【元朝日記者】北星学園は学問の自由や大学を守れたか?非常勤講師契約更新から考えたい、自分は何が出来るか。
- JYOBANNI999
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朝日新聞元記者の植村隆さんの雇用を継続するか否かで揺れた北星学園大学を9月以降、取材してきました。昨日、大学側が植村さんとの来年度の非常勤講師契約を更新すると発表しました。取材を通じて個人的に思ったことを少し書きたいと思います。
2014-12-18 14:01:26北星学園大学に対する支援の輪が広がったのは素晴らしいと思います。ですが、個人的に少し違和感があったのが、「もし大学が植村さんとの来年度の契約を更新しなかったら、北星は学問の自由や大学の自治を守れていない」という考えを強く思っている人が支援者の中にいたことでした。
2014-12-18 14:06:49田村信一学長をはじめ、抗議電話やメールを「前線」で受け止める職員の皆さんの苦労は取材を通じて伝わってきました。学長は10月末の記者会見で、現状の契約(今年度末まで)の契約は守る、ということを断言した上で、地方の小さな規模の大学の「体力」を考えたらどこまで耐えられるかという不安
2014-12-18 14:10:32についても正直に、胸の内を語ってくれました。支援団体は表向きには、植村さんとの雇用契約を最終判断するのは大学であり、結果が継続になるにしても、不継続になるにしても大学を支援するということを言っていましたが、個々のメンバーの中には「雇用継続しかない。(続く)
2014-12-18 14:13:08それができなければ大学として情けない」という趣旨のお考えを持った方もいました。確かに、学問の自由、大学の自治を守るために脅迫に屈せず、契約を継続するんだと断固主張できればそれは強い人だと思いますし、理想的だなと思います。あこがれます。ですが、私自身弱い人間だからだと思いますが、
2014-12-18 14:15:25人はそんなに強くなれないのではないか、というのが正直な気持ちでした。情けなくてすいません。学長は大学トップとして、大変高度な判断を求められたと思います。学生や大学の安全管理を慎重にも慎重に考え、しかもそれを優先するのは当然だと思いました。一方で、キリスト教という建学の精神
2014-12-18 14:17:13北星学園大の関連で取材をしていると、一連の問題にからみ、批判と同時に「激励」を受けることがありました。「間違いはどんな組織にもある。ひるまず頑張って」「バッシングなんて気にすることないから。どんどん昔の朝日のように鋭く突っ込んでよ」などなど。「激励」してくれる方々の多くが(続く)
2014-12-18 14:22:50個人的にはかなり「リベラル」(すいません、どういう用語を使っていいのかわかりません)なお考えを持った方のようにお見受けしました。激励はありがたいのですが、同時に違和感もあったし、ある種の同調圧力のようなもの(これも能力不足でうまく言語化できません。すいません)を感じてしまいました
2014-12-18 14:25:37違和感、なんでしょうか。誤解を恐れずに言えば、「朝日を批判している人たちは単なるバッシングでよくわかっていない人だから聞く耳を持たなくていい」という趣旨に聞こえたのです。ここで感じたのは、何というか、「リベラル」という側の人たち?、勢力?にある不寛容のような感じでした。
2014-12-18 14:28:12こういう人たちのためだけに、私は記事を書き続けることが適当だとは思いませんでした。そう期待している人たちがいたらごめんなさい。でもその期待には答えられそうにありません。朝日のコア読者でなく、朝日を読んでない人、批判する人にもちゃんと提示できる(例え批判されても)ものを書きたいし、
2014-12-18 14:32:07書くべきだと思いました。「バッシングなんて気にするな。そんなの放っておけばいい」と言ってくる人たちに「取り込まれる」ことの、何というかある意味の「怖さ」を感じました。
2014-12-18 14:34:20話を北星学園大の件に戻します。この取材を通じて、植村さんとも何度も会いました。私は当初から、特集記事が出ても多くの批判、抗議、疑問が投げかけられている以上、朝日のしかるべき立場の人間同席で、植村さんがご自身の口で説明を尽くすのがいいのではないかと個人的に思っていました。
2014-12-18 14:41:54そしてこの考えは、取材チームを通じて社内でも、また植村さんにも度々伝えました。秋以降、植村さんは小さな集会などに出て自ら説明したり、最近では植村さんは文藝春秋に手記を出されたりしています。ですが、集会に参加される方は基本的には多くが朝日「シンパ」の方々のようでした。
2014-12-18 14:45:20植村さんの言葉を本当に届けるべきは、そうしたインナーサークル的な人たちではなく、別の人たちではないか、と個人的には思っています。たとえさらに批判されたり、納得を得られなかったとしても。記者会見を一記者の私がご本人や会社に「強要」できることではありませんし、そんな力もありません。
2014-12-18 14:47:27とにかく事態を見守りつつ、私個人としては、一連をことを受けて自分が何ができるか、自分のこととして引き受けてやっていくしかないと思っています。以上、少しだけと前置きしつつ、長々となってしまい、失礼しました。
2014-12-18 14:48:52