大御所アニメーターの回想録の裏にあるもの

行間から見え隠れする
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It happens sometimes @ElementaryGard

『作画汗まみれ 増補改訂版』を読んでいたら、映産労の話題が一か所でてくる!『草原の子テングリ』でしぶしぶ演出を受けた時、映産労役員でもある仕上の責任者がきて「凝ったことは勘弁してほしい」と言い渡され、その通りにした、と。

2014-10-26 03:46:06
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pa-works.jp/runner/inoue/i… 井上俊之インタビュー。2005年。労働賃金に関する彼の(というか当時の彼の)思考がわかる。

2014-10-26 03:53:58
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高橋茂人が新しかったのは、アメリカではなくヨーロッパに日本製テレビアニメを売るという発想か。

2014-10-26 04:00:23
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ひょっとして有原誠治氏?動画で参加。面識あり。@kumi_kaoru

2014-10-26 04:13:02
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アニメーターが食えないホントの理由は?: youtu.be/Nlek8bUAsJE @YouTubeさんから 鉛筆削りの話に着地させてしまう愚劣さ。

2014-10-26 04:14:19
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まてよ色彩の近藤浩子?近藤喜文氏の奥様。後に『カリ城』でも色指定で活躍。夫婦で映産労のメンバーでした。

2014-10-26 04:15:48
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アニメ業界の労働環境の惨状について現場の人たちに取材しても、結局どんな風に自分たちは働き、回っているか以上の話が出ない。オタキングがいう鉛筆削りの話はなるほどもっともなのでしょう。ですがそういうリアルといえばリアルだけど、そこから外に広がっていかないの。

2014-10-26 04:18:11
It happens sometimes @ElementaryGard

その手の話をされると、私も含めて現場を体では知らない者は「ああそういうものなんだーへぇー」と納得してしまう。が、そこにトリックが隠されている。

2014-10-26 04:19:37
It happens sometimes @ElementaryGard

生々しいけれどトリビアな話を積み重ねられると、その現場を知らない私たちは引き下がるしかないわけです。「これだから現場を体で知らない奴はなぁ」と言われるのは誰だって嫌だしね。しかあし、そこに隠ぺいのトリックが働いている。語る側もそのことを意識していない。いないけれど隠ぺいしてる。

2014-10-26 04:22:20
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この隠ぺいトリックを突き破るために、ハリウッドアニメ界の内情を歴史的視点から綴った大著を邦訳しました。打ち上げ用の超大型ロケットの特許ライセンスを買ってきて、ひとりで根性で組み立てて、それに私が設計・製作した観測衛星を乗せて宇宙に打ちだした。

2014-10-26 04:25:02
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やっぱりそう!『作画汗まみれ』の旧版にあった記述が、その後の改訂版では削られてる。

2014-10-26 04:40:37
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旧版p125 >需要の増大という事態に、アニメーター、その他の技術者不足から、この時期に急速にアニメ関係者の給与が上昇したのも特筆に価します。 昭和38年の『鉄腕アトム』を皮切りに国産テレビアニメが次々と放映されたのをうけての回想。

2014-10-26 04:44:38
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>週1本放映というきびしいデッドエンドをもつテレビアニメの宿命から、私たちは以前とは異なった忙しさに直面したのです。そのかわりに前よりも”食えるよう”になったのも、また事実です。

2014-10-26 04:46:30
It happens sometimes @ElementaryGard

大塚が当時在籍していた東映動画では、テレビアニメ班にまわると給与が3割増しになるのでした。その上彼は歩合制に身分を変えて荒稼ぎ。社員が歩合制というのは労働基準法違反のはずですが、当時の東映動画はそのことに気が付かなかったようです。

2014-10-26 04:48:48
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当時の労働組合の委員長だった男性に取材したことがあります。大塚さんにはいい感情を抱いておられない様子なのが印象的でした。「自分で労働組合結成運動を煽っておいて、自分はみんなと同じ給与体系ではやっていけないって言い出すんだ」と。

2014-10-26 04:50:38
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賃金の話題を大塚が後の版で削ってしまった理由は思い当たりがあります。ここでは論じないでおきます。

2014-10-26 04:54:28
It happens sometimes @ElementaryGard

『テングリ』は1977年。もう一本テレビスペシャルがあるぐらいか。大塚はなぜ演出を固辞するのか。想像ですが労働運動で労働者側代表として発言していたのが、演出家にまわると今度はこき使う側になるって自己矛盾を起こすから、かもしれない。

2014-10-26 05:21:46
It happens sometimes @ElementaryGard

実際、高畑・宮崎コンビは東映時代は組合幹部でありながら、社を去ってズイヨーで『ハイジ』を作るとき色指定(女性)さんを一日の睡眠2時間で酷使した。「労働法違反なのはわかっていた。けれどもどうしようもなかった。会社とかけあって彼女専用のお風呂を作らせて罪滅ぼしとした」と宮崎は回想。

2014-10-26 05:24:48
It happens sometimes @ElementaryGard

『テングリ』の回想から何となく読み取れるのは、「いい作品を作りたい」という芸術家的意欲と、「組合設立の言いだしっぺだったのに今や労働者を酷使するのかお前は」という良心の声の葛藤。

2014-10-26 05:27:32