【twitter小説】猫の管理人#2【ファンタジー】

街に猫が増え続けている…清掃ギルドの青年は猫をなんとかしようとするが、そのとき夢に現れたのは猫の魔法使いだった。小説アカウント@decay_world で公開したファンタジー小説です。この話は#4まで続きます
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減衰世界 @decay_world

 管理人は紅茶を飲み干すと、レウンの目を真っ直ぐ見て語りかけた。 「レウン様はきっと優秀な猫になれるにゃー。生まれつきの猫というのは、やはりどこか自由すぎるにゃー。自由に縛られ過ぎて、自由を見失っているにゃ……」 53

2014-04-03 16:56:10
減衰世界 @decay_world

「けれど、人間の魂と猫の身体を持つ選ばれし者には、全てを手に入れるチャンスがあるにゃ。いずれ猫を導き、猫の王国を築くためには、猫の人間の力が絶対必要になるにゃー。レウン様にはやはりその素質があるにゃ」 54

2014-04-03 17:00:30
減衰世界 @decay_world

「頼みますにゃ、レウン様。あなたの力で猫を導いてほしいにゃー」  レウンは視線を逸らし、首を振った。 「しばらく考えさせてくれ。時間が欲しい。これはすぐには決めてはいけないと思う。重要な、そう、重要な問題だ……」 55

2014-04-03 17:05:49
減衰世界 @decay_world

「わかったにゃー」  管理人はまだ諦めていないようだった。後日、自分の仮屋に来てほしいという。そこは無人の廃屋だったが、中は魔法で綺麗にしてあるという。そこが猫たちのこの街の拠点なのだ。 56

2014-04-03 17:12:11
減衰世界 @decay_world

「ゆっくり考えてほしいにゃー。後日、家で待ってるにゃ。そこでレウン様の決断を聞くにゃ。無理を言ってすまなかったにゃー。ではまた」  そう言って静かに管理人は店を出て行った。客たちは変わりなく談笑したり食事をしたりしている。 57

2014-04-03 17:18:24
減衰世界 @decay_world

 レウンは黙ったまま食器を片づけて帰路についたのだった。 58

2014-04-03 17:23:28