小公女セーラがミッキーマウスに乗り換えるとき

思いつくままに。
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It happens sometimes @ElementaryGard

しつこく見せます。今、セーラが抱いているのはロンドンに着いてからパパに買ってもらった超高級人形。ピエール・ジュモ―作。当時のブランドです。 pic.twitter.com/Orm67NNc6R

2014-09-18 17:44:19
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世界で最初の万博は1851年。ロンドンでした。『エマ』にも出てきます。そのルーツはパリにあります。フランス革命の頃から何度も催された産業博覧会。あれを超えたいとえげれすがきばったのがロンドン万博。 pic.twitter.com/pCkti8ZOw8

2014-09-18 17:49:30
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『スチームボーイ』でも出てきます。 pic.twitter.com/3LHr7Melqk

2014-09-18 17:51:28
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ジュモ―人形が世で注目を浴びたのが、パリの産業博覧会でした。1844年。それまで人形はドイツが先進国だったのが、ジュモ―によってフランス国産に素晴らしいものがあると称えられた。セーラの時代である1885年には高級ブランドに。 pic.twitter.com/Ig0bjYZMO5

2014-09-18 17:54:28
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そのわずか一年後にあたる1886年、スイスのベルンで国際著作権条約が作成されました。いわゆるベルヌ条約。日本とアメリカもオブザーバーとして参加。日本は後に調印しますがアメリカは百年間、この条約をシカト。

2014-09-18 17:56:27
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この条約は今に至るまで何度か改正されてきました。「応用美術」を保護するかどうかが毎回論争されました。つまりセーラの人形みたいなのは著作物(ワーク)なのか意匠(デザイン)なのか?前者ならベルヌ条約の保護対象だし、後者ならパリ条約(特許・意匠・商標)の管轄になる。

2014-09-18 17:59:02
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ドイツとフランスは「応用美術はベルヌ条約で守るべし」と主張。何しろ高級人形の輸出国ですからね。イギリスやスイスは反対。輸入国だから不利になる。日本は日英同盟の縁でイギリスびいき。

2014-09-18 18:01:03
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日本でも、博多人形は大量生産品だが著作物に分類すべきではないのか?という裁判がありました。あれはたしか地裁で「著作物」と判断されたのでしたっけ。この混乱の源は、セーラやホームズの時代にヨーロッパ人が世界標準と称えたベルヌ条約、パリ条約の区分法でした。

2014-09-18 18:03:34
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近年だと海洋堂の食玩シリーズがやはり同種の裁判になっています。あれは高裁まで判断でてましたねたしか。今もやってるのかな。

2014-09-18 18:04:43
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パリとベルヌ条約のはざまに花開いたアンティーク・ドール(もっともこの総称は20世紀になってからですが)。一方でアメリカはこの二条約には加盟せず、独自の法理論を構築。「ファンシフル・キャラクター」の商品化という、ヨーロッパでは発想すらされなかったものを生んだ。

2014-09-18 18:07:59
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オチはわかりますね。これですよ。何度目かなお見せするの。 pic.twitter.com/WqShAsYFl0

2014-09-18 18:08:33
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第二話から。すでに「エミリー」と名前まで用意してセーラはパパといっしょに人形を探します。「この子じゃない」「この子でもない」と。この世にひとりしかいないのだそうですエミリー。 pic.twitter.com/qHnHT5jx1u

2014-09-18 18:20:18
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これと比べてみてください。ミッキーマウスは世界でひとりしかいないけれど、商品は無数にあるわけです。セーラはそういうの納得いかないんですよ。というか19世紀ヨーロッパにそういう考え方自体がなかった。 pic.twitter.com/O5sw6ltdmm

2014-09-18 18:22:07
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イギリスの超お嬢様セーラにとって人形はすべて違う存在。それが1930年代アメリカでは逆転。「私だけのミッキー」ではなく「私たちのミッキー」になる。 pic.twitter.com/eYaMvE6rEJ

2014-09-18 18:24:27
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うーん自分でも今とても面白いところに来てる気がします。ただまだすっきりと言語化できないのが歯がゆいですミンチン先生。

2014-09-18 18:25:39
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「キャラクター」とは、今でいうクラウド化の考え方に通じるのかもしれない。一方で消費者のあいだで、ある種の「わかるひとにはわかるんだよねー」式のゲームのアイコンとしても機能しているのがミクやキティ。アンクルサムはそうではない。

2014-09-18 18:34:06