英海軍の第一海軍卿など

First Sea Lord だけでなく First Lord of the Admiralty も第一海軍卿と訳されることがあってややこしい
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こんぱすろーず @flowerclass

英国海軍本部(アドミラルティ)は軍政と軍令の機能を併せ持ちますが内部部局は両者にはっきり分離されています。第一海軍卿は海軍本部の制服組トップ、軍令面では最高責任者、軍政面では文民の海軍大臣(First Lord of the Admiralty)の筆頭補佐役を勤めます。

2014-11-14 20:49:31
こんぱすろーず @flowerclass

第2から第5までの海軍卿は軍政を担当する役職です。第二は人事、第三は艦艇の建造と修理、第四は補給、第五は海軍の航空全般をつかさどります。階級は少将から中将です。

2014-11-14 20:49:48
こんぱすろーず @flowerclass

軍令面で第一海軍卿(正式名称は第一海軍卿兼軍令部総長 First Sea Lord and Chief of Naval Staff)を補佐するのが軍令部次長(VCNS、中将級)。次長のもとに少将級の次長補(ACNS)が複数置かれ、各々担当のいくつかの部署をまとめて管轄します。

2014-11-14 20:49:56
こんぱすろーず @flowerclass

大戦中に置かれていたACNSは本国海域作戦担当、海外作戦担当、兵器開発担当、航空戦担当、通商保護および対潜水艦戦担当、の5人です。ACNSの下に各部(Division、部長は大佐級)が位置します。情報部(NID)だけは少々毛色がちがって部長は少将級で次長に直属しています。

2014-11-14 20:50:16
こんぱすろーず @flowerclass

第一海軍卿は軍政面で海軍大臣を補佐しますが「海軍次官」と呼称するのはすこしためらわれます。なぜなら大臣には議会の任命する政務次官(Parliamentary Secretary)と海軍の文民官僚の長である事務次官(Permanent Secretary)が別に存在するからです。

2014-11-14 20:50:25
こんぱすろーず @flowerclass

また第一海軍卿は日本の軍令部総長と違い、実戦部隊の長でもあります。すべての艦隊や海軍管区は第一海軍卿の直接指揮下にあります。複数の海域にまたがる作戦や重要な作戦では海軍本部が直接現地部隊を指揮しました(ビスマルク追撃戦や援ソ船団の護衛など)。現地の司令官からは嫌われた制度ですが。

2014-11-14 20:50:30
合歓依 芳之 @SleepyEnsign

お、タイムリーな解説ありがたいですw>RTs

2014-11-14 20:54:02