俺とよるほーの100日ちょっと

「このよるほーってやつ、毎晩毎晩流れてきてウザいなあ」 そんな思いから始めてみた、ひねくれ者の定期post。 気付けば随分な量が溜まっていたので、試しにまとめてみました。 会心のネタ、いまいち納得のいかないネタ、今読み返してみると分かりづらいネタ。 続きを読む
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カイン @gyoniku

「ちょっと、最近どうしたの? よるほー、昔はあんなに楽しみにしてたのに。それが今じゃ……」「俺も歳だし。いつまでもよるほーとかやってらんねーさ」「……あたし、好きだったよ。アンタのよるほー。違う、よるほーするアンタが好きだったの!」……よるほーも、時間も、決して巻き戻せはしない。

2010-10-18 00:11:16
カイン @gyoniku

気付けばもう三ヶ月以上もよるほーじゃないよるほーをしてるんだな……。その前は「よるほーには何の生産性もない」と空中disをしてたので、この頃はまだ普通のよるほーが飛び交ってたんだと思う。それで始めた「嫌いなものを遊びにしてみる」遊び、結構楽しかった。何だってそうだ。悩むな、遊べ。

2010-10-18 00:24:59
カイン @gyoniku

「わーん! もう帰るー!」「ワガママ言わないの。よるほーしない子は立派なツイッタラーになれないんだからね」「やだー、なれるもん! あるふぁーになれるもーん!」……また、あの夢か。結局俺はツイッターをやめたけど、後悔はしてない。よるほーってのは自由にするもんだからさ。……よるほー。

2010-10-19 00:25:22
カイン @gyoniku

父が死んだ。父は無趣味で無頓着で、我が家には遺産らしい遺産も残されなかったが、そんな折初めて入る父の書斎で不思議なものを見つけた。後ろめたさを感じる程大事にしまい込まれた、一冊のメモ帳。「よるほー」。内容はそれの繰り返しだ。訳が解らなかった。その言葉の意味も、頬を伝う涙の理由も。

2010-10-20 00:08:58
カイン @gyoniku

俺のよるほーのせいで名も知らぬ父がかれこれ五、六人は死んでる気がする。

2010-10-20 00:10:55
カイン @gyoniku

「よるほー」「ちょっと、今時よるほーなんて誰もやってませんよ、恥ずかしい。いいですか、今のTLの流行りはね……」「……よるほー」 「えっ? なんです?」「よるほー」「……聞き分けのない人だな、まったく」「よるほー……」 俺には理解できない。彼は何故、あんなにも楽しそうなんだろう?

2010-10-21 00:32:56
カイン @gyoniku

「……なあ、聞こえてるか。よるほーだぜ、おい。いつもみたい呪ってみせてくれよ……効きもしない呪いでさ。へっ、お前に呪われたふりして突然全身の毛を毟ったり、紛争地帯で傭兵するのも楽じゃなかったんだぜ。知らなかったろ……ハハハ……。最後の最後に、むごい呪いをかけてくれたもんだぜ……」

2010-10-23 00:19:14
カイン @gyoniku

「……記憶喪失、ですって?」「ええ。最低限の……そうですね、身体に染み付いた生活習慣とかいったものは残されているでしょうが……思い出の類は、一切が抜け落ちているはずです」「よるほー……よるほー……」 見れば、時計の針は0時丁度。今や意味を失ったその言葉だけが、彼の魂の残照だった。

2010-10-24 00:17:19
カイン @gyoniku

「呪いを掛けられるまでもない。よるほーは呪いだよ……。どうよるほーするか、それだけが俺を支配するんだ。自分でも止められない……だから俺は、ツイッターを辞めた。もう戻る気はない」 「そうですか……おや、0時だ」 「……!! やめろッ……俺はもう、よるほーなんてしたくないんだ……!」

2010-10-26 00:20:13
カイン @gyoniku

今何て言った!? よるほー? なあ、今は西暦何年だ? ……やはりか、聞いてくれ。よるほーの呪いは冗談じゃなくなる。奴ら、五年後には本気で呪術の真似事を始めるんだ。呪われたよるほークラスタは皆死んだよ……。悪い事は言わない、もうよるほーするな。忠告したからな? じゃあな……父さん。

2010-10-27 00:17:57
カイン @gyoniku

よるほーする奴も呪う奴もみんな死に絶えた頃、よるほーが限りなく空気と同じ存在になっても独りよるほーを続けて、でもある日突然最後のよるほーも途絶えて、そこでようやく「今何時だろ? 0時? えー全然そんな感じしないよー」と失って始めてよるほーの尊さが……なんじゃ、まだ話の途中じゃぞ!

2010-10-28 00:08:59
カイン @gyoniku

よるほーを……かれこれ、五十年続けてきたが……何も残らなかったよ。形のある物は、何にも。でもな、それでいい。よるほーに意味は無い。よるほーって言葉にも、行為にも、これっぽっちもな。ああ、そろそろお迎えが来たみたいだ。これが最後の……よるほー。はは。何も無くとも、楽しい人生だった。

2010-10-29 00:20:37
カイン @gyoniku

「ヒャッハー! おいおい、誰の許可取ってこのタイムラインでよるほーしてんだァ!? あーあ、楽しい夜のツイッターが台無しだぜクソがァ!」「台無しだぜー!!」「すっ、すみません……これで何とか……(ふぁぼり)」「……分かってんじゃねえか! ハッハーまた来るぜェ!」「また来るぜー!!」

2010-10-31 00:04:49
カイン @gyoniku

なあ……教えてくれよ、アンタ……。どうして俺はこんなところにいるんだ? ツイッターって、なんだっけ……? なあ、知ってるんだろう、アンタはこの世界の住人なんだから……ハハッ……俺もだ、って……? ああ、また、時間だ……「よるほー」……この言葉だけが、俺をつなぎ止めているのさ……。

2010-11-02 00:16:20
カイン @gyoniku

「よるほーの起源?」「ええ。ご存知ですか?」よるほー研究家というやつは、こうして下らない与太話を垂れ流すことだけに生き甲斐を感じるらしい。軽く聞き流して、ついでにふぁぼってやればそれで充分。「不勉強なもので。申し訳無い」「ふふ、では特別に」やれやれ。まだ夜は長そうだ……よるほー。

2010-11-03 00:09:49
カイン @gyoniku

「よるほー、っと」「今日も精が出ますね」「ヘヘッ、まぁな。俺みたいなロートルが今のツイッターで生きてくにゃ、こうするしかねぇのよ……」 その笑い声はどこか寂しげで。“ツイッタラーはツブシが効かない”とは以前彼から聞いた言葉だ。……僕は不安を飲み込むように、よるほー、とだけ呟いた。

2010-11-04 00:16:22
カイン @gyoniku

「急に何事さ」「よるほーだよ! よるほーってヤツが流行りらしい!」口角泡を飛ばし、彼は去っていった。この田舎TLじゃ、都会の文化がある種神聖視されているのだ。TLでは早速、意味も分からずよるほーが乱れ飛んでいた。やれやれ、今は何時だと思ってるんだ? ……なるほど、四時じゃねーの。

2010-11-05 00:15:22
カイン @gyoniku

俺がどれぐらいよるほーに心血を注いでるかってアンタ、熱中しすぎて完全に間違った電車に乗ってるのにも気付かず、今まさに見知らぬ駅でどうしたもんかと途方に暮れてるぐらいアレなワケですよ。うん……。

2010-11-05 00:27:17
カイン @gyoniku

「ああっ……よるほー……僕が呪われないと、見知らぬ人たちが、犠牲に……ハァ、ハァ……お願いします、よるほーを……僕は大丈夫ですから、フヒヒ……」「……ご親族の方ですか。ご覧の通りです。この時間になるといつも発作が……。彼を苦しめるよるほーとは一体何か、我々にも分からずじまいです」

2010-11-06 00:08:36
カイン @gyoniku

「は、離してくれ、人違いだ! 俺はよるほーなどしてない!」 「ふん、隠しても無駄だ。毎晩決まった時間になると部屋に篭り、絶対に出てこない……よるほーをする奴の特徴だろう」 「違う! 俺は……俺はひきこもりなだけで……」 「連れていけ。この者を公開呪いに処す」 「うっ、うわぁー!」

2010-11-07 00:12:58
カイン @gyoniku

「本日は現役のよるほー職人の方にお越し頂いております。本日もdisられておりますね(笑)」「あのね、よるほーdisって言いますけどね、私はよるほーをdisったつもりなんてなくて。私のはむしろ、よるほーdys(編集部注:Dystopia)。よるほーはSF的な小道具なんですね、はい」

2010-11-08 00:13:18
カイン @gyoniku

思うところは色々あったけど、毎日のよるほーはどれも印象に残ってるよ。その日何があった、とかは全然覚えてないのに、よるほーに頭を捻ってる時のことだけはしっかり覚えてる。「それ、面白いの?」って言われても、自分で面白いと思ってなきゃこんなこと続けないって。

2010-11-08 00:54:12
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