フリーランスで働くということ

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

フリーランスに残業はありません。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

フリーランスで一番うれしいことの一つは、今日一日の仕事を自分で決められる点。フリーランスで一番つらいことの一つは今日一日の仕事を自分で決めなくてはいけない点。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

最近、「残業」が話題になっていたらしいですね（よくわかってない）。TLによく「残業」と「残業代」が流れていました。今朝、冗談交じりにツイートしましたが、フリーランスには「業務時間」はなく「残業」もありません。どこかに雇われているフリーランス（謎）には、残業があるかもしれませんが。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

フリーランスは（今朝ツイートしましたが）自分で今日一日の仕事をデザインします。いつ仕事を開始し、いつ仕事を終了するか。その間にどんなことをするか。できなかったらどうするか。それをすべて自分一人で決定します。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

フリーの人はそれがおもしろく、それがちょい苦しく、そこを毎日の生きる抵抗感として過ごしているのだと思います（よくわかんないな）。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

会社勤めをしたことがない学生さんは、「自由に仕事できるのいいじゃん！」と思います。まあそうですよね。でも、会社勤め長い人は「いやいや、誰からも何も要求されずに仕事する自信ないわー」と思うものです。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

そして（意外に思うかもしれませんが）多くのフリーの人が「上司を雇いたい」と思うものです。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

つまり、午後三時くらいに家に帰りたくなったときに「え？もう帰るの？今日どこまで仕事進んだのかなあ」と言ってくれる人を求める。あるいはまた「だめだ。今日はここまで書くことにしたんだろ？もうひとがんばりしようよ、この土日は休んでいいから」という人を求める。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

フリーランスで仕事をするというのは、会社の社長も、同僚も、上司も、後輩も、自分で引き受けるようなものです（自分で選んだ仕事なので、批判や愚痴を言いたい訳ではない）。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

はっきり言うと、会社勤めを（さぼりたくて）フリーになる人はうまくいかないです。結城の知っているフリーの人は、多くの会社員よりも有能で、勤勉で、元気です。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

会社をやめてフリーになって、うまくいっている人の多くは、会社にいたころよりも仕事をしています（当然）。会社を辞めたのは、この会社にいても、「自分の仕事」をできないから。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

結城はフリーランスで仕事をしながら（つまり、特定の会社組織や大学に属さずに仕事をしながら）思うのは、「これはグライダーのようなものだ」ということです。グライダー。空を飛ぶグライダーです。燃料は大してない。あるのは「ポテンシャル」だけ。風を読み、方向を定め。進む。それがグライダー。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

地上から見ると、優雅に見える。そして何も努力していないように見える。それがグライダーの飛び方（フリーランスの生き方の比喩）。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

そして実際、操縦する人は自由です。いきなり「墜ちる」こともできるほど自由。自分一人の判断で「墜ちる」こともできてしまう。それが自由の意味です。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

でも、ほとんどのフリーの人は墜ちない。それは常時考えているから。風を読み、与すべき人や、頼りにできる存在を求め、探しているから。墜ちない。自分の（家族の）命がかかっているから。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

もちろん、ぜんぶ、自分が選んだことなんですよ。現在の資本主義社会で、安定なのは会社に就職することです。これはまちがいありません。ですから、若い人には会社に就職することを（冗談抜きで）お勧めします。まあ、現代は就職そのものが困難な事業ですけれど……

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

それはさておき、フリーランスで生活していこう（少なくともしばらくは）と決心する人は、それほど多くはない（けれど、少なくもない）わけですね。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

フリーランスで生きていこうと思ったときに何が起きるかを考えてみますと……ええと「すべて」です。つまり会社がめんどうみてくれるすべてを自分が一人でやらなければならない。たとえば、

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

たとえば、会社には営業さんがいる。つまり、モノやサービスを売ってお金をゲットしてくれる人。それを自分がやらなければならない（フリーで生きるには）。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

会社には経理の人がいる。つまり、お金を勘定したり、税金を気にしたり、経費がどうだとか、税務署とのやりとりをやってくれる人。それを自分がやらなければならない（フリーで生きるには）。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

あとは社長？人事？総務？会社なら専任で人がいるような仕事を自分がやらなければね（フリーで生きるには）。この時点で「仕事がちゃんとこなせない人はフリーで生き残れない」ということが判明。そしてまた（悲しいことに）フリーで生きるのは「とても、とっても大変」だということもわかります。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

もちろん、大きな会社の経理や、総務や、人事の仕事と同じことをフリーの人がやらなければならないわけではありません。あくまでも自分の事業の規模で、何かしらの活動をしなくちゃまずいということ。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

まあさすがに現代の日本で「会社で働くのはいやだから脱サラして個人でフリーで」みたいな人はいないと思いますが。ぶっちゃけていえば、もしそういう思いでフリーになる人がいるなら、絶対にやめたほうがいいです。不幸になりますから。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

結城が把握しているのは、理系の主にIT系の活動や、それに関わる執筆業なので、他の業種ではまた違うかもしれませんが（と免責しつつ）、フリーで生きていける人は、当然ながら、会社組織でも生きていける人です。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

あっと、例外はありますよ。もちろん。そこ突っ込まないでね。でも、大多数の「フリーランスで継続的に生活していける人」は、普通の会社の中でも、十分にやっていける人である、と結城は思っています（反論したい人もいるかもしれないけど、例外的な人を出されても困るんで、そのへんよろしく）。