- klaus_kinske
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そして、“ジャンゴ”はマカロニウエスタンのアイコンとなり、2007年にはスキヤキ化、2012年にはグリンゴの手によってオマージュを捧げられ、『ジャンゴ 繋がれざる者』が公開されることになるのである。 pic.twitter.com/84McUjRMe0
2016-04-24 15:10:031960年代半ばから始まったマカロニウエスタン全盛期。スコールの後にコルホーズで筍を栽培していたかと思うくらいの勢いで疑似西部劇が量産され、次々に髭面のキャラクターたちがコルトを撃ちまくっていた時代があったのである。
2016-04-24 15:26:30もっとも知名度が高かったのはジャンゴだが、コルブッチは自ら演出した作品にジャンゴは二度と登場させず、銀幕にはフランコ・ネロ以外の役者が演じた、『皆殺しのジャンゴ』『血斗のジャンゴ』『情無用のジャンゴ』『復讐のジャンゴ』などの亜流ジャンゴが溢れ返った。
2016-04-24 15:27:54ジャンゴ以外にもサバタ、サルタナ、リンゴ、トリニティ…次々にイタリアの映画作家たちは個性的なキャラクターを育て上げ、カンブリア紀の奇想天外な生き物も真っ青のバリエーションを展開していったのだ。
2016-04-24 15:32:51中には日本で殆ど紹介されたこともない、今やバージェス頁岩の中でしか確認されていない、トレセッテ、スピリチュアル・サント、カランボラなんてシリーズものも存在する。
2016-04-24 15:33:14名前のない男、サバタ、サルタナと、「意識の高い賞金稼ぎ」ばかりを紹介してきたが、最後は比較的偏差値の低い、ジョージ・ヒルトン演ずるアレルヤでしめくくりたい。 pic.twitter.com/MoOMalTGkx
2016-04-24 15:34:13最初に彼が登場したのは『荒野の無頼漢』(1971)だ。恰好はサバタ、サルタナに酷似した黒づくめのガンファイター・スタイル。彼はそれに肩にガンベルトをかけ、裾がブーツのかかと近くまであるロングコートを羽織っている。それが恰好よいのだ。 pic.twitter.com/ieY7ADOwFV
2016-04-24 15:35:09『ブレードランナー』『ブレイド』『アンダーワールド』…何故か、近未来を舞台にした映画の主人公、特にアメコミ原作のヴァンパイアのヒーローたちは漆黒のロングコートを身にまとうのが好きだが、そのルーツはマカロニウエスタンだ。
2016-04-24 15:35:53アレルヤはマクシミリアン皇帝圧政下のメキシコで、ミシンGUNを武器にロングコートを颯爽と翻しながら活躍する。全体的におバカな脚本、復讐も陰惨な残酷描写もなく無暗に明るいストーリー展開、粋と言うよりは気障で過剰なギャグを盛り込んだ演出がウケて、『続・荒野の無頼漢』も作られた。
2016-04-24 15:36:46アレルヤの魅力はよりやり過ぎなコミックスの世界に近いハチャメチャさにある。脇を固めるキャラクターも、ロシアの王子を自称するバラライカを抱えたコサック、尼さんに化けた合衆国の美人スパイなど、これは『ルパン三世』の世界観に通ずる痛快さ。 pic.twitter.com/IIkPTwoElQ
2016-04-24 15:37:53今までマカロニウエスタンのトレードマークとなっていた残酷描写、ハードボイルド、スタイリッシュな演出はわずかに残しながらも、何も考えずに観るにはもってこいの作品で、ジョージ・ヒルトンはそのキャラにぴったりとはまっていたのである。 pic.twitter.com/lsyPYb2IGT
2016-04-24 15:38:44何しろ彼の武器は、ミシンGUNだ。見た目がミシンなのである。特に意味は無い。ハンドル部分を回すとバリバリと糸巻部分から弾丸が飛び出し、メキシコ政府軍兵士は皆殺しだ。 pic.twitter.com/Lk3k5uZzZ7
2016-04-24 15:39:33滅茶苦茶ではあるが、『サルタナがやって来る』で重火器“皆殺しオルGUN”を持ち出したサルタナ、日傘に全自動マシンガンを仕込んだ『増える賞金、死体の山』のコーランよりは説得力がある。わずかだが。 pic.twitter.com/oikOOpycVT
2016-04-24 15:40:23根が真面目なフランコ・ネロのように、コメディタッチの役柄を演じるとイタく見えてしまうこともなく、硬軟の演技力を併せ持つジョージ・ヒルトンならではの愉快なキャラクターだったが、惜しいことに2作品でバージェス頁岩の中に消失してしまった。 pic.twitter.com/D5ZMYEkwTo
2016-04-24 15:41:13