【コラム】「パトレイバーほど泥臭いロボットモノを僕は他に知らない」

ぜひ原作を読んでみてください。
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根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

1/47 【コラム】「パトレイバーほど泥臭いロボットモノを僕は他に知らない」

2014-04-15 21:37:59
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

2/47 「パトレイバー」という作品があります。 レイバーと呼ばれる人型機械が台頭しはじめた90年代後期。 その機動性を利用した犯罪者も現れるようになり、 対応するために警察が特殊車両として配備したパトロール・レイバーと、 それを運用する特車二課を中心に描かれた近未来SF作品です

2014-04-15 21:39:13
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

3/47 書いていてすでに過去となっていることに気づき、 近未来SFとは呼べないなと思いましたが、 その議論はまた別の機会に(笑) 新たに実写映画化もされるとか。 色々なメディアで展開されていますが、 今回はマンガ版に主軸をおいて話を進めます。

2014-04-15 21:40:26
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

4/47 アニメや映画は動画という特性を活かして 色彩や動きを強調できるテーマやストーリーが主体となっていますが、 マンガ版は長い期間だからこそ描きうる、 理解と展開に時間のかかる内容を含んでいます。

2014-04-15 21:41:43
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

5/47 それはなにか? 自分は「レイバーという存在がある世界」そのものだと考えました。 人型機械の特殊性や特異な活躍だけではなく、 それが当たり前に存在することで どのような社会が構築されるか。

2014-04-15 21:42:45
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

6/47 その可能性の一つを提示し、 考えうる事件や事象を 様々な視点から描くことで知れる変化、 そんな「生きた世界」こそを描いていると感じました。

2014-04-15 21:43:54
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

7/47 「パトレイバー」は基本として これを運用する特車二課を中心に描かれます。 彼らが、レイバーで暴れる犯罪者や破壊活動を行うテロリストや、 経営戦略あるいは技術推進を目的とした企業を相手に活躍する様が、 当初は多目に取り上げられています。

2014-04-15 21:45:01
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

8/47 しかし、話が進むと組織としての警察、 経済活動を行う企業といった、 大きな存在の思惑が影響を及ぼしてきます。 それまでは背景として感じさせる程度であった深い部分に、 ゆるやかに踏みこんでいくわけです。

2014-04-15 21:46:16
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

9/47 導入で示されているのですが、 この世界においてレイバーは自動車を凌ぐ主要産業であり関わる利権争いや情報戦が行われているのは 考えてみれば当然のこと。

2014-04-15 21:47:25
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

10/47 存在が大きければ大きいほど、 社会に与えている影響も大きい。 当たり前のことなのですが、 それを意識して描き、ストーリーの中心として 丁寧に描いている作品はなかなか珍しい。

2014-04-15 21:48:29
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

11/47 この段階になるとパトレイバーそのものの活躍はあまり描かれず、 主体は搭乗者や関係者の心理的ドラマがメインになるのですが、 それがまた細かく、無関係そうに感じられて 巡り巡った影響を与えあいます。

2014-04-15 21:50:41
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

12/47 警察官、労働者、技術者、黒幕。 隊員、隊長、社長の息子、黒幕の愛人。 記者に、捜査員に、傭兵に、テロリストにと、 それぞれの立場から自らの目的に対し、 あるいは流されるままに、 考え、選択し、状況を少しずつ動かしていく。

2014-04-15 21:51:55
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

13/47 その積み重ねの結果として、あるいはまったく無関係に、 場面が新たに展開され、また個々人が判断し、 行動し、企んでいく。 この流れが主人公たちを中心に、時に大きく逸脱しながらも、 マンガらしいコミカルさとわかりやすい対話により描かれていきます。

2014-04-15 21:53:26
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

14/47 ロボットモノとしてはかなり異端なのかもしれませんが、 しかし考えられて然るべき背景と展開でしょう。 この点に踏みこみ実際に描かれた作品があるというのは 素晴らしいことだと思えます。

2014-04-15 21:54:20
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

15/47 このように積み上げられてゆく無数の思惑は、 個々のキャラクターごとにそれぞれの物語を構築していきます。 その中心であり象徴となる存在こそ、 本題であるパトレイバーです。

2014-04-15 21:55:30
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

16/47 この機体はストーリーの都合に左右されることなく、 警察組織の一装備として在り続けました。 急に強くなることもなく、 壊れれば時間をかけて直さなければならない。

2014-04-15 21:56:36
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

17/47 個性的な隊員に負けず劣らずの問題児として、 技術的な転換期に存在する機体として、 タイトルに相応しい在り方を貫いています。

2014-04-15 21:57:46
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

18/47 このパトレイバー、AV98式イングラムは、 登場時点で当時最高の技術により造り上げられました。 最新型のオートバランサーを具え、 人型に極めて近いプロポーションを誇り、 汎用と呼ばれるに相応しい 多彩な運動性を可能とするポテンシャルを与えられ、 生みだされました。

2014-04-15 21:58:54
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

19/47 空こそ飛べないものの(笑)、 パイロットやエンジニアの ロマンを掻き立てる魅力に溢れた存在だったのです。 しかし、それも開始時点での話。 時が流れれば技術が進歩するのは当然であり、 作中でもレイバーは進化し続けます。

2014-04-15 21:59:57
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

20/47 試験機として度外視されていたコスト面の改善、 運動性能のため犠牲にしていた乗り心地の向上、 バージョンアップするOSへの完全な適応、などなど。 後継機候補はいずれも イングラムの欠点を補う性能を具えていきます。

2014-04-15 22:01:11
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

21/47 直接の敵も時間と共に強力になっていきます。 人型のプロポーションに伴う運動性は イングラムだけの特徴ではなくなり、 対する機体は違法改造や軍用、 果ては「空を飛べる」謎技術のレイバーと、 もはや性能差だけで対応することは難しくなっていきます。

2014-04-15 22:02:20
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

22/47 それでも、主役機であるイングラムの性能は 初期から大きく変化しません。 最大出力、反応速度、火力や機動力など、 装備によって若干の差は生じますが 基本的には登場時のままです。

2014-04-15 22:04:16
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

23/47 ではどのように対抗するのか? 基本的には数を揃えての力押しですが、 個々の性能はパイロットの技量、 および整備各所との連携・練度によってのみ向上します。

2014-04-15 22:06:14
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

24/47 意識の変革によるきっかけなどはありますが、 特訓や修行によって一気にパワーアップ、 などということはありません。 これまたひたすら地味な積み重ねによってのみ成長するのです。

2014-04-15 22:07:18
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

25/47 メインパイロットの一人である泉野亜は警察官です。 安月給でコキ使われ、 基地が半ば住居になっている現場の人です。

2014-04-15 22:08:20