まなたん

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へへ、明日は何の日か、わかる？

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部のみんなでお祝いしてくれるって！！俺自宅通いだからいつもはまっすぐ帰るけど、今日は寮にお泊まり。荒北さんの誕生日以来だなー寮に泊まるの！ 食堂貸し切ってパーティ、楽しみっ

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…あれ？食堂に集まってくれたチャリ部の人と中に、荒北さん…いない…？ トイレかな？

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荒北さんはまだいない。 もっ、もしかして「俺がプレゼント♡」の準備でもしてるのかなっ！？も〜荒北さんったら〜…………

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あ、らきたさん…？

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あの…荒北さん、どこ行っちゃったんですか？ 「ん？靖友？そういや見ないな。トイレか？」 「自室にでも戻ったのか？全く、後輩の誕生日だというのに薄情なやつだな！安心しろ真波！この山神がちゃんと祝福してやろう！」 …わーありがとうございますー…

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福富さんがクラッカーを構えた 東堂さんが時計を見ながらカウントダウンを始める。 ずり落ちる三角帽子を直しながら、

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「10」「9」「8」 食堂の扉が開く。 「7」「6」「5！」 人混みの間を縫って歩く黒髪が目に入った。 「4！」「3！」「2！！」 あらきたさ…っ！

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「1！！」 「ハッピーバースデェ真ァ波ィイイイ！！！！！」 最後に見たのは 満面の笑みの荒北さんと、 ハイスピードで迫り来る真っ白なパイ生地

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「ム、日付が変わったな。おめでとう真波」 「もう少し状況を考えてやってくれフク！！！！」

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「ヒュウ！流石元球児、いいストレートだったな！」 「なあ隼人、あのパイもしかして先月の荒北誕の仕返しなのではないか…？」 「エ"ッじゃあまさか俺らン時もアレされるんすか！？」 「どどどうしよう雪ちゃん！」 「アブゥウウ……」 「お…俺は、パイ生地よりも強い！」

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視界が真っ暗で息ができなくて鼻がいたい

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「ブハッお前ひっでェ顔！」 荒北さん… 「俺ン時のお返しだバーカ！ハッ髪までべったべた。早く洗って来いヨ」 荒北さあああ"あ"ん"ん"ん"！！！ 「のわっ！？おいバカ離れろクリームつく！服につくから、うぉわっ！」

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「重ェ…早く降りろ馬鹿！」 荒北さんずっといないから！！祝ってくれないのかと、思っ…、っ！ 「あーパイ生地？部屋の冷蔵庫に入れてたからァ…」 あらきたさんのばかぁ… 「あーもーお前顔面ぐっちゃぐちゃ！！オラ早く泣き止め！主役が笑ってなくてどーすんだヨこのパーティ！」

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たくさんおめでとうって言ってもらえて、東堂さんの一発芸が見れて、黒田さんがケーキを取り分けてくれて、福富さんに頭撫でてもらえて、あったかくてくすぐったい、しあわせってきっとこういうこと

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荒北さんがくれたのは自転車のラバーキーホルダー。 それはどこかの誰かが乗っている色によく似たミントブルーの空色で。「オメデト」ってはにかんだ荒北さんの写真と動画と録音MP3とともに俺の宝物になることは間違いなさそうだった。 ねえ、この色をくれた意味を聞いてもいいですか。