病理医ヤンデル先生の【病理医とは何をする医者か】
【病理医は何をする医者か(1)】 「病気」はいろいろな分類ができるのだが、「流れが滞ることによる病気」と「そこにあるものがおかしくなる病気」とわけることができる
2014-05-08 08:52:28【病理医は何をする医者か(2)】 「流れが滞る」方は、たとえば心筋梗塞とか尿管結石、腸閉塞などなど「本来は流れていなければいけないところ」がつまったり流れが悪くなったりすることで体の調子がおかしくなる 多くの場合、医療者は「流れを正常に戻す」ことを第一義としなければいけない
2014-05-08 08:53:18【病理医は何をする医者か(3)】 心臓の血管(冠動脈)が詰まったとき「なぜ詰まったんだろう?」をチンタラ診断していたらそのまま患者さんは死んでしまうかもしれない 診断の現場において同時に治療が行われなければいけない そのため、診断手法は「早く、正確に、流れをつかむ」ことに特化する
2014-05-08 08:54:22【病理医は何をする医者か(4)】 このような「流れが滞る病気」において、病理医の出番は(原則)あまりない 世の中の医療ドラマなどは「ドラマ性」を大切にするので、「一刻一秒を争う感」がある病気ばかりを題材にするから、ほとんどの医療ドラマに病理医の出る幕はない
2014-05-08 08:55:17【病理医は何をする医者か(5)】 一方、病気の中には「体の中に何かができることにより、体調が悪くなる」タイプのものがある 多くの場合には「できたものが何か」を診断することが治療において重要となる そういう疾患を評価する時にはたいてい臨床医は「モノを採ってくる」
2014-05-08 08:56:17【病理医は何をする医者か(6)】 胃カメラをしてそこにちょっと変な形の胃潰瘍があったら、病変のへりの部分を小指の爪よりも小さいサイズで「ちょろっとつまんで採ってくる」ことがある 胆石胆嚢炎にかかって胆嚢を採ることもある 虫垂炎で虫垂を採ることもある 癌で肝臓や肺を採ることもある
2014-05-08 08:57:21【病理医は何をする医者か(7)】 このような「体内から何かを採ってくる」場合、その採ってきた検体は原則的に「病理医が評価する」。つまり、「体から何かを採ってきて診断・治療を行う場合」には病理医の役目が出現する
2014-05-08 08:58:08【病理医は何をする医者か(8)】 一般外科・消化器・呼吸器・泌尿器・婦人科・耳鼻咽喉科・腫瘍整形外科などの科では「手術して何かを採ってくる」ことがあるので、病理医との関係は蜜月
2014-05-08 08:59:06【病理医は何をする医者か(9)】 循環器科・麻酔科・代謝内分泌科(の一部)・精神科・外傷整形・救急などの科では病理医と一緒に仕事をする機会が少ないのだが、これらの科に共通しているのは「ドラマ性が高く、テレビや小説になりやすい」ということ そのため病理は「裏方」扱いされやすい
2014-05-08 09:00:15【病理医は何をする医者か(10)】 まあそんなわけで、病理医というのが一般に知名度がない理由は「医療の中でスピード感がありドラマ性があるいくつかの科と付き合いが少ない」ことにも一因があるよという話でしたね
2014-05-08 09:00:55【病理医は何をする医者か(11)】 俺がちんこちんこ言いながらフォロワーを増やしているのが社会における病理医の知名度・立ち位置と本来必要な広報性とをはかりにかけたうえでの緻密な策略の元にあるのだということを少しでもわかっていただきたい
2014-05-08 09:02:15初期研修をふつうに終えた段階で「診断学に特化するっての、ありじゃね?」と思われた方、札幌のとある病院の病理診断科で後期研修をすると ・超絶優秀な上司2人 ・ツイッターしかしていないように見える上司1人 ・ザコ の4人に指導を受けて楽しい病理研修ができますのでぜひご連絡ください
2014-05-08 09:44:22このアカウントをはじめてから合計8名の方が「わたくしと相談したあとに病理の道を選択」してくださいました。そのうち7名は北海道外在住の方でしたので、関東や関西での研修先の相談に乗りました このようなアカウントですのでうさんくさいと思われるかもしれませんがわりとまじめに相談にのります
2014-05-08 09:47:36