茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1327回【森羅万象を賭けの対象にすること】連続ツイート

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート１３２７回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、今日、気になるあのニュースについて。

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やっているかな、と思って、一つのオンラインのサイトを見に行ったら、やっぱりやっていた。今日行われる、スコットランド独立をの是非を問う、住民投票。Bookmaker（賭け屋）のサイトで、「英国の政治」というカテゴリーの下で、住民投票の結果についての賭けが行われていた。

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このBookmaker でのオッズは、「独立ＮＯ」という結果になるという予想が優位。「独立ＹＥＳ」の倍率が４．３３倍、「独立ＮＯ」の倍率が１．２２倍。「独立ＮＯ」と予想する方が多い。もっとも、この中には、「独立して欲しくない」という願望も入っているのかもしれないが。

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「世界のありとあらゆることを賭けの対象とする」という英国のBookmakerのやり方は、面白いと思う。そして、これは、特に洗練された人たちの間での一つの「文化」になっているようである。賭をして儲けるというよりも、森羅万象について、知性の限りを尽くして予想することを楽しむ。

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私の好きな政治コメディ、Yes, Ministerの中でも、賭けの場面がある。「事務次官」が、「部下」と、「大臣」が来たら真っ先に新聞に自分の記事が出ているか聞くかどうかをかける。メディアの評判が気になる大臣の性格を見抜いた賭け。賭け金は、一ポンド。このように小さなことに賭ける。

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今読んでいる、リチャード・ドーキンスの自伝「An appetite for wonder」の中にも、オックスフォード大学のカレッジで何十年も前から行われてきた「賭け」の記録の話が出てくる。ハーディー教授は、一ポンドに対して全財産を賭ける。賭けの対象は、「明日太陽が昇る」かどうか。

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森羅万象を賭けの対象にするということは、それによってお金をどうこうというよりも、あらゆる知識、経験、推理を駆使して結果を予想するという一種の「スポーツ」なのであろう。何を賭けの対象にするか、それ自体にセンスが問われる。みなさんだったら、何を対象に、賭けをしてみたいですか？

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以上、連続ツイート１３２７回「森羅万象を賭けの対象にすること」のテーマで、６つのツイートをお届けしました。