なぜヨーロッパからイスラーム国の戦士に加わるか

masanorinaito @masanorinaito

家でもドイツ語で話すようになって。なんだか、子どもたちから切り離されてしまったようで、それが辛くて、ようやっとドイツ語を習う決心がついたんです、とお母さんの一人が答えたとき。なぜだか自分でもわからなかったが、彼女の言葉を訳していて、涙がでてきた。

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ドイツ語ができない移民には永住権を出さない。永住したかったら、ドイツ社会・文化への統合テストを受けろ、とドイツの政治家が右派も左派もこぞって、トルコからの移民たちに迫っていたころのことだ。

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クリスマスのベルリン。クリスマス・マーケットの屋台でインタビューしていたとき。あるトルコ人夫婦が、ギョズレメというトルコのお焼きを焼いて売っていた。彼と話をしていると、近所のドイツ人の屋台の主人が、トルコ人なんかクリスマスを祝うことないんだよ。クリスマスはキリスト教徒の祭りだろ

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おまえたち日本人は、なんでこんなところまで来てトルコ人と話すんだ。ドイツ人と話せよ。ここはドイツなんだから。トルコ人の移民なんて増えすぎて困ってるんだ、出て行けばいいんだ、と喧嘩腰で言われた。いっしょにいた学生たちは、驚いて、悲しそうな表情を浮かべていた。

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お焼きを売っているトルコ人は、自分たちもドイツ国民で、ここでこうやってトルコの文化をもっていても溶け込もうと頑張ってるんだと一生懸命言い張った。別のドイツ人が、差別的なことを言ったドイツ人をたしなめて、なんとかおさまった。私は、お焼きを売っていたトルコ人がボクサーなのを知っていた

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研究のためと称して余計なことをしたばっかりに、彼が暴発するのではないかと、案じた。だが、彼は、夫人といっしょに、黙々とお焼きを焼いて、学生たちに振るまってくれた。第二次大戦で焼け残った教会の前の広場での出来事。残骸となった教会の姿に、改めて人間の愚かさをみた。ﾌｨｰﾙﾄﾞﾉｰﾄ