境ホラモンハンパロ（@jinbabue）

火消しの風ジンバブエ@夏コミ2日目東チ14b @jinbabue

ただし、それだけでは当然素人のままであり、そんなハンター未満が意気揚々と狩りに出掛けて、小型鳥竜種に返り討ちにされ、命を落とすケースも珍しくはない。 その為に協会は訓練所を設置し、ハンターの育成と啓発活動に力を入れているのだ。 #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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それでも、中には訓練所を経ず、すぐにハンターとして活動したいという者もいる。 そういった者には各地のギルドへの紹介状を発行し、現地のハンターに教官役を任せているのだ。 メアリはそういうケースでハンターになった人間だった。 #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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やはり訓練所を経るべきだったのか、そうメアリが考えていると ｢……酒井様、若い女性をジロジロと凝視なさるのは良い趣味ではないと判断致します。――以上｣ 酒井と呼ばれた男性の後ろに立っていた、長い耳が特徴の、竜人族の女性が半目で酒井を嗜めた。 #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢いやいや"武蔵"さん、俺別にそんな趣味無いよ？ギルドマスターの仕事してるだけなんだから、偉いでしょ？｣ 酒井は、飄々とした態度で"武蔵"と呼んだ女性に反論した。 #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢この程度の仕事ならば誰でも出来ると判断出来ます。大体先日、ロックラックとバルバレのギルドマスターがお見えになられた際、朝から晩まで飲んだくれて、翌日二日酔いになったのは何処のどなたでしたか――以上｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢それ今関係なくないかなぁ。ていうかそんな言うなら"武蔵"さんがギルドマスターやれば良かったんじゃない？竜人族なんだし｣ ｢総合的に判断しまして、この"武蔵"より酒井様の方がギルドマスターに適任だと判断して推薦したまでです――以上｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢あ、あのぅ…酒井学長？"武蔵"殿？｣ メアリの傍らに居た点蔵が、居たたまれなくなって思わず声を出した。 ――この二人の痴話喧嘩を延々と聞かされるのは精神衛生上よくないで御座るよ！ ｢お？おお、すまないすまない｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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酒井は受付カウンターに向き直り、｢承認｣と書かれた大きな印鑑を紹介状にポンと押した。 ｢よし、メアリ・スチュアート君、これで君は我がムサシ・キャラバン所属のハンターになった。おめでとう！｣ ｢えっ、そんなんでいいので御座るか！？｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢アバウトにも程があると判断出来ます。――以上｣ まぁまぁ、と酒井はメアリに向き直って ｢では改めて自己紹介しようか。俺はこのムサシ・キャラバンのギルドマスター、酒井・忠次だ。宜しく頼むよ｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢酒井様の秘書官を務めます、"武蔵"と申します。主な仕事はぐうたらな上司の代わりに業務百般を請け負う事です。以後お見知り置きを。―――以上｣ ｢は、はい！此方こそ宜しくお願い致します！｣ メアリは深々と頭を下げた。 #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢ところでメアリ君、君は訓練所を出ていないんだったね。そうなると教官役が必要になるなぁ…｣ 顎に手を当てて酒井は思考する。それに答えたのは"武蔵"だった ｢酒井様、目の前に適任の方がおられると判断出来ますが。――以上｣ ｢ん？と言うと…｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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目の前にいる教官役に適任の人材。そう言われて、酒井は正面を見やり ｢ああ、成る程｣ 納得した。 ｢それじゃ点蔵、お前今日からメアリ君の教官役ね｣ ｢え…えぇぇぇぇぇ！？じ、自分で御座るか！？｣ 点蔵は困惑した。 ――自分が、メアリ殿の？ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢お前面倒見いいし、教えるの上手いじゃない。こんな綺麗な女の子に手取り足取り教える機会なんて滅多にないよ？それともお前ホモなの？｣ ｢んなわけないで御座ろう！｣ 寧ろメアリにマンツーマンで指導するなら望むところだ。手取り足取り腰取り…いやいや。 #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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しかし、さっきまで異性と手を繋ぐどころかロクに話した事も無い身、しかもメアリというどストライクで理想の金髪巨乳と一対一となれば、絶対緊張で噛むに決まってる。 ――ウチにも女衆はいるが、あれは女と認識出来ない外道共で御座るからな、うん。 #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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さっきは澱み無く会話出来てたような気がするで御座るが、あれは緊急時で思考も回って御座ったからなー… メアリと二人きりにはなりたい。しかし盛大に噛むのを聞かれるのは避けたい。如何様にするべきかと考えていると、メアリと視線が重なった。 #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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眉をハの字に曲げ、メアリが不安げに此方を見上げている。それだけで点蔵は心臓を押さえて白旗を上げそうになった。 ｢や、やっぱりご迷惑ですよね？私なんかに付き合わされるなんて…｣ ｢い、いや！そんな事はのう御座る！のう御座るよ！！｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢さ、酒井学長！この点蔵・クロスユナイト、メアリ殿の教官役、慎んでお引き受け致すで御座る！！｣ ｢お、やってくれる？いやぁ良かった良かった、お前さんならやってくれると思ってたよ｣ ――何か物凄くハメられた気がするので御座るが。 #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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酒井はメアリの方に向き直り ｢そういう訳だから、これから分からない事があったら何でも点蔵に聞くといいよ｣ メアリの表情が綻んだ。 ｢は、はい！点蔵様、宜しくお願い致します！｣ ｢J、Jud.此方こそ宜しくお願いするで御座る！｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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金髪巨乳と黒づくめの男がお互いにペコペコと頭を下げ合う光景はなかなかにシュールだった。 ｢取り敢えず後の事はこっちでやっとくから、メアリ君はウチのキャラバンを見学してくるといい。ついでにウチの連中に挨拶してきたらいいよ｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢はい！これからお世話になります！！｣ ｢ではメアリ殿、自分がキャラバンを案内するのでこちらへ｣ メアリが点蔵に伴われて集会所を出ていくのを見ながら、酒井は一言呟いた。 ｢――これからまた、賑やかになりそうだねぇ｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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集会所を出て、キャラバンの目抜通りに出た所で、メアリは点蔵に質問した。 ｢あの、先程点蔵様はギルドマスター様を"学長"とお呼びになられてましたが、それは何故ですか？｣ メアリの質問に、点蔵は軽く思案してから回答した。 #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢酒井様は現役時代、非常に高名なハンターで御座ってな？引退されてギルドマスターになられた際に、ハンターとしての教えを乞おうと多くのハンターが酒井様の元に集まったので御座る。しかし、酒井様は人に偉そうに物を教えるのを好まぬ方であったので｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢ただ一つ、"狩猟に於いては頑張るな、努力するな、ハンターとして己の学んできた事を全力で出しきるんだ。それでも駄目なら必ず生還し、次に繋げる事"だけをお教えなされたので御座る。で、それに薫陶を受けた先達たちが、このギルドを学校に見立て、｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢敬意と親しみを込めて、酒井様を"学長"と呼ぶようになったのが定着し、今でも習慣づいているからで御座る｣ ｢そうだったのですか…あ、あと、先程から何度か使われている"Jud."というのは？｣ ｢それは自分も詳しく知らぬので御座るが…｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ

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｢ウチのギルドは昔、何やら"曰く付き"だったようで御座ってな？その頃に了解や同意の意味で使われていた返答が"Jud."だったそうで御座る。まぁその頃の名残で今も残っているので御座ろうな｣ ｢そうなのですか…お教えくださって有難う御座います！｣ #取り敢えず続く境ホラモンハンパロ