「モルの復習」学術たん夏期講習(高校化学)

学術たん夏期講習(化学)です。 高校化学で最も重要な用語「モル」について、化学の歴史を交えながらまとめました。 全てのモルで悩む人たちに、どうぞ。
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絶対音感たん @APbot_

【承前】【モルは中途半端な個数ではない】【その3】 じゃあ、1.0*10^24個ずつ数えたら? 1.0*10^24個の水は29.9gです。 1.0*10^24個のアルミニウムは44.9gです。 1.0*10^24個のドライアイスは73.1gです。 #モルの復習 023

2014-08-16 22:42:15
絶対音感たん @APbot_

【承前】【モルは中途半端な個数ではない】【その4】 1モルと1.0*10^24個、どちらか量りやすいと感じましたか? 1モルずつ数えた方がキリが良いですね。 これは偶然ではありません。 (授業を最後まで受けると、この話に少し難点があることがわかります) #モルの復習 024

2014-08-16 22:44:48
絶対音感たん @APbot_

【承前】【モルは中途半端な個数ではない】【その5】 1モル = 6.02×10^23個とは、身近な物質について 1. 扱いやすい程度の質量や体積に収まる数 2. なるべく原子量・分子量・式量がキリ良く表せる数 この条件を満たすように決められたのです! #モルの復習 025

2014-08-16 22:46:11
絶対音感たん @APbot_

【承前】【モルは中途半端な個数ではない】【その6】 モル、正確にはアボガドロ定数は、私たち人間の便利のために定められた数なのです。 #モルの復習 026

2014-08-16 22:48:21
絶対音感たん @APbot_

*【コーヒーブレイク】【アボガドロ定数の大きさ】【その1】 モルの大きさが分かってきた人に計算問題を出しましょう。本当に大きい数ですね。 (協力: 実験たん) (参考文献3, 4)(参考文献は呟きの最後に表示) #モルの復習 027 pic.twitter.com/vzUbDIekvf

2014-08-16 22:51:02
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絶対音感たん @APbot_

*【承前】【コーヒーブレイク】【アボガドロ定数の大きさ】【その2】 もちろん世の中にはまだまだ大きい数があります。天文学や暗号学、純粋数学などの分野に詳しい人はご存じかもしれません。興味を持った方はどうぞ。 cf. グラハム数 #モルの復習 028

2014-08-16 22:52:03
絶対音感たん @APbot_

【アボガドロ定数が決まるまで】 閑話休題。 では、どうやってアボガドロ定数を決めたのでしょう。ここからは歴史的な背景を探りたいと思います。 先人の苦労を理解する歴史の旅になります。 #モルの復習 029

2014-08-16 22:59:00
絶対音感たん @APbot_

【昔の科学者が知らなかったこと】【その1】 昔の科学者が知らなかったことをざっと挙げてみます。正確さ<読みやすさです。 1. 物質は分子から出来ていて、その分子は原子が結合したものである。 2. 原子は原子核と電子から成り、原子核は陽子と中性子から成る。 #モルの復習 030

2014-08-16 22:59:27
絶対音感たん @APbot_

【承前】【昔の科学者が知らなかったこと】【その2】 3. 原子は化学的操作ではそれ以上分割することができない。 4. 原子は勝手に生成・消滅しない。 5. 一種類の分子からなる物質を純物質という。 #モルの復習 031

2014-08-16 23:03:11
絶対音感たん @APbot_

【承前】【昔の科学者が知らなかったこと】【その3】 等々、他にもいろいろありますが、本当に、昔の科学者は何も知らなかったのです。 じゃあ、昔の人は何を考えていたのでしょう? #モルの復習 032

2014-08-16 23:03:24
絶対音感たん @APbot_

【昔の科学者が考えたこと】【その1】 ということで、歴史の話に移ります。最初の舞台は古代ギリシャです。 倫理の授業を取っている人は、知っていることが出てくると思います。 #モルの復習 033

2014-08-16 23:09:38
絶対音感たん @APbot_

【昔の科学者が考えたこと】【その2】 人間は昔から、世の中が何で出来ているのか考えてきました。 例えば哲学者のタレス(B.C. 624-546)は万物の根源を水だと説きました。 #モルの復習 034

2014-08-16 23:11:12
絶対音感たん @APbot_

【承前】【昔の科学者が考えたこと】【その3】 ここで絶対に外せないのがデモクリトス(B.C. 460-370)です。彼は今から2400年も前に、 1. 世界は分割できないもの(atoma: 原子)と空虚な空間からなる (a-tomos: 切られないものより) #モルの復習 035

2014-08-16 23:13:33
絶対音感たん @APbot_

【承前】【昔の科学者が考えたこと】【その4】 2. 無からは何も生じず、存在するものは全て消滅しない 3. 一切の現象の本質は原子の機械的運動に起因する と説きました。 #モルの復習 036

2014-08-16 23:13:39
絶対音感たん @APbot_

【承前】【昔の科学者が考えたこと】【その5】 21世紀の現代でもほぼ通用する話です。 私は彼がどこからこのアイデアを得たのかわからないので、歴史上の偉人と一晩語り明かせるなら、彼と語れたら良いな、と思っています。 #モルの復習 037

2014-08-16 23:15:30
絶対音感たん @APbot_

【承前】【昔の科学者が考えたこと】【その6】 しかし、当時流行していた考えは四元素説でした。 世の中は四つの基本的な要素の組み合わせで出来ている、という考えです。 #モルの復習 038

2014-08-16 23:16:18
絶対音感たん @APbot_

【承前】【昔の科学者が考えたこと】【その7】 四元素説をまとめたのはエンペドクレス(B.C. 493-433)(ピタゴラスの弟子)です。 それまでの哲学者の話をまとめ、水、空気、火、土を元素としました。 #モルの復習 039

2014-08-16 23:16:29
絶対音感たん @APbot_

【承前】【昔の科学者が考えたこと】【その8】 この考えを受け継ぎ、充実させたのがアリストテレス(B.C. 384-322)です。 彼は「四元素間の変換説」を唱えました。 #モルの復習 040

2014-08-16 23:18:55
絶対音感たん @APbot_

*【承前】【昔の科学者が考えたこと】【その9】 世の中には「第一質料」というものが存在し、それに「冷、熱、乾、湿」のうち2つの属性が対でくっつくことで水、空気、火、土が出来ると考えました。そして、属性を転換させると元素の変換が可能であると説きました。 #モルの復習 041

2014-08-16 23:19:41
絶対音感たん @APbot_

*【承前】【昔の科学者が考えたこと】【その10】 例: 水(湿, 冷)を熱すると空気(湿, 熱)になる。 こうした考えはその後の化学、現在で言う所の錬金術の基本原理となっていきます。 本当はここから錬金術の話を一晩するだけでも楽しいのですが、またの機会に。 #モルの復習 042

2014-08-16 23:20:11
絶対音感たん @APbot_

【承前】【昔の科学者が考えたこと】【その11】 アリストテレスはプラトンの弟子であり、ソクラテス、プラトンと共に、西洋最大の哲学者の一人とされています。 それだけの偉人である彼の影響力は非常に大きなものでした。 #モルの復習 043

2014-08-16 23:20:55
絶対音感たん @APbot_

*【承前】【昔の科学者が考えたこと】【その12】 その彼が「自然は真空を嫌う」と言ったり、「物体は重さに比例して速く落ちる」と適当なことを言ったりしたので、結果的にこの考えはその後約二千年にもわたり人々の思考を縛り付けました。 #モルの復習 044

2014-08-16 23:24:09
絶対音感たん @APbot_

*【承前】【昔の科学者が考えたこと】【その13】 そういう訳で、私が歴史上の偉人を一晩叱りつけるとしたら、彼をこってり絞ってみたいです。素晴らしい業績も山ほど遺しているのですが、彼の妄想によって自然科学の発展が妨げられた側面があります。 #モルの復習 045

2014-08-16 23:24:30
絶対音感たん @APbot_

【承前】【昔の科学者が考えたこと】【その14】 ぼやきはこれくらいにして、二千年後に飛びましょう。 #モルの復習 046

2014-08-16 23:24:46
絶対音感たん @APbot_

【承前】【昔の科学者が考えたこと】【その15】 大物理学者ニュートン(1642-1727)の時代辺りから錬金術の限界が見えてきて、いよいよ近代化学の時代が幕を開けます。(ニュートンも錬金術を研究しており、その時代背景から「最後の錬金術師」と呼ばれています。) #モルの復習 047

2014-08-16 23:26:44
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