ヨコスカ・アサイラムVSラブホテル鎮守府 ～チキチキ ポロリもあるよ！ドキドキ合同演習 in なんばパークス～ その５

高峯みやび @sukamelancholy

安易にそれを聞いてもいいのかと悩む。直接足柄と戦ったエリザだけが知る事の顛末。それを気安く聞いてはいけないのだと、エリザの背中から感じた。だが、結果は結果。ついに迎えた最終戦は二勝二敗の平行線となった。最終戦も30分程度のインターバルを置いて開始される。 #変態不知火さん

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「……ねえ、誠士郎」うん？「私、頑張ったわ」……うん。「けれど、納得の出来る戦いだったかは、わからないの」……そうか。「いつか、もう一度戦う機会があるのなら、次こそは私の全力をぶつけてみせるわ」あぁ。……よくやってくれた。「当然よ。私は、〝あなたのエリザ〟よ」 #変態不知火さん

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長かった演習も、佳境に入った。鎮守府侵入、襲撃されたあの日からもう随分と時間が経ったように感じるが、あれはほんの数日前の話で、大阪に入ってからまだ半日も経っていないのだ。長い一日。それももう次の死合で終わりだ。出場するのはお互いのとっておきの艦娘。不知火と加賀。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

不知火の部屋に入ると、彼女は大阪のローカル番組を見ていた。相変わらず表情はあまり表に出さず、ただ見ているだけ。不知火の隣に座り、俺もテレビを見る。深海棲艦のお料理コーナー。南方戦棲鬼とアシスタントの戦艦ル級。今日は忙しい主婦の方でも簡単に出来るお料理の紹介です。 #変態不知火さん

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司会の艦娘、陸奥と喋りながら、深海棲艦が料理を作っている。その手に持っているのは包丁で、主砲ではない。刻んでいるのも艦娘や人間ではなくて、野菜。和気藹々とした雰囲気で進行していき、料理はあっと言う間に完成した。──別世界のテレビ番組。こちらでは有り得ない光景。 #変態不知火さん

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※南方戦棲鬼ではなく、南方棲戦鬼でした。筆者はケジメされました。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「……ユニークな世界です。海上では殺し殺され、文字通り互いの四肢を喰らい合うような戦争をしているのに、地上では艦娘も深海棲艦も居て、テレビに出演しています。世界観、いえ別次元の世界というのは、本当にこちらの常識が通じませんね」……だな。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

テレビに映っている陸奥も、コメンテーターの荒潮も、その身体は死体で出来ている。流れる血液は燃料で、骨格は鋼鉄。深海棲艦も一説では元艦娘ではないかと言われている亡霊。死者しか映っておらず、その死者が面白おかしく進行するバラエティ番組。とんだブラックである。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

そしてこれから……否。これまでリングで戦った相手も元は人間の死体。肉と鉄と燃料と、得体の知れない何か。それがこの世界の艦娘だ。妖精さんによってサルベージされた軍艦の魂と適合した者のクローンが艦娘と呼ばれているこちらの世界とは、あまりに違いすぎる。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

そして相手はアサイラム提督の〝とびきりの〟艦娘。正規空母加賀。〝とある事情で〟未だにお目にかかれないが、あと数十分もしたらあのエレベーターで対峙する。そしてその加賀と戦うは、こちらの〝とびきり〟、不知火。どんな種目かはわからないが、血を見ずに終わるとは思えない。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

そっと、不知火の肩を抱く。何も言わず、不知火は頬をすりつける。――もしかしたら。もうこうやって身体を密着させる事も出来ないかもしれない。次に不知火を抱き締める時、彼女は死体かもしれない。〝最も失いたくない同士〟の死闘。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

逃げられない。逃げる訳には、いかない。アウェイの地で俺たちは最後の死合を迎える。――左の薬指にはめた一番下の指輪、不知火と繋がっている証であるそれが、じんわりと熱くなっているのを感じた。スマートフォンが、第五死合開始の通知を表示する。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

【NEXT FINAL BATTLE】 不知火（ラブホテル）VS加賀（アサイラム） Ready to fight soon... and,moving the shadow. #変態不知火さん