしの、ゆめ、を、かたち、に、してくださ、い。
2014-04-01 23:06:54エイプリルフール終了後
昨日の神金録音のネタをまとめてみたら適当に作ったのに20個ジャストだった。言峰とギルちゃんのそれぞれ10年ずつってことですか?
2014-04-02 14:45:13ていうか白痴ギルちゃんのも書いたはずなのに、と思ったら送信失敗してた。でもそれによって20個ジャストになったからそれも運命か
2014-04-02 14:47:45「あー」かつて私を導いた唇が意味のない音をあげる。エデンの蛇は既になく瞳は焦点の定まらないまま虚空を見ていた。涎を拭き服を替える。そうした世話が今の綺礼の役目だ。捨ててしまえと冷静な脳が告げる。だがこれもひとつの世界の終わり。壊れた男を腕に閉じ込めて綺礼は微笑み眼を閉じた。
2014-04-02 14:49:14