今に見ていろ!マカロニウエスタン

蔵臼金助氏による「落ちこぼれの娯楽」としてのマカロニウエスタン。
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

端的に言うが、イタリア製西部劇(マカロニウエスタン)とは、落ちこぼれの娯楽なのである。

2014-11-15 08:16:56
蔵臼 金助 @klaus_kinske

60~70年代において、マカロニウエスタンは完全に世界の労働者層、ドロップアウトした連中、搾取され続けてきた人達に、一時的に夢を見させる娯楽装置であったのだ。

2014-11-15 08:18:05
蔵臼 金助 @klaus_kinske

反米主義を掲げる南アメリカの某国では、『復讐無頼』だけをずっと上映している映画館すら存在していたと聞く。 マカロニウエスタンが描く安っぽいがストレートな革命劇は、50年前の大衆の心を広く掴んでいたのである。

2014-11-15 08:20:10
蔵臼 金助 @klaus_kinske

10年以上前になるが、マカロニウエスタンのDVDをせっせと量産していた時、読者から届く感想の葉書で最も印象に残ったのは、中年のリストラ世代からのものだった。

2014-11-15 08:23:00
蔵臼 金助 @klaus_kinske

会社をクビになった50代のオヤジ層が、かつて青春時代に観たマカロニウエスタンを子どもと一緒にDVDで観て、元気を取り戻したというパターンが多かった。

2014-11-15 08:23:44
蔵臼 金助 @klaus_kinske

マカロニウエスタンは家族を殺されたガンマンの復讐劇が多いからな。 仲たがいした息子と父親が一緒に観て一緒に感動し、和解することだってあるのだ。

2014-11-15 08:25:00
蔵臼 金助 @klaus_kinske

それに、マカロニウエスタンの主人公たちには、根性が入ったものが多い。 それも並大抵の根性でなく、全てを失っても何かきっかけを探し、それにしがみつき、生き延びようとする連中ばかりだ。 彼らを観ていると、何年も失敗を続けても、「今に見ていろ」という気持ちを取り戻すことが出来る。

2014-11-15 08:26:50
蔵臼 金助 @klaus_kinske

というわけで、今や自分自身が50代半ばを過ぎようとし、崖の淵に両手でしがみついて堕ちまいとしている状況ではある。 震災前後の時は、片手だけでぶら下がっている時もあった。

2014-11-15 08:29:30
蔵臼 金助 @klaus_kinske

それでもぶら下がり続けていられたのは、「今に見ていろ」という復讐心を支えてくれた、マカロニウエスタンの登場人物たちに依るところが多い。

2014-11-15 08:30:53
蔵臼 金助 @klaus_kinske

今年はマカロニウエスタン・ブームの起爆剤であった、『荒野の用心棒』が制作されてちょうど50年。来年、2015年の12月25日は、日本においてその『荒野の用心棒』が公開された縁起の良いタイミングでもある。

2014-11-15 08:32:58
蔵臼 金助 @klaus_kinske

そろそろ崖の淵から這い上がって、両足で地面に立つ頃合いでもあるよね。

2014-11-15 08:33:45