ブーブス海賊版「エピソード：フォクシー・レディ」

ブーブス・バンド・ブートレグ @BSSB_bootleg

「ウフフ……」「アハハ……」「追いつけるかしら？」「……捕まえた！」「キャッ！」青い空の下、金髪みたいなトウモロコシ畑を駆ける男女！もちろん美男美女！「愛してるよ」「私もよ、バート」「もうがまんできない、結婚しよう！二人だけの結婚式！そしてセックス！」「アーン、ロマンチック！」

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だが、その時！デーデン……デーデン……デーデンデーデンデデンデデン……（こわい音楽）デン！（トウモロコシ畑から飛び出す巨大な影！）「キャーッ！」「ウワーッ！」上がる血しぶき！……そして、沈黙。『平和なトウモロコシ畑は今……謎のトウモロコシ・ジョーズの狩場と化した……』近日公開！

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【バルベルおばさんのポップコーン！】

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ワーオ！みんな大好きなバルベルおばさんのポップコーンにピンクの新色とうじょう！味はチェリーとイチゴに秘密のフレーバー二十しゅるい！もちろん安全なノンシュガー（しぜんな調味りょうを使っています）今すぐママにおねだりしちゃおう！「ヒッヒッヒ、おいしいよ」（鷲鼻のおばさんが笑顔）

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……ジョイン！アコースティックギターが、寝取られ男の屁のような音を出し、黒人ブルースメンの演奏は終わった。薄暗いライブハウスに、秋のはじめの木の葉のようなやる気のない拍手。……さあ、ここからはお待ちかねのロックンロール・タイム！……だが！　29

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「ブロンディがいねえ」ジェーン14が唸った。彼女が座っている丸テーブルには、今はドールハウスとフォクシーのみ。しかもドールハウスは空になったレッドアイのグラスを裏返してテーブルに置くオリジナルの占いに興じているし、フォクシーはじっとバーカウンターを見つめている。　30

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「まずいわ……」レッドアイのグラスをどけたドールハウスが言う。彼女の視線の先には、テーブルに丸く残ったレッドアイの痕。逆さにしたグラスから滴ったトマトジュースが描く模様は……ジーザス！鉤十字！「なんだかよくないことが起こりそうよ……」しんぴ的な表情で厳かに囁くドールハウス。　31

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「そんなことより出番だろ」ジェーン14が苛立たしげに席を立った。「ブロンディがいない！」「……どうせファックしてるんでしょ？」バーカウンターから、いや、そこに座る男を眺めながら、物憂げに応えるフォクシー。ジェーンがそちらを見れば……ライブハウスのバイトがいない！　32

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「アイツめ」ジェーン14が唸る。「準備しといてくれよ」呼びかけたフォクシーが無言で頷くのを見て、「今日はいったいどうしちまったんだ？」ぼやきながらトイレへ向かうジェーン。「あんた、変だぜ」「……そうかもね」フォクシーはぽつりと呟く。　33

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「実際どうかしちゃってるわ。また……こんな気持ちになるなんて」フォクシーは潤んだ瞳でバーカウンターのハードボイルド・ガイを見つめる。おお、セクシー……ソー・セクシー・ウェッティン・ジュエリー・アイ……！ミント味の溶岩のようにクールでホット！ということは、フォクシーは……？　34

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その時だ！バン！ライブハウスのドアが乱暴に開けられた！ぞろぞろと入り込んでくるのは、ぴっちりした軍服に身を包んだ男たち！その手にはマシンガン！ヘルメットには鉤十字！客達が振り返り、バーテンが目を丸くし、カウンターではハードボイルド・ガイが「やれやれ」と溜息を吐いた。　35

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「な、なんてこった！」ハードボイルド・ガイの隣で、壊れかけの扇風機みたいに震えるブシェーミ！「やっぱり尾行されてたか」ハードボイルド・ガイはグラスに残ったウイスキーを一息に飲み干し、コートの胸をポンと叩いた。「この情報が確かなら、あり得ることだ」　36

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「お、俺は逃げるぞ」ブシェーミじみた男が言い、スツールから降りる。しかし！「グーテンターク！」軍服の間から現れた、ガスマスクにナチス将校の軍服を着た男が挨拶すると、彼はその場で固まった。「イッヒ、イッヒ、イッヒ……こんなところに逃げ込んでいたとはね」革手袋がギュムと鳴る！　37

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ナチス将校と、彼の隣に立つ氷のような美女が、ライブハウスの照明の下に進み出る……やはり！それはプロフェッサーＫと、彼のちゅう実な美人部下、デジー・シュタッデルマイヤーだ！「ホッホッホ、シュムッツィグ・ラッハ！薄汚い情報屋風情が、我らから逃げおおせると思ったの？」　38

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「ヒィーッ！」ブシェーミが立ったまま失禁した！「助けてくれ！俺はこんなことしたくなかったんだ！あんたらにだって近寄りたくはなかった！でもこの男が……」「ホホ！このトイレッテに相応しい汚らしさ！」高笑いしたデジーが懐からモーゼル拳銃を取り出し……バン！銃声が響く！　39

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しかし！「クッ」手を抑えて呻いたのはデジー！「フムン？」プロフェッサーＫがモノクルの奥の目を見開く。その視線の先には……コルト拳銃を構えたハードボイルド・ガイ！「物騒なアクセサリーは似合わないぜ、お姉さん」「貴様は……」「何者だ」呻くデジーに、問いかけるプロフェッサー。　40

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「……知りません」呻くデジー。「ただのおせっかい焼きさ」応えるハードボイルド・ガイ。「いや……違うな」プロフェッサーのモノクルがキラリと光る。「貴様のような男を何人も知っているぞ……忌々しい犬め」「そいつは慧眼だな」ハードボイルドガイが返す。「だが、おれは他の犬とは違うぜ」　41

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「いや、行き着く先は同じだ」プロフェッサーが鉤爪義手を上げ……「ブリッツクリーク！」振り下ろすと同時に、軍服たちのマシンガンがスバババババババババ！火を吹いた！「ギャーッ！」「ヒィーッ！」一瞬でライブハウスは戦場と化す！逃げ惑う客に浴びせられる銃弾！割れる酒瓶！砕ける照明！　42

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「フハハハハ！我らのひみつ計画を知ったものは生かしてはおかん！」高笑いするプロフェッサーＫ！「アーン素敵ですわ！」もじもじと内股になり、瞳をうるませるデジー！「ダムンシット！」ハードボイルド・ガイは横っ飛びで銃撃をかわすと、フォクシーとドールハウスのいた丸テーブルを倒した！　43

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バシビシバシ！丸テーブルに銃弾がめり込む！だが貫通はしていない！「やっぱりね……」テーブルの裏では、魔除けの腕輪をさするドールハウスと、呆然とハードボイルド・ガイを見つめるフォクシー。「あんたは……」「巻き込んですまないね、フォクシー・レディ」男がウィンクした。　44

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一方その頃、ライブハウス近くの森に蠢く影が！「グルルルル……」「ゴララララ……」おぞましい姿をした幾つもの影が、爪と牙を光らせながら森を行く……その先頭の鼻がひくついた！彼が嗅ぎつけたのは血のにおい……そしてその源は……ライブハウス！　45

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一方その頃、ライブハウスのトイレでは！「オウフ！オウフ！」「頑張って持ち上げてー」「すごい！なんてホットなんだ！ロックはすごい！」「ブルースなんかメじゃないでしょ！」「俺、体鍛えるよ！」「俺もブルースやめてロックにする！」「アーン、ハモニカみたいに吹いてー！」絡み合う影！　46

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「ブロンディ！」ドアが蹴破られる！ハッと顔を上げたライブハウスのバイトとブルースメンが見たものは、猛り狂ったジェーン14！「てめえら何してる！」ジェーンのパンチがブルースメンを殴り飛ばす！「ギャーッ！」ジェーンのキックがバイトを蹴り飛ばす！「ギャーッ！」　47