OGAWA Kandai氏が見た、旅した－中東の人と社会

OGAWA Kandai @grossherzigkeit

ちなみに中東某国にて、割に「今の日本の重大ニュースは何ですか？ ヤスクニ？ オバマ？」などと聞かれるのだが、「サムラゴーチ、オボカタ！」と答えると、何も知らないので場が持ちます。

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中東某国の在留邦人に「なんで和装で来てるんですか？」と決まって聞かれるが、理由はべらぼうに目立つからだ。郊外の村などに行くと、全住民が後からついてくる。そしてこれが安全確保策なのだ。周囲からの全視線を集めてる奴にカッパライや暴行を加えようとする者はまずないよ。

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この和装のおかげで「あそこは中東でも有名なボッタクリ、悪質商人の巣」と言われるような所でも、難なく切り抜けることができた。1人、やたらしつこく「ジャパン、ジャパン」とまとわりついてきた物売りがいたが、「ジャパンじゃねえ！ 九州熊本だコノヤロー！」と日本語で怒鳴ったら逃げてった。

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王の去った王宮ほど虚しいものはない。しかし人民の人民による人民のための政府は永久である。 http://t.co/Rt40nHMxF8

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中東の観光地として有名な場所に来ているのだが、この種の、金の力を半端に知っているような住民が一番ゴロツキ根性を露わにする。こういうゴロツキどもは、小銭は欲しがっても大きな勝負は決してしようとせず、自分より強そうな者は決して狙わない。「世界遺産」は随分この街の精神を荒廃させている。

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中東某国の、「この辺ではまず英語は通じませんから」と言われる地域にて、必死こいて現地語を使っていたのだが、ある複雑な事柄を伝えるために思わず英語を話したら普通に通じるじゃないか。アメリカ帝国主義バンザイ！

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中東の学生と会話。「小川さんは大学で、日本語で授業をうけてたのですか？」「そりゃそうです」「日本は偉大だ。何とも羨ましい。わが国の大学は欧米の言葉のみで授業を行い、アラビア語で講義をしないのです。これでは未来永劫、アラブの真の復興はない」。英語公用語論の話はちょっとできなかった。

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以前、「旅行中の人に『あそこに行ったらこれを食え』とか『事前に言ってくれたら案内したのに』とかリプライ飛ばす奴は、飲み屋のポン引きあたりが真の適職だろう」とつぶやいてた人に激しく同意したことがあるが、その正しさを確認する旅路でもあるなあ。

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中東某国で移動のため電車に。結構混む時間帯だったらしく同行者が「こりゃ参った」と言うのだが、「オラ、日本の痛勤電車経験者ナメんな！」と勇躍乗り込んでみたら、見た目ほどすごくはなく、悠々乗れる。日本のラッシュの方が大変だ。こうしてつぶやけるほど楽勝で、日本人の頑健さをみせつけてる。

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発展途上国の人間はたくましい？ ご冗談を。身分制や宗教の戒律に縛られて、「分相応」ということを痛ましいほど守っている人々だよ。外人の観光客が来る所で、せいぜい小銭稼ぎに精を出すくらいで、決して大きい勝負には出ようとしない。そんな小銭稼ぎを「たくましい」と思うのは何ともおめでたい。

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ただ当方が今回接した人々の「痛ましさ」は、個人の甘えでも何でもなく、真に「社会が悪い」ところに起因してる。そしてその「社会の悪」を除去することは、おそらく、この地域の伝統文化を解体することにつながってしまうだろう。

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中東某国で拘束されかかる。理由はただひとつ。当方がマガジンのエディットやライティングをしているからというだけのこと。そんなの何の理由にもならんので堂々としていて、無論おとがめなしとなった。世界にカッコいいこと言ってても当方ごとき羽織ゴロにビビるんだから、後ろめたいことが多そうだ。

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世界の音楽シーンに衝撃をもたらす、小川河内守（おがわ・かわちのかみ）は、もうすぐアラブから凱旋公演の予定だ！ http://t.co/OkcKNp8UZ7

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日本に憧れる中東某国の学生にとり、天皇とは何とも関心のある存在らしい。「明仁」という名も知っており、「エンペラー・アキヒト」と言うのだが、「至尊の名を直に呼んではいけない」というと、素直にその後は「エンペラサマ」と言う。

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「エンペラサマは、どのような政治手腕を発揮して、今の日本の経済的発展を成し遂げたのですか？」「直接は何もしていないし、その権限もない。サムライがいた時代から、天皇にはほぼ何の政治権力もなかった」「なぜ何もしない、できないのに、エンペラサマは王たりえるのです？」

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「それには多くの説があるが、私は天皇は何もしてこなかったゆえ神聖さを獲得し、日本人が等しく仰ぐ存在になったのだと思うね。いわば『無』だ。天皇はある意味、日本で最も力を持っていない。自分で今日の晩飯を決めることもできないだろう。そこに何かの尊さを見る。完全に私欲から離れた人として」

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「中東のスルタンのことを私は何も知らないが、日本の王は、古来民を下に見て豪奢な生活に浸り、権力を弄ぶことを厳に戒めた。ショーグン、トノサマの徳目もそれだった。天皇はそれを極め、日本で最も何も持たない王として至尊の座にある。私は民主主義を何より尊ぶが、天皇の偉大さは余りにも大きい」

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中東某国を走る列車に揺られること数時間、近くの席の若者とオッサンが、すごい勢いで議論を始めた。アラビア語で何を言ってるのか詳細不明だが、さすがにそれを2〜3時間にも渡って聞いていると、おぼろげに分かってきた。つまり今後のアラブはどれほどイスラム教を重んじるべきかという議論だった。

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若者は恐らく、「欧米が世界の盟主ヅラしてる今の世の中は許しがたい。アラブの力を見せ付けるべきだ。そのためには、われわれはクルアーンの精神に立ち返り、欧米式の生活から、アラーの教えに忠実な生活を取り戻さなくてはならない」といった内容のことを言っていたのだと思う。

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それに対してオッサンは、「若造、俺は戦争に行って、イスラエルと、その背後にいたアメリカと戦った。惨めなもんだった。アラーは確かに偉大だが、それだけで通じる世の中ではもうない。お前の持ってるiPhoneは何だ？ それを作ったのはどこの国だ？ 今のわれわれに、それが作れるのか？」と。

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若者が真っ赤になって言う。「iPhoneを支えるIT技術に必須のアラビア数字は、われわれがアラーに授かったものだ。そしてむかしイスラエルに負けたのは、あなた方の生活がクルアーンから乖離していたからだ。アラーの教えに忠実に生き、次の戦いでは必ず勝つ！」と。

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オッサンも激昂。「若造、アフガニスタンはどうなった？ クルアーンだけで、本当に今のアメリカに勝てると？」若者負けない。「アルカイダはもともとヤンキーの手下だ。われわれは彼らと違い、混じりけのない、真のムスリムの戦士になるのだ！」…彼らは多分こんなことを、3時間くらい議論していた。