空想の街・氷涼祭2014 2日目
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空が明るくなってきた頃には今日出す予定の菓子を作り終えていた。 百味箪笥の分包の在庫を確認して、薬を作り出した「胃の薬が切れているな。祭りで胃もたれを起こした人もいるだろう」ゴリゴリと音を立てながら薬草を挽いてゆく。 #空想の街 #花心亭
2014-07-06 02:31:40みんなが風船を持っていました。なのでみじんこは、誰が生きている人で、誰がこの日ここへ戻ってきた人なのか、全然区別が付きませんでした。でも、分からなくてもいいと、みじんこは思いました。「みんな、わらっていたのです」それだけで楽しい気持ちになれたからです。#空想の街 #みじんこの冒険
2014-07-06 04:08:44悲しかった人も、泣いていた人も、中にはいたかもしれません。それでも、その悲しみや涙を、空から優しく降るきらきらが慰めてくれていたような、そんな気がしました。海のほうでは銀色の花が咲いたと聞きました。人々の思いを飲み込んで咲いたのだと、そう感じたのです。#空想の街 #みじんこの冒険
2014-07-06 04:15:13お祭りも終わって、静かな広場。昨日と同じ空気の中で、やっぱりみじんこは空を見上げました。今はもうきらきらは降っていません。いつものようにお星さまがありました。「きれいだったなあ……」いつかまた、あの美しい風景を見たいと、みじんこは強く思いました。#空想の街 #みじんこの冒険
2014-07-06 04:21:06明日も晴れると、街の人が言っていました。そして明日は、風船を空へ放す日なのだと聞きました。風船と一緒に、死者を送り出すのだと。昨日もらった黄色い風船を、みじんこは改めて見つめます。なぜだか少しだけ、明日が来るのが遅くなればいいのにな、と思いました。#空想の街 #みじんこの冒険
2014-07-06 04:24:00「ふうせんさん、みじんこと いっしょに ねむりましょう」この街に来てから、ずっと共に過ごした黄色い風船を、忘れてしまわないように。みじんこは風船を割らないよう、そっと抱きしめて、ゆっくりと目を閉じました。そんな #空想の街 の夜。 #みじんこの冒険 は、あと少しで終わります。
2014-07-06 04:26:40