IBD患者がアイスバケツチャレンジについて考えてみた

トラスク @Trasque

色んな意味でモヤモヤするアイスバケツについて「自分の病気で考えたならどうか」と「自分が寄付する側ならどうか」でわけて考えた。

トラスク @Trasque

ALSがIBDになったとして、同じようにバケツパフォーマンスが話題になったなら恐らく彼等は同じように、数の差はあったにせよ、寄付をしただろうと思う。そうした時に、今ある批判の内容が変わるかといえばそんなこともない。だから、ALSかIBDかというところに本質は恐らく無い。

トラスク @Trasque

だから「なぜALSであってIBDではないのか」ともし僕が疑問を持ったとすれば、それは「ALSへの寄付チャレンジだから」という答えしかない。IBDへのチャレンジであれば、IBDに寄付をされたのだ。少し乱暴だけれど「ALSだけにしか寄付しないのか」という批判は、意味がないことになる。

トラスク @Trasque

本当にIBD患者として悔しければ「じゃあ自分も企画すればいいじゃん」ということになってしまう。「なんでIBD患者にはしないんだ！」という憤りがもしあるなら、たぶんそれしか解決策がない。

トラスク @Trasque

もしIBDバケツチャレンジなら、同じように僕は「お金集まってるスゲェ」というのと「有名人の単なる売名じゃねえかクソが」とかいうのが同居した気分になるのかもしれないなとは思う。でも、もし本当に自分が寄付を欲しているとしたらどうするかを考えてみたらどうか？

トラスク @Trasque

これは「自分のウェブサイトやブログが、どうしたら多くの人に見てもらえるか」みたいな悩みに近いと思う。毎日ひとまず地道に書くのが良いか、面白い尖った記事作成に熱をかけるか、広告やウェブサービスを活用開発するのか、色々あるが「見て見てー」というだけでは無駄なのがすぐわかる。

トラスク @Trasque

「何らかの方法で知ってもらおう」とか「動かずにはいられない何かを仕掛けよう」っていう方向に考えを巡らしていくはずなんだよね。本気なら。

トラスク @Trasque

ここでもうひとつの視点「もし自分が寄付する側だったら」を考える。お金もあって寄付をしたい、さて何に寄付をするのかがわからない。ここから始まるだろう。しかし何処かAに寄付をすれば「Bという同じ用な苦しさを持つところにはしないのか」などと批判されたりして、尻込みしてしまう。

トラスク @Trasque

A-Zくらいの種類しかないならまだいい。しかし、病気だけを見ても際限がない。僕のクローン病は当時の主治医が正直にほとんど知らないと言ったくらいだし、単なる寄付をする人が全てを把握することなどできない。

トラスク @Trasque

じゃあどうするかといえば、知る機会があって、今ホットなところに向かうというのが、どうしたって自然な流れだと思う。自分が寄付をするとしたらどうかを考えたら、ほんとにこうなる。

トラスク @Trasque

「自分が患者なら」「自分が寄付するなら」の両視点で重なるところがここにある。ぶっちゃけ商品の広告と大差ない。寄付を受けるためにどんなアクションを起こしたのか、その結果として寄付する側を動かした…… ただそれだけの、企画の勝利なのだ。

トラスク @Trasque

批判は「寄付する側の行動」にばかり集まっているように見えるが、おそらく少しズレている。寄付とは「される側が勝ち取るもの」以上にはならないのではないかと思う。なら今回のアイスバケツは批判あれど、まさに企画の勝利をもぎ取ったものに間違いはない。

トラスク @Trasque

気分的な批判とか、そういうものは正直僕にもある。だけど、現実的に「する側される側」に必要なものって何よと考えると「決め手」であって、それを用意もせずにコチラには無いのかと批判しても、そりゃそうですよねとしかならない。

トラスク @Trasque

企画として勝ち取った上で、病への理解だとかの「より効果的な方法議論」は当然起こるだろうが、はじまってないものには議論できない。寄付はされる側が勝ち取るもの、僕はそう思う。

トラスク @Trasque

実際、IBDよりもALSの方が「苦しさの度合い」はかなり上だろうと個人的には思う。それでも、病同士の「定量的な不幸さの比較」というのはなかなかナンセンスであって、それは病に限らないものでもある。

トラスク @Trasque

だからこそ「寄付する側がAという選択をした」ことについて「それ以外を選択しなかった」は正しいが「それ以外を見捨てた」というのは全く論が異なっているのだ。

トラスク @Trasque

「どうすることもできないこと」に対して、それを分かっていながら責めるような批判をすることは無価値であり、批判の体を為していない。寄付者について「A以外に対して寄付をしなかった」ことは、全知でもなければどうすることもできないことだし、A以外と定量比較できないことからも批判ではない。

トラスク @Trasque

つまり「ALSだけしか寄付しないなんて偽善だ」といったような批判は、批判の体を為しておらず、だからこそ「卑怯な批判」だと僕は思う。

トラスク @Trasque

そもそもアイスバケツへの批判にすらなっていないしね。

トラスク @Trasque

先ほどの「実際に自分が寄付をする立場だとしたら」という現実的な視点に立てば「自分が見える範囲にしかできない（努力をしないという話ではない）」のは分かるものだが、なぜだかそれを「やさしさの無い冷血な奴」などと人格批判に昇華させてしまうのもちょっと存在する。

トラスク @Trasque

でも、アイスバケツで盛り上がっている中「昔から黙って定期的に寄付し続けている静かな人」というのは必ずどこかにいるはずで、スポットせよとは言わないが、そうした真心というのは忘れてはいけないね。

トラスク @Trasque

事業やるにしてもお金は自分で集めるしかないやん結局。難病支援も元々はそうだったはずで、でも俺にはそんな真似できる気がしないやん。だから、すごいことなんだなと思う訳ですよ。乗っかってるだけだけど。