ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10100245:メニイ・オア・ワン #3
砕けた窓ガラス穴から顔を出し、ニンジャスレイヤーを見下ろしていたスパルタカスは、やや首を傾げた。耳の横をニンジャスレイヤーのスリケンが通過した。メンポをしていても、笑顔がわかった。アトモスフィアで、わかった。ニンジャスレイヤーは受け身をとった。スパルタカスが落ちてきた。67
2014-09-17 00:10:57東京タワーと潜伏ビルの距離は、飛び石さえあれば、一流のニンジャが跳んで跳べない距離ではない。だが……飛来するスリケンを踏み台に?「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはバック転を打った。スパルタカスが着地とほぼ同時にオジギした。「ドーモ。ニンジャスレイヤー=サン。スパルタカスです」68
2014-09-17 00:15:44飛来するツヨイ・スリケンを無害な角度から踏み、そして再度跳ぶ。恐るべき精密なタイミング計算。ニンジャスレイヤーは折れぬ心でアイサツを返す。「ドーモ。スパルタカス=サン。ニンジャスレイヤーです」セイシンテキを保て。殺すべき「12人」の一人。最後の標的ですらないのだ!だが……。 69
2014-09-17 00:21:09「古代ローマカラテは魔技」スパルタカスの両手が、じわりと残像を描きながら動いた。そして構えた。「極めたと思えば、なお研究の余地が見えてくる。いわば俺のライフワークよ。そして……ぶっちゃけた話、俺の権力の源でもある。カネのなる木よ。カネ、女、旨いスシ。アマクダリ・セクト」 70
2014-09-17 00:28:48ニンジャスレイヤーはジュー・ジツを構える。瞬間的にニューロン内で百の打撃軌道を想定する。イマジナリー・カラテは無慈悲な答えを返す。スパルタカスはそれらに対応し、ニンジャスレイヤーに何らかの反撃を行うだろう。スパルタカスが一歩すり足を踏み出す。ニンジャスレイヤーは間合いを保つ。71
2014-09-17 00:32:55ニンジャスレイヤーは次に取るべきムーブを試行錯誤し続ける。ニンジャアドレナリンが血中に激しく送り込まれ、時間感覚が泥じみて鈍化する。彼は答えを出した。カスミガセキ・ジグラット!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーがスパルタカスに仕掛ける!スパルタカスの両腕が揺らぎ、動く! 72
2014-09-17 00:35:16