【コラム】「パトレイバーほど泥臭いロボットモノを僕は他に知らない」

ぜひ原作を読んでみてください。
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根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

26/47 便利な機械を保有している特車二課は 世間にその存在意義を認めてもらう意味もこめて、 様々な作業に駆り出されます。 時に暴走するレイバーを止め、 時にデモ隊の動向を見守り、 時に宇宙怪獣と戦い(?)、 時に謎の集団と渡り合う。

2014-04-15 22:09:41
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

27/47 違法車両があれば持ち上げて運び、 高速道路で牛に逃げられれば追いかけて捕らえ、 吊り下げられた宇宙機械を落されればシートを広げて受け止め、 大統領護衛の際には海に落して 「そんなもんほっとけ」とのたまったりもします。

2014-04-15 22:12:02
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

28/47 メインの話として、つなぎのエピソードとして、 変わりゆく状況の補助的に、 コミカルに、真面目に、 日々の仕事の様子が描かれています。

2014-04-15 22:13:23
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

29/47 物語の後半になると、 レイバーの活躍自体が描かれる場面は少なくなり、 人間関係を主としたサスペンス的な展開にシフトしていきます。

2014-04-15 22:14:20
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

30/47 それでも、特車二課の日常は絶えることがありません。 描写自体は減りますが、 変わることのない日々の業務は自然と知れます。

2014-04-15 22:15:59
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

31/47 事件が起これば出動し、解決しては基地で整備し、 仮眠中に叩き起こされ、また新たな現場に向かう。 本筋とは無関係にどうしようもなく続いている日常、 そんな騒がしさがきちんと示されています。

2014-04-15 22:18:16
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

32/47 劣悪な労働環境にも負けず、 特車二課の面々は「警察官」であることをまっとうしています。 起き続ける事件の情報を整理し、 わずかな経験からも得られるものを学び、 失敗を悔いて拘りながらも職務に忠実であり続け、 自分たちの本分を果たそうと邁進します。

2014-04-15 22:19:20
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

33/47 自覚がなくても 彼らの本質が「正義の味方」であることは疑いようがありません。 そしてそんな地道の積み重ねこそが、 他に代えられない武器として機能します。

2014-04-15 22:20:25
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

34/47 物語ラスト、最大の敵機であるグリフォンとの戦闘を迎えた時、 イングラムはもはや二世代ほど型遅れとなっていました。 最新鋭機はすでに破れており、 それらに比べればパワー、スピード、反応速度と、 どれ一つとして勝るものはありません。

2014-04-15 22:21:30
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

35/47 対戦相手として残された理由は、 最初の目標を潰すという 趣味的な消化試合でしかありませんでした。

2014-04-15 22:22:31
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

36/47 しかし、イングラムはグリフォンと互角に渡り合います。 頭部メインカメラは早々に吹っ飛ばされ、 腕部端末装甲は一撃ごとに引き剥がされ、 もっとも頑丈な胸部装甲を半分切り裂かれても、 引けを取らない動きで食らいつきます。

2014-04-15 22:23:38
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

37/47 受けるダメージを逐一把握し、 失われゆく運動性能を考慮し、 中枢ユニットへの致命傷を避け、 動く部位を確認しながら、 明らかに自機を上回る一つ一つの 挙動・機動に対応してみせます。

2014-04-15 22:24:47
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

38/47 それは、毎日使い続けることで熟知した特性の活用であり、 整備し手をかけることで築き上げた信用であり、 自分とイングラムにならばできると確信した成果でした。 パワーの限界、加速のクセ、反応の鈍さをも計算しつくした、 否、体に沁みこませた結果でした。

2014-04-15 22:25:50
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

39/47 激闘の果て、 最新技術をもってしても敵わなかったグリフォンに、 イングラムはスクラップ同然の姿になりながらも「圧勝」します。 万人に天才と認められるパイロットに、 一介の警察官は業務として勝利するのです。

2014-04-15 22:27:15
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

40/47 こんなに地味な積み重ねで、 しかし最も重要な要素で決着がつくロボットモノを、 自分は他に知りません。

2014-04-15 22:28:24
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

41/47 そして「パトレイバー」のいいところは、 この「結果」も要素の一つとして処理しうる、という点です。

2014-04-15 22:29:37
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

42/47 主人公にとっては人生最大に近い戦果であり、 物語全体としてもっとも重要なポイントではありますが、 社会構造と総合的なストーリーとして考えた場合、 ここで勝利できなければすべてが崩れ去る、 というほど大きな事態ではありません。

2014-04-15 22:30:52
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

43/47 確かに、ここで負ければ首謀者が逃げのびてしまいます。 が、それだけです。 他の手段によって追いつめられる可能性も残っていますし、 結果次第ではそういう方向で進めたでしょう。

2014-04-15 22:31:53
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

44/47 一つの作戦だけにすべてを賭けるような方針は組織的ではなく、 この世界の警察はその点において実にシビアです。 だからこそ特車二課の異質さ、 あるいは末端としての矜持が際立ったのかもしれません。 その点を最大限に魅せる、 そんな構成の意図も感じられました。

2014-04-15 22:33:25
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

45/47 世界の中心でありながら脇を固めるレイバー、 そしてストーリーの核でありながら基礎を務めたパトレイバー。 描きたいものを、描くべきものを最後まで貫き、 一つのドラマを美しく完結させたこの作品が、 自分は今でも大好きです。

2014-04-15 22:35:05
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

46/47 ・・・しまった、途中で調整しながらだったからナンバリングがズレた(--;

2014-04-15 22:36:43
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

47/47 せっかくだから宣伝しとこう。 他にもこんなことを色々書き連ねてますので、 暇つぶしにでも覗いたってください。 「◆野良の短編・エッセイ・その他」 http://t.co/5JsVF51A4L

2014-04-15 22:37:55