《胎界主第一部　再読感想まとめ》　１４　壊す力　後編

魔王14歳 @valerico

うー、聖子の夫を殺した影がやはり正義だったとして、その時の正義と聖子が重ね合わされてるとすると、今聖子が見ている光景をかつての正義が見ていたことになる。聖子の助けようとした稀男と、正義の助けようとした聖子が重なる。 taikaisyu.com/14-03/22.html #胎界主14壊す力

魔王14歳 @valerico

聖子が稀男を助けるにはそうするしかないと思って正義を射殺したように、正義も聖子を助けるにはそうするしかないと思って夜沼氏を殺害したんでしょうか。 つ　つらい　 #胎界主14壊す力

ラブゼム🥀ラバー @lovethemlover

「聞けルーサー　いにしえのジジイ共は皆　死んだ 鳥は逃げ　魚は浮かび　家々は壊れて　女は去って行った 人々はひび割れた町を捨て　ボンクラばかりが取り残されちまったとさ」 　#胎界主14壊す力

紙ヒコーキ @freeflypaper

p23 西東三鬼に元となる句があるわけでもないらしいモノローグ。このシーンに関係ありそうなのは 湖を去る家鴨の卵手に嘆き（「旗」） 青き湖畔捕虜凸凹と地に眠る（「旗」） 倒れたる案山子の顔の上に天（「夜の桃」） くらいかと。 #胎界主14壊す力 転載：お得区案内図 より

ラブゼム🥀ラバー @lovethemlover

「これにて俺は　人を助けることをやめる」 　#胎界主14壊す力

ラブゼム🥀ラバー @lovethemlover

稀男は今回、多くの人の命を（犬猫まで）救った。しかし、にもかかわらず、失敗したのだ。 「助けたいと思った人を助けられず」（『無責任飛行』より） 稀男が本当に助けたかったのは誰なのか。　#胎界主14壊す力

ラブゼム🥀ラバー @lovethemlover

稀男が助けたかったのは正義だろう。それはたぶんおそらく、正義が東郷家の当主だからではなく、聖子の父親だったからだ。　#胎界主14壊す力

ラブゼム🥀ラバー @lovethemlover

だが、聖子は正義を殺した。 親子だから心が通じ合うなんて、稀男だって信じてはいなかっただろう。でも、信じてはいなくとも、期待していたかもしれない。それは信じるに足るものなのかもしれないと。だが。　#胎界主14壊す力

ラブゼム🥀ラバー @lovethemlover

結果として、稀男の行いは、娘に父親を手にかけさせるという結果に終わった。稀男を絶望させたのは、何よりもそのことだったんじゃないだろうか　#胎界主14壊す力

ジン @GINTHESE

私の解釈によると。 正義を撃ち、稀男を助けた聖子。 傍から見たらそれしかない状況になってしまっていたが、稀代の策士稀男がその事に最後まで気付かなかったという事になる。 しかし詮無きかな。 「自分が誰かに心から愛されている」事を確信するなんて狂気の沙汰だ #胎界主14壊す力

ジン @GINTHESE

信じるってなぁ難しいもんだなぁセンセイ 「信じさせる」ってなぁ もっと骨が折れるがよォ #胎界主14壊す力

ジン @GINTHESE

そしてこの状況、病室で正義が聖子をかばい獅子屋を殺した時と一致する。 聖子は稀男を助けるため、殺意以上の執着を持っていた父親を遂に手にかけてしまうが、その瞬間かつての父と同じ物が見えた。 ただ守られるだけだった何も見えてなかったかつての自分が稀男にだぶる。 #胎界主14壊す力

ジン @GINTHESE

その手を汚し守る側を選んだ聖子と、誰かに手を汚させてただ守られるだけになった稀男。大人と子供。 二人の立ち位置は隣り合って歩いて行くには決定的にずれてしまった。 今日限りだ #胎界主14壊す力

ジン @GINTHESE

そして聖子は鳥カゴに戻る。 東郷当主殺害が許される世界で唯一の存在、次期当主。聖子の運命はそこにしかなく、また鮒界市を守るためにもいかなければならない #胎界主14壊す力

ジン @GINTHESE

ちなみに私の解釈だと、 聖子は「稀男が聖子に撃つしかない状況に追い込む」という策をしかけたと捉えた、と考えており 稀男が「射殺不可避の状況になってしまう事に気づいていない」事に、聖子もまた気づいていないという入れ子構造だと思っています。 わかんないよおおおお！ #胎界主14壊す力

ジン @GINTHESE

ラスト 終わった事の責任で世の父親方は皆あの世行き、周囲のものを傷つけるだけして去っていった。 自分が誰かに助けられてここにいる事に気づかないボンクラはとうとう、大切なものを壊す事で自分を助けさせてしまったとさ。 これにて俺は　人を助けることをやめる #胎界主14壊す力

紙ヒコーキ @freeflypaper

現在「胎界主　考察」で検索するとけっこう上位に出る東京でん太さん のtogetter　WEB漫画『胎界主』考察まとめ「壊す力」/「サッキュバス」 でも繰り広げられていた当方の考察を焼き直すよ。当時の当方の文体は『夜戦と永遠』読後のアレだよ。 #胎界主14壊す力

紙ヒコーキ @freeflypaper

基本的に聖子の視点については以前の考察を採る。「親に棄てられた子供たち」の「視点」だ。 ただ今回の考察では、それに相対し、齟齬を生むのは、稀男個人の「視点」ではなく、稀男と正義が交わした契約的「物語」ということになる。 #胎界主14壊す力

紙ヒコーキ @freeflypaper

【聖子の視点、もとい物語】 視点とは物語内部から見た光景だ。 聖子の視点からは何が見えただろうか。 taikaisyu.com/14-03/22.html　 これの真中へんのシーンは純然たる聖子の視点である。これを支点に進める。 #胎界主14壊す力

紙ヒコーキ @freeflypaper

【聖子の視点、もとい物語】 稀男と（幼い日の）聖子が重なる。何故？ 両者を見ると、男⇔女、白髪⇔黒髪、血の気のない顔⇔赤みさす顔、寒色の服⇔暖色の服というように、姿形が似ているから思い出した、ということは起こりえないように思われる。 #胎界主14壊す力

紙ヒコーキ @freeflypaper

【聖子の視点、もとい物語】 では何がトリガーになって両者は結びつくのか。形でなければ質において、だろう。両者の共通点は「親に棄てられた子供」であるということだ。 より正確に（聖子にとって重要な点）は、親に「棄てられた」のではなく「必要ない」と言われたことだ。 #胎界主14壊す力

紙ヒコーキ @freeflypaper

【聖子の視点、もとい物語】 ・聖子の幼い日の記憶。前編p18での名を訊かれることすらなく、「次は男を産め」と背を向ける初対面の親。おそらくは経験を積むごとに重みを増していくタイプの傷となったろう。 ・稀男は「取り替えっ子」であり、天涯孤独である。 #胎界主14壊す力

紙ヒコーキ @freeflypaper

【聖子の視点、もとい物語】 稀男が産みの親から棄てられたことを聖子が知っていることに蓋然性はない。だが、たとえば親が子供を残して自殺することは事実上の遺棄となるし、「身寄り」の構成については公的機関に属していれば比較的触れる機会が多い情報だ。 #胎界主14壊す力

紙ヒコーキ @freeflypaper

【聖子の視点、もとい物語】 ・仁は「球体使い」p14でダンゴ虫をいじって遊んでいる様から見ても、危機に鈍く、虫の一匹も殺せない ただの子供であった。 だが、東郷家当主たるもの、家を守る為に身を守らなくてはならない。 仁 本来の精神性は「必要ない」とされた。 #胎界主14壊す力