マカロニウエスタン・キャラクター“5傑”

『別冊映画秘宝 百発百中!ウェスタン映画入門』に掲載されたコラムです。
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

劇場公開されてないから日本では一部の熱烈なファンにしか知名度が無いのだが、この“サルタナ物”について詳しく知りたいかね? アミーゴ。 pic.twitter.com/rHKCr4skIO

2016-04-23 22:16:01
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

今、「サルタナ」のことを「猿も棚から落ちる」とか言って笑いを取った奴、「サルマタケ」と言い間違いした奴と一緒に撃ち殺すw pic.twitter.com/1IUZpyf6Rj

2016-04-23 22:21:20
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

「サルタナ」のことについて語る前に、最初に知名度の高い「サバタ」から語ろうじゃないか。 『別冊映画秘宝 百発百中! ウェスタン映画入門! 』にかつて掲載したものを抜粋して載せるぜ。 pic.twitter.com/bObT3IiiOk

2016-04-23 22:25:32
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

ガトリングガンのように連射するから、銃声がうるさいアミーゴは耳ふさいでくれ(訳:ミュートしてくださいませ)。 pic.twitter.com/dLUSNu5jov

2016-04-23 22:29:26
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

サバタ Sabata(リー・ヴァン・クリーフ) pic.twitter.com/xja2ItTmbP

2016-04-23 22:31:16
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

EHI AMICO...C'E SABATA, HAI CHIUSO! (おい、お前...俺がサバタだ。お前はもうおしまいだ!)“西部の007”と異名をとる謎の男サバタ初登場の作品が『西部悪人伝』だ。ユナイトが製作。

2016-04-23 22:32:26
蔵臼 金助 @klaus_kinske

メジャーだけあって他の低予算イタリア製西部劇とは異なり、ふんだんに爆破シーンが出てくる。エキストラも多い。舞台となる町ドハティの通りには大勢の「通行人」が闊歩、決闘が始まると散り散りばらばらに逃げ惑ったりする。

2016-04-23 22:33:06
蔵臼 金助 @klaus_kinske

クライマックスの銃撃戦に至っては、ガトリングガンが唸り、ダイナマイトが破裂。まるで戦争映画のようだ。

2016-04-23 22:33:32
蔵臼 金助 @klaus_kinske

『夕陽のガンマン』のモーティマー大佐のイメージをなぞったのか、サバタはガンファイター・スタイルの黒づくめのスーツ姿。ネクタイを締め、お洒落なベストを着て、金鎖のポケットウォッチも身に着けている。さらにはインバネス・コートを羽織っているところも大佐譲りだ。

2016-04-23 22:34:48
蔵臼 金助 @klaus_kinske

そして“西部の007”の名に恥じず、各種秘密兵器を所持している。メインウェポンは、ウインチェスターM1866改造型カービン。銃身と弾倉が切り詰められ、テーブルの下に隠して敵をだまし討ちすることも可能だ。

2016-04-23 22:36:05
蔵臼 金助 @klaus_kinske

遠方の敵を倒す際はエクステンド・バレルを装着。夜の闇でも次々に長距離からの狙撃を行う。 pic.twitter.com/Me1ivlU22K

2016-04-23 22:36:34
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

そしてサバタのトレードマークとなっているのが、サイドアームスの多銃身デリンジャー。4連銃身の他に、グリップエンドのトラップ・ドアが跳ねるとさらに3発の連射が出来る。 pic.twitter.com/NNVPf7NLqf

2016-04-23 22:37:47
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

サバタは無敵なのである。他のマカロニの主人公のように、敵に捕まってリンチを受けることもない。常に涼しい顔をして、事件の進行の先を読み、トリックで敵をだまして、大金を得る。そう。彼もまた、賞金稼ぎなのだ。

2016-04-23 22:42:05
蔵臼 金助 @klaus_kinske

007や『必殺の用心棒』のシュガー・コルトとは異なり、秘密諜報員でも探偵でもない。大義名分も任務も背負ってない、ただ、ジャンゴや名前のない男よりも少しだけ「意識の高い」バウンティハンターなのだ。

2016-04-23 22:42:44
蔵臼 金助 @klaus_kinske

『西部悪人伝』のサバタのカッコ良さに目を付けたユル・ブリンナーは、姉妹編である『大西部無頼列伝』で同じく“サバタ”役を演じた。だが、コンセプトこそ似ているものの、舞台設定とキャラクター設定が変更され、このキャラクターは英語圏以外では“インディオ・ブラック”と名付けられている。

2016-04-23 22:45:47
蔵臼 金助 @klaus_kinske

『荒野の七人/真昼の決闘』でリー・ヴァン・クリーフが“クリス”と呼ばれるような違和感を、ユーロの連中は感じていたのかもしれない。 pic.twitter.com/awwcLyMfC4

2016-04-23 22:46:28
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

1972年になって正当な続編『西部決闘史』が製作され、リー・ヴァン・クリーフ演じるサバタが再びスクリーンに登場した。混み入ったストーリー、次から次へと出てくる謎の登場人物たち。前作同様の決闘に次ぐ決闘。アクの強い敵役にビザールな脇役たち。秘密兵器もグレードアップして登場する。

2016-04-23 22:47:06
蔵臼 金助 @klaus_kinske

冒頭の銃砲店のシーンで、サバタは“プロテクター”パーム・ピストルを購入。これは、弾丸が円形のフレームに同心円状に装填される、不思議なメカニズムを持った珍銃だ。おそらくアンティークであろう実銃を、サバタは手袋に仕込んで発砲、刺客を次々に倒していく。

2016-04-23 22:48:04
蔵臼 金助 @klaus_kinske

スマートでクール、ふらりと現れて敵を倒し、大金をせしめて去って行くサバタであるが、この作品を最後にスクリーンからは消え去った(だが、そこはイタリア映画。サバタもまた幾つかの亜流を生み出し、アンソニー・ステファンやファビオ・テスティ、ブラッド・ハリスらが偽サバタを演じた)。

2016-04-23 22:48:37
蔵臼 金助 @klaus_kinske

サルタナ Sartana(ジャンニ・ガルコ) pic.twitter.com/0xP7PSCO80

2016-04-23 23:09:37
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

先ほど、サバタと偽サバタのことを勢いで書いてしまったが、実はサバタの原型はこのサルタナなのだ。だましてすまんな、Amigo。このあたりからマカロニウエスタンは底なし沼の入り口に入っていくぞ。

2016-04-23 23:10:10
蔵臼 金助 @klaus_kinske

1960~70年代の欧州ではサルタナはけっこうな知名度を誇る西部劇のヒーローだったのだ。想像で書いてるが、たぶんウルトラマンに対しての、ミラーマンくらいの知名度…だと思う。この“サルタナ”シリーズは全部で4本作られたが、日本では1作も劇場公開されず、TV放映すらされたことがない。

2016-04-23 23:10:50
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