#トラ泊神戸支部～迷子妖精編④

ですか @desuka_desuyo

前回のあらすじ 潜水艦ズ「出番キタコレ！」 漣（出番なし）「それ私のセリフ……」 #トラ泊神戸支部

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「この子は――」 そこまで言って、真面目な表情をしていたしおいはニヤリと笑みを浮かべた。 「さて問題です！この子は何妖精さんでしょう？」 「え゛っ！？クイズ形式なの？」 「そうなの！提督も青葉ももうちょっと頭使うのね！」 そう言ってイクがニヒヒと笑う。 #トラ泊神戸支部

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「どうします、司令官？」 「どうするか聞かれても、考えるしかないだろう」 「そこ、コソコソ相談しない！予想ぐらいは立てれるでしょ」 青葉と相談しているとゴーヤに文句を言われてしまった。う～ん、どうしたものか。青葉も腕を組んで悩んでいるようだった。 #トラ泊神戸支部

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「潜水艦ですし、魚雷ですかね」 「魚雷だったら青葉が妖精さんと喋れないのはおかしいんじゃないの？」 イムヤの指摘に青葉が唸る。そうだ、潜水艦しか装備できないものなのだ。 「じゃあ艦首魚雷とか？」 「それだとイク達だけしかつめないのね」 #トラ泊神戸支部

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「はっちゃんたちが使えて他の艦娘でも使える装備。こうなったらもう答えは決まってると思うのだけれど」 はっちゃんの言葉で一つの装備が思い浮かぶ。青葉も何か思いついたのか、ハッとした表情をした。 「甲標的か」 「正解でーす」 俺の答えにしおいが笑顔で正解だと告げた。 #トラ泊神戸支部

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「甲標的だと潜水艦以外ですから水上機母艦か雷巡になるでしょうか」 「ふふ～ん、それはゴーヤたちに任せるでち。さぁ行くよー」 ゴーヤの言葉に合わせて潜水艦娘たちが俺たちを先導するようにして歩き始める。青葉と二人でついていくと、たどり着いた先は軽巡寮であった。 #トラ泊神戸支部

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「雷巡の誰か、だな」 「そうですね」 潜水艦娘たちの様子を後ろから眺めつつ青葉とそんなやり取りをしていると、どうやら目的の部屋にたどり着いたようだった。 「ここなのね！」 #トラ泊神戸支部

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イクが指差す先にあったのは球磨型と書かれたドアプレートであった。球磨型は過去に雷巡へと改装されていた北上、大井とされなかった球磨、多摩、木曾とで二つの部屋に分けられている。このプレートは球磨、多摩、木曾の三人部屋の方のものだ。 #トラ泊神戸支部

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「おじゃましまーす！ってうわぁ！」 球磨型の部屋へと雪崩れこんで行った潜水艦娘たちが悲鳴をあげる。慌てて中の様子を覗き込むと球磨型の部屋は見るも無残な惨状と化していた。 「げっ！提督がいるクマ！」 「な、ちっ、違うんだ提督！」 #トラ泊神戸支部

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「そうにゃ！木曾の装備妖精さんがいなくなって部屋中掻きまわしてるとか、そんなんじゃないにゃ！」 「多摩！それ言っちゃ駄目クマ！」 「うにゃ！」 物がそこら中に散らばった球磨型の部屋の中心で、部屋の住人は俺が来たことに狼狽えているようだった。 #トラ泊神戸支部

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「装備妖精が行方不明なんだってな」 「だ、誰が行ったにゃ！」 「いや、姉さんだから……まぁ隠しても仕方ねーよ。そうだ、どうやら大事な装備妖精さんをどこかに置いてきちまったようだ。すまない提督。どんな処分でも構わない」 そう言って木曾が頭を下げる。 #トラ泊神戸支部

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「処分ってことはしないが、まぁ今後は気をつけろよってぐらいかな。ほら、しおい。返してやれ」 「あ、はーい！」 俺がそう言うとしおいは木曾へ妖精を手渡した。キョトンとした表情で木曾が妖精を見つめる。それも一瞬のことだった。 「うぉぉぉぉお帰りぃぃぃぃ！！！」 #トラ泊神戸支部

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妖精に頬擦りをして帰ってきたことを喜ぶ木曾を、球磨と多摩はホッとした様な表情で眺めていた。木曾の目には溢れんばかりの涙。それは妖精の方も一緒だったのか、二人で号泣しながら再会を喜んでいた。 「はぁ。ホント、もう置いてっちゃ駄目なんだからね」 #トラ泊神戸支部

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イムヤの言葉に木曾が、おぅとだけ答える。そんな二人を見守る和やかな空気は一人の言葉によって打ち砕かれた。 「それにしても木曾さんが装備妖精さんにフリフリのドレスを着せるだなんて、意外ですね。これは明日の一大スクープかな」 #トラ泊神戸支部

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木曾が驚きの表情で青葉を見つめる。 「いや、その。それはだな」 先程よりも木曾は動揺しているようだった。そんな木曾に青葉がとどめを刺す。 「まぁ、わりと何人かに聞いて回りましたから、事の顛末は知らせざるを得ませんね」 「待ってくれ！」 木曾が叫ぶ。 #トラ泊神戸支部

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「待ちません！すべてを知らせるのがジャーナリズムなんです！ということで青葉、明日の記事を書きにお先に失礼しますね」 「あおばぁぁぁぁぁ！！！」 逃げるように立ち去る青葉を逃すまいと木曾が勢いよく部屋を飛び出して行った。その様子を見ていた球磨と多摩がため息を吐く。 #トラ泊神戸支部

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「とりあえず、一件落着なのね！」 「そうだな。お前らありがとう。球磨と多摩も急に押しかけて悪かったな」 「気にしないでいいクマ。木曾には後でみっちりお仕置きしとくクマ」 木曾に対してご愁傷様と思いつつ俺たちは球磨型の部屋から出ることにした。 #トラ泊神戸支部

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「無事見つかって良かったですね」 「そうだな」 「イクたち大金星なのね！てーとく、ご褒美なのね！」 「そうだな……ってなんでそうなる！？」 「ゴーヤ、間宮さんのアイスが食べたいな」 「あー、私もー」 五人に囲まれてアイスアイスと強請られる。 #トラ泊神戸支部

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「仕方ないな。今日は特別だからな」 「「「「「やったぁ！」」」」」 俺は、後で木曾の給料から間宮代差引いておこうと誓ったのだった。 #トラ泊神戸支部

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トラ泊神戸支部～2nd season 迷子妖精編④ ～完結～ #トラ泊神戸支部

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2月頭でトラ泊神戸支部も1周年となります。そこで今まで取り上げられてなかった艦娘たちに着目した短編を書いていきたいと思います。この娘の話が見たい、読みたいというのがあればリプして貰えたらなと思います。 #トラ泊神戸支部 #リプきた艦娘について短編書く

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ただし現在保有していない艦娘につきましては書けないので、その点だけはご了承お願いします。 #トラ泊神戸支部 #リプきた艦娘について短編書く