津田大介さんによるネットジャーナリズムの授業実況。ゲスト:中国のトップついったらー安替さん

早稲田大学の田中幹人先生 @J_Steman さんと共同でやっているネットジャーナリズムの授業 中国のトップついったらー安替(アンティ)さん http://p.tl/wmq3 さんをゲストにお招きしました。「メディアとしてのツイッター」
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津田大介 @tsuda

安替「ツイッターを使って行われた突発報道とセンシティブなニュース報道もある。メディアが到着しない事件現場で、そこにいた人がツイッターで情報発信する、つまりツイッターが突発報道として使われたとき、ツイッターはメディアとして大きな価値を持つ」

2010-11-18 19:06:26
津田大介 @tsuda

安替「アモイという街に住むツイッターユーザー @amoiist が汚職事件の摘発風景のビデオをネットに載せたところ、その居住地ではない福建省の警察から逮捕された。これを見たツイッターユーザーたちは彼を助けるため自発的に世界中から拘置所にハガキを送りこの圧力がきっかけで釈放された」

2010-11-18 19:09:37
津田大介 @tsuda

安替「ツイッターは伝統的なジャーナリズムとは異なり、このように行動を伴った新しいジャーナリズムとも言える。2010年2月22日に、Ai Weiweiは芸術家5名と一緒に長安街をでも行進し、ツイッターにその風景を投稿した。これは天安門事件以来初めてのこと」

2010-11-18 19:11:39
津田大介 @tsuda

安替「政府も既存メディアもAi Weiweiの現場からのツイッターを追うことしかできなかった。既存メディアのジャーナリストは誰もその現場にいなかったので、ツイッター上の写真が新聞の一面を飾った」

2010-11-18 19:12:46
津田大介 @tsuda

安替「09年11月広州市の該当で行ったエコロジーに関するデモ行進でツイッターや携帯電話、ネットの手段を使って動員が行われて情報発信された。このデモは呼びかけ人は存在せず、みんなが自発的に役割分担して行った。僕もこの事件を見て何かやらねばと思い現場の中国語ツイートを英語に翻訳した」

2010-11-18 19:14:31
津田大介 @tsuda

安替「ツイッターは国境のないツール。しかし、言葉の壁がある。なのでツイッターで重要な情報を翻訳するという行為はツイッタージャーナリズムを考える上で非常に重要なポイントとなる」

2010-11-18 19:15:29
津田大介 @tsuda

安替「ツイッターを使った募金活動もある。09年7月にNGO「公盟」の責任者が脱税容疑で拘束された。1724万円が容疑額とされたが、ウェブユーザーは2週間の緊急募金を募って合計額を集めることに成功し、8月に彼は釈放された」

2010-11-18 19:17:26
津田大介 @tsuda

安替「信任と信頼を獲得するということがツイッタージャーナリズムでは非常に重要。日本のマスメディアの中では『インターネットの情報は信頼できない』『ツイッターは嘘ばかり流れる』と言う人が多いが、それは彼らがツイッターを使ったことがないからだ」

2010-11-18 19:19:08
津田大介 @tsuda

安替「ツイッターにはフォローとアンフォローの仕組みが内包されているので、信頼性を担保する仕組みが備わっている。僕がアンフォローするのは嘘をついた人。逆に僕が嘘の情報をRTしてしまったときは、すぐに訂正するようにしている。どちらにしても信頼度の問題に集約される」

2010-11-18 19:20:24
津田大介 @tsuda

安替「中国では非常に政治的にセンシティブな話題もツイッターを使って実現できている。国内では口にできないようなこともツイッター上ではダライ・ラマと直接話したりもできた。今日本と中国では尖閣問題で非常に微妙な関係になっているがツイッター上ではこの問題で冷静に対話できるのではないか」

2010-11-18 19:21:53
津田大介 @tsuda

安替「ツイッターは公共外交ツールとしての可能性もある。中国人ブロガーやツイーターが米国の大使館に呼ばれて話をするといったこともある。ツイッターがない時代はどこかの国の大使に会うことができるというのは記者くらいだった。米国大使館は中国のネットユーザーと積極的に対話をしている」

2010-11-18 19:23:45
津田大介 @tsuda

安替「ジャーナリズムというのは、結局はアクセス権、アクセス力。日本では記者クラブに対する批判があるが、あれは一部に対してだけアクセス権を与えるという排他的構造に批判があるということ。しかし、中国人のオピニオンリーダー的ツイーター、ブロガーはメディアが入れない米国大使館に入れる」

2010-11-18 19:26:23
津田大介 @tsuda

安替「僕自身の立場は一コラムニストだが、中国にいる伝統メディアの記者たちよりもアクセス権を持っている。今年の2月にヒラリー・クリントンに会ってきた。ドイツのメルケル首相が中国を訪問したときも面会した。他の記者が持ってない国際的なアクセス権を持っている」

2010-11-18 19:27:55
津田大介 @tsuda

安替「日本では伝統メディアの力がまだまだ強く、ツイッタージャーナリズムはまだまだ小さなものとみなされてますよね。ただ、皆さんに覚えておいていただきたいのはジャーナリズムというのはアクセス権にかかっているということ」

2010-11-18 19:29:20
津田大介 @tsuda

安替「マスメディアに就職しても、最初は小さなアクセス権しか与えられない。しかし、ツイッターで直接いろいろな人にアクセスすればアクセス権は強大になる」

2010-11-18 19:31:00
津田大介 @tsuda

安替「皆さん今日家に帰って自分のツイッターと向き合ったときに、自分のツイートは個人としてのツイートなのか、メディアとしてのツイートなのかよく考えてみてもらいたい。今自分が流すツイートはニュースのヘッドラインだと思えば、そこからツイッタージャーナリズムを始めることができる」

2010-11-18 19:31:03
津田大介 @tsuda

安替「僕と津田さんは完全にフリーランスだが、メディアに注目されている。それは僕ら2人が大きなアクセス権を持っているからだ。ツイッター自体がお金を生むことはないが、本を書くとかNGOを立ち上げるとか、ツイッターをきっかけにいろいろな方法論が考えられる」

2010-11-18 19:32:49
津田大介 @tsuda

安替「授業を今受けてる皆さんの1人1人が我々のようにツイッターを使って革命的なことをできるわけではないでしょうが、このことを覚えておくだけであなたがたは必ず良い記者になれることでしょう」

2010-11-18 19:33:58
津田大介 @tsuda

以上で授業は終了。これより生徒から質問タイム。

2010-11-18 19:34:13
津田大介 @tsuda

田中先生「今学生たちが悩んでいるのは、卒業したあと伝統メディアに所属するのか、新しいタイプのジャーナリストになるのかというところ。今後どういう道を選ぶべきか。ジャーナリストコースの先生は既存メディアへの就職を進める人が多いが、どう思うか?」

2010-11-18 19:35:58
津田大介 @tsuda

安替「僕自身は日本のメディア状況に詳しいわけじゃないし、社会構造が中国と日本はまったく違う。中国ではきちんとツイッターが使えないと、いわゆる良いといわれるメディアには就職できない。大学卒業後伝統メディアに就職してもアクセス権は非常に小さい」

2010-11-18 19:38:08
津田大介 @tsuda

安替「有名人にあったところで、自分が無名ではきちんと答えてくれない。中国のジャーナリズムではアクセス権が小さい場合、単なるお茶くみのような扱いになってしまう。自分がジャーナリズムの世界に入っていくなら、どれだけアクセス権を握っていくか、それを意識することが重要」

2010-11-18 19:39:27
津田大介 @tsuda

安替「ジャーナリズムがアクセス権であり、アクセス権は職業になる。僕が言いたいのは僕や津田さんのようにすぐなれということじゃない。そうではなく、毎日活動を行う中でアクセス権を意識すること。既存メディアへの就職を薦められたら、アクセス権があればよりよい仕事ができるということ」

2010-11-18 19:42:03
津田大介 @tsuda

安替「覚えておいてもらいたいのは、今学んでいることはあなたの3~4年後にきっと役に立つということ。僕たちが学ぶべきものは今ベストだと言われているものではない。僕たちが学ぶのは将来のメディアとしてベストなものを学ばなければならない。具体的にいうと、それは米国メディアだろう」

2010-11-18 19:43:22
津田大介 @tsuda

質問「伝統メディアと新興メディアの区別は?」

2010-11-18 19:44:55