子どもへの暴力は社会的に黙殺されてきたという話

まとめました。
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内田良:新刊『だれが校則を決めるのか』 #学校依存社会 @RyoUchida_RIRIS

世の中,「不審者」ばかりにアンテナを張っているけれど,家庭という閉ざされた扉のなかで何が起きているのか… 殺人検挙事案のうち,加害者が実父母・養父母である者の割合は年々増加中(黒いグラフ)。なお,不審者等「面識なし」は11.7% pic.twitter.com/PZVWmYYbaY

2014-07-19 16:04:26
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丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

「殺人や傷害致死は家族・親族間で最も多く発生している」という記事は15年くらい前に書いた。

2014-07-19 20:50:46
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

家族は本来は安全なものだけれど、一部にきわめて危険な家族がある。ほとんどの人は安全な家族しか知らないので、危険な家族に子どもを委ねることの恐ろしさに気づかない。子どもを保護しても、「最後は家族のもとに戻すのが一番」としか考えない。その固定観念のせいで死んだ子は少なくない。

2014-07-19 21:00:04
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

前にも書いたけど、20年くらい前までは、子どもを殺した親に対する判決はほとんどが執行猶予付き。風呂のコンクリの床に幼児をたたきつけて死なせた例でもそうだった。「子を失ったことですでに罰を受けている」という判決文も堂々と書かれていた。この10年間ほどでやっと変わってきた。

2014-07-19 21:11:09
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

【修正】約20年前、子どもへの暴力の記事を書きたいと提案したとき、ある上司は「よくある話だ」と言い、別の上司は「特殊過ぎる例だ」と言った。言うことは正反対だが結論は同じ「記事にするのは難しい」。つまり黙殺。今はこんなことはない。20年ほどかけて社会のコンセンサスが成立してきた。

2014-07-19 21:32:50
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

それでも理解してくれる上司がいて、児童虐待を生き延びた人たちを描く連載が実現したら、全国から500を超す投書がきた。多くの手紙に「誰に話しても『親が子どもにそんなことをするはずがない』と信じてもらえなかった」と書いてあった。社会全体が、子どもへの暴力を黙殺していた。

2014-07-19 21:39:46
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

90年代後半から記事データベースが実用化され、殺人や傷害致死に占める子殺しの割合を調べまくった。そのとき目の当たりにしたのが、ほとんどの子殺しが地方版ベタの扱いだったこと。子(未成年)が親を殺す事件の多くは全国版だったのに。ここでも子どもへの暴力に対する社会的黙殺を思い知った。

2014-07-19 21:56:24
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

弱い者への暴力は宿痾のようになくならない。胸が潰れるような虐待事件は今もしばしば起きている。けれど、いま全国トップ級で報道されるような虐待死事件も、20年前は地方版の片隅に載る程度で、判決も執行猶予つきだった。社会から無視されていた。遅々としつつも、社会は前進していると思いたい。

2014-07-19 22:07:17
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

社会がある瞬間に突然変わるなんてことはまずなくて、多くのことは時間をかけて、本当に少しずつ変わっていく。変わる最初のきっかけは、それまで無視・黙殺していた問題の存在に気づくこと。

2014-07-19 22:26:49