漫画家 松田未来氏「物語の構造論で面白い話が書けない理由」

「物語の構造論で面白い話が書けない理由」http://bit.ly/aikWql の続き 松田未来「よく漫画家同士でも「なんか法則とか公式の類は無かろうか」と話すのは良くあること。でも結局セオリーはあってもそれだけでは物語は出来ない結論になる。」
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松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

「物語の構造論で面白い話が書けない理由」http://bit.ly/aikWql 完成品を分解して構造を理解する事は出来ても、それを一から作れと言われると出来ないエンジンのライセンス生産みたいな話。

2010-11-17 14:56:54
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

「物語の構造論で面白い話が書けない理由」 の続き。よく漫画家同士でも「なんか法則とか公式の類は無かろうか」と話すのは良くあること。でも結局セオリーはあってもそれだけでは物語は出来ない結論になる。

2010-11-17 22:39:54
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

結局のところ物語作りのセオリーで決められるのはせいぜいもやっとした大枠だけ。そのもやもやしたものに地平線を与え、、道筋を決めるのは人間の判断に委ねられる。その理由の最大のものは「選択肢が無限なので、理屈以外の何かで選ぶしかない」ことがあげられる。

2010-11-17 22:42:47
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

漫画家が一般人から言われて一番うんざりする褒め言葉の一つに「よくこんなお話考えつくねー」があるけど(もうひとつは「絵、上手いねー」(^^;)別に我々はポンといきなり考えついてるわけじゃない。考えうる数限りない選択肢の中から悩みに悩んで選びとっているだけだ。

2010-11-17 22:46:37
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

漫画化志望の新人がつまずく理由のトップクラスにあげられるモノの一つに「選択肢の多さに途方に暮れる」というのがある。ある程度は理屈で省けるのだけど、肝心なところの選択は自分のセンスに一任するしかない。これは経験を積んでいてもおっかない瞬間です。

2010-11-17 22:50:37
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

これは人工知能のフレーム問題と似ている。可能性が多すぎて立ち往生するアレ。だから今のところ脚本やネームを自動生成することは出来ない。もし将来できるとしたらそれはきっと人間と変わらない知性を獲得した何か、じゃなかろうか。

2010-11-17 22:56:26
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

勿論ランダムに生成されたものからひょんと出来るということはありうる。でも結局それを面白いか、使えるか否かを決断するのは人間なので、選択肢に悩まされる事に変わりはない(^^;

2010-11-17 22:58:27
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

可能性と選択肢の海に溺れない方法として、この記事http://bit.ly/aikWqlの最後に書いてある相関関係に着目するのは有効だと思います。自分も師匠から鏡の如く対立するキャラ配置あるいは造形を行なう事で人間関係がドラマを生み出す、と教えられました。

2010-11-17 23:17:35
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

有名な例が「プラネテス」「コードギアス」の谷口監督。この人は必ずといっていいほどそのミラーリングなキャラ配置を用います。単にライバルというだけでなく、そのミラーを考え方・容姿・宿命といったいろんな要素で複数のキャラクターを絡ませることで、重層的な人間関係を生み出しています。

2010-11-17 23:20:34
Хаями🍥Расэндзин @RASENJIN

@macchiMC72 キャラクターを置いて摩擦や流れを作ったら楽ですよね。あと長い話でも最後はどう終わるか想定しておくと気が休まります。

2010-11-17 23:22:29
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

@RASENJIN 山の頂は見えてないと不安でしょうがないですからねー。 でも時々「やっぱあっちの山登ろうか」とか言ったりもしますけど(笑)最初のキャラ配置は大事だと思います。ここで躓くと取り返しつかなくなりますから。

2010-11-17 23:26:34
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

ハチマキとチェンシン、ルルとスザク、分かりやすい主役だけでなく、脇のキャラにも図ったかのように対立構造が埋め込まれています。群像劇にするには必須の手法ですね。そうする事で物語に厚みが生まれます。

2010-11-17 23:30:06
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

ミラーリング構造の利点は、選択肢を効果的に絞り込める事です。対立する関係というはっきりした歯車が廻っているので、物語を転がす時に迷いにくくなります。少年誌で必ずと言っていいほどライバルキャラを出すのはそういう利点があるから。読む方にも同様のメリットがあるのです。

2010-11-17 23:35:09
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

ただし、対になる関係が一つではあっという間に飽きられます。だから複数のキャラを出してそれぞれにミラーを用意するわけですね。しかもそれを単なる敵味方ではなく、思想だったり利害だったりと対立点にバリエーションをつけると一層重層的になります。

2010-11-17 23:38:12