2015/01/15李信恵さん支援集会で語られた事

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

今日は4人の在日コリアンの話を聞いた。裁判で意見陳述をした李信恵さん、支援集会で語られた中村イルソン一成さん、金稔万さん、金満里さん。いずれも、マイノリティを見つめてきた在日の表現者たちによる、明快で力強い主張だった。聞き逃した人たちは、ちょっと損をしたね。

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話を聞きながら何度強く頷いたかわからない。このところ、《話が通じない》ことにフラストレーションを抱えていただけに、手放しで「その通りだ」と頷きつづけられたのはすばらしい体験だった。リアルタイムでメモは取っていなかったので、記憶を反芻しながら、頭の中にあることをメモしておきたい。

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中村一成さんは、在日の裁判史を振り返りながら、（1）それらが「非対称性」との闘いであったこと、（2）「犠牲者非難」との闘いであったことを説明した上で、（3）裁判を闘った亡くなられた先輩方に、尊厳と正義をお返しするという鎮魂（と社会規範の再生産）のあり方を論じた。

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「非対称性」というのは、例えば同じヘイトスピーチに接しても、マジョリティはただ「不快」になるだけなのに対して、当事者は生存にかかわる危機感と恐怖を覚えたりする。ところが、被害と不法行為を認定する裁判官はマジョリティだ。被害が非対称的だという認識の時点から、すでに闘いになる。

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「非対称性」は差別の本質でもある。ぼくがアイデンティティ・ポリティクスという言葉で表現しようとしてきたのも、「非対称性との闘い」を可視化するひとつのアプローチだ。同じ困難に向き合っている言葉に触れて、意を強くした。「被害」を「被害者意識」に矮小化するような阿呆共に百回聞かせたい。

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

金稔万さんはドキュメンタリー作家であり、本名裁判を闘った人物。彼は、《壊れた正義》と闘って、やりたい事をやれる、まっとうな社会にしようと訴えた。

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《壊れた正義》とは、NHKを相手に本名で呼ばれる権利を訴えて裁判を起こした崔昌華牧師の娘さんが語った言葉で、「マイノリティを事実上排除していながらそれを隠蔽する欺瞞に満ちたマジョリティの正義」ぐらいの意味。

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

裁判所に象徴されるマジョリティの権威が《壊れた正義》を支えている以上、それと闘うためには、（それに抑圧されている人々が）みんなで一緒に団結しなければならない、と強調した。

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金満里さんは、劇団変態を主宰するアーティストで、身体障害者の在日女性。李信恵さんが裁判に訴えている複合差別の問題については、この方ほどたくさんの論点を知っている方は少ない。

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

ああっ！ なんということ（汗） RT @yongsugi: @han_org 確か劇団態変ではなかったですか？

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

劇団態変プロフィール taihen.o.oo7.jp/main/jprofile.…

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

金満里さんは、いささかトリッキーなことに、「日本人のことは信用できない」という。その言葉を聞いて壁を感じた聴衆もいたようだが、ぼくが理解したところでは、彼女のメッセージはかなり違う。むしろ逆なんだよね。

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

彼女のメッセージは、（1）マジョリティとマイノリティは差別や抑圧の経験も大きく異なるし、したがって被害事実の見え方すらも異なる。だから、簡単には、理解しあうことはできない（＝イルソンさんのいう「非対称性」の問題）、

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

（2）だからこそ、何でも言い合えるような関係が必要で、お互いの「常識」を一枚一枚引き剥がすような、息の長い、周到な議論が必要だ、（3）そのためにも、むしろ、根源的なところで人を信じることが重要だ、というものだったろう。

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

マジョリティを信じては裏切られ、それでもなお、人を信じて議論を続けてきた人にだけ発することのできる、じつに重たい台詞だよ。

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

ぼくら研究者は、同じことを、相互の甘えた「信用」によって結ばれる閉塞的な関係性を脱却し、見知らぬ他者に対する「一般的信頼」によって結ばれるオープンな関係性を構築すべきだ、みたいに表現したりする。（「信用」と「信頼」は山岸俊男先生の用語法）

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

同じロジックを語るのでも、ぼくらアカデミアの無機的なレトリックが、金満里さんの表現によってじつに…なんというのかな、どしーんと響いた。ような気がする。

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

さて、以上、支援集会の3名の主張の中では、在日史というか、マジョリティとの闘いの歴史みたいなものへのリスペクト、が共通して強く訴えられていた。もう、ホントそれ。複合差別の要素を除けば、そこにすべての解答がすでにあるんじゃないかと思うぐらい。

金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

以上、今日の裁判と支援集会で語られたことが、できるだけ多くの方に伝わることを期待してのメモ。

こいけた七味 @k15m

『反ヘイトスピーチ裁判』@大阪地裁 今日、誰も知った人のいない裁判を傍聴した。ひとりくらい来るのかなと思っていたけど、誰も来なかった。平日の昼間だものね。 もちろん支援者の方たちは雨の中たくさん詰めかけていて、大法廷は満席だった。部外者は、たぶん私ひとりだったんじゃないかな。

こいけた七味 @k15m

『反ヘイトスピーチ裁判』@大阪地裁 この裁判は、在特会並びに保守速報からの度重なる差別発言に対し、在日コリアンの女の人が損害賠償を申し立てたもの。 今日は保守速報に対する第二回公判で、告訴したご本人の意見陳述。すべて聞き取れたわけではないけれど、あまりのひどさに怒りと悔しさが…。

こいけた七味 @k15m

公判後、支援する集まりがあった。まったくの部外者だけれどどうぞ参加をと言っていただき、隅っこへ。 ひりひりする話が続く。 申し訳ない、などでは追いつかない。 謝るどころの話でもなく。 私たちは、なんてことをしてきたのだろう。 私たちは、なんてことをしているのだろう。。

こいけた七味 @k15m

三人目の発言者の芸術家の方のことばが、たまらなく堪えた。 「私は日本人を信じていません。 だけど、それでも人間としてお互いに信じて、お互いに本音を一枚一枚はがしていって、芯なんてないのだから、いっしょにつくっていく。 それしかないのではと思います」 (記憶違い、ご指摘を…)

KITAGAWA Tomoko @tomo_jihyang

今日はこの裁判の傍聴＆支援集会に行ってまいりました。 反ヘイトスピーチ裁判　rindashien.tumblr.com/post/101493815…