劇作家・演出家・劇団アマヤドリ主宰の広田淳一さんによる、日本の俳優の現状分析

広田淳一 @binirock

ワークショップ・オーディションの一週目を終えました。二日間で六十人超の方に会いまして、なんだか頭がオーバーヒート気味です。素晴らしい人材が沢山いました。ってこれでまだ半分にしか会っていないのか……。

広田淳一 @binirock

毎度思うのだが、オーディション参加者の方の多くが、どこで演技を学んでいいのかわからず、それぞれのやり方で手探りしている。で、以前つぶやいたような「勉強させてください！」という話になる。その気持はわからんでもない、というか、すごくよくわかる。

広田淳一 @binirock

結局、演技の勉強なんて実践を繰り返すしかないものだろう。それはきっと武道の稽古のようなもので、ガチンコの相手がいなけりゃ話にならない。しかし、多くの演劇学校のカリキュラムは様々な素養のつまみぐいに終わってしまっているような気がする。

広田淳一 @binirock

日舞やらジャズ・ダンスやらマイムやら歌唱やら……。確かにそういったものをひとしきりやってみることにも大いに意味があると思うのだが、それは結局、自分の趣味嗜好を探る過程にしかならない。上達するための訓練は、何かのメソッドを学ぶこととは少し別の次元にある。メソッドも有益だろうが…。

広田淳一 @binirock

結局、日本の俳優たちは訓練もそこそこに現場に出て行くこととなる。学ぼうにも場所が無いのだ。そして演出家はトレーナーの役を果たさざるを得ない。…てなカオスな状況を今までは「なんとかならんもんか」と思ってきたが、この、エリート演劇学校がどこにも無いような状況も悪くないと思えてきた。

広田淳一 @binirock

この複雑さの持っている豊かさは確かにある。ハイエクの言う「自生的秩序」とかアレグザンダーの言うセミラティス構造とか、こういうことを言うんじゃないかしら、なんて。