地下鉄の少女#2

キノコ工場に勤める一人の青年。彼は通勤の地下鉄でいつも出会う少女に好奇心を膨らませていた。彼女は青年が乗る地下鉄には必ず乗っており、数個前の駅でいつも降りるのであった。しかしその駅は存在しない駅だった…? twitter小説アカウント @decay_world で公開したファンタジー小説です。この話は#4まで続きます
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減衰世界 @decay_world

 このまま列車に乗っていてもしょうがない。彼はそう思って歯車二丁目で降りることにした。彼はこの事実を目にしても、まだ歯車三丁目の存在を諦められなかった。何かの……工事とか、何かで、歯車三丁目が飛ばされているのかもしれない。 53

2014-04-22 18:46:33
減衰世界 @decay_world

 確かにあの駅は老朽化が激しかった。駅の整備のため、下車不可になっているのかもしれない。そう彼の中で理由づけしたことで、一度は安心した。念のため駅員に聞くことにする。 54

2014-04-22 18:52:16
減衰世界 @decay_world

「すみません、歯車三丁目の駅のことなんですが……」 「どういうことです?」 「え?」 「いや、お客様……歯車町は二丁目までしかありませんよ。歯車三丁目とはどういうことです?」 55

2014-04-22 19:02:57
減衰世界 @decay_world

「え、いや……何でもありません」 カラカはそう答えるだけで精いっぱいだった。カラカは頭がどうかなりそうだった。いま自分の記憶に何が起こっているのか……それが全く分からないのだ。 56

2014-04-22 19:08:22