20150207 #ETV 特集「住民帰還~福島・楢葉町 模索の日々~」
まもなくOA。ETV特集「住民帰還~福島・楢葉町 模索の日々~」。原発事故で全町避難を続ける楢葉町は、この春にも町長が帰還の時期を表明するとしている。しかしそこにはいくつもの壁が立ちはだかっている。寺の住職、大工の棟梁など奮闘する住民の姿を半年にわたり記録した。Eテレ23時から。
2015-02-07 22:50:58#etv 特集「住民帰還〜福島・楢葉町 模索の日々〜」松本町長は、今年の春には住民が帰還する時期を表明するとしている。人口7500人の町。原発から20km圏内のため、国の避難指示が出ている。原発から近い割には放射線量が低い。除染が進んだことで、線量50%削減を概ね達成。
2015-02-07 23:02:26#etv 3年以上放置していた家は荒れ果て、そのままでは暮らせそうにない。大工の棟梁、猪狩さん。避難している人達から、家の修繕や立て直しの注文がひっきりなし。山寺の和尚・早川さんは、放射線測定器を持ち歩く。室町時代から続く寺は、荒れるに任せるしかなかった。
2015-02-07 23:03:58#etv 早川さん「廃屋同然ですよ。家の中もね。庭見てくださってもわかるでしょ。すべて…すべてご破産にされてね、今将来への展望も開けないままで過ごしているわけで」
2015-02-07 23:05:04#etv 宝鏡寺住職の早川さん75歳。朝夕の勤行を欠かしたことはなかったが、今ここで経を読むのは避難先から帰ってきた時だけ。原発事故で墓に納めることができなかった遺骨が並ぶ。御本尊は早川さんと共に避難した。檀家は130軒。どんなに避難生活が長引いても、ここを捨てられない。
2015-02-07 23:07:26#etv 福島県いわき市。御本尊を分解して、2DKのアパートで守ってきた。「全戸に泥棒が入る。それで、仏像持っていかれたら大変だ、って思って。持っていこうとしたら簡単だから」「楢葉町は除染をすれば住めるはずだから。100%復することがなくても、半分でも1/3でも残そうと」
2015-02-07 23:10:14#etv 早川さん「俺たちの年代、世代っていうのは、町長さんの年代も含めて、人柱にならなくちゃなんねえべ、と。その時代の人達が一所懸命環境を整えてくれたから、また再び住めるようになったな、と」
2015-02-07 23:10:58#etv 大量の放射能を含んだ雲は、楢葉町と反対の方向に向かい、放射線量は低くなった。国は住民の帰還を推し進めようとしている。しかし、住民が安心して帰還するための条件は線量だけではない。去年7月30日、ネズミの駆除に関する説明会が行われた。住民の留守にネズミが大量発生。
2015-02-07 23:12:28#etv 参加者のひとり、猪狩洋子さんの家。夏、掃除をするために帰ってくると、家に何者かが住み着いている気配を感じた。「音するんですよね。その辺でカタカタカタッていうような。天井裏からドサッと落ちるような音がして、その後、トントントントンっていう、人間が歩くような」
2015-02-07 23:14:01#etv 去年夏、家の修繕を行う風景が多くなりはじめた。町内の2800戸のうち2000戸は何らかの修繕が必要。東電が修繕費用を補償することになっている。猪狩棟梁65歳、家の人達のために100軒以上の家を建ててきた。ある家では家族が避難した間に70匹以上のネズミが発生した。
2015-02-07 23:16:10#etv 複数の現場を掛け持ちでこなす猪狩さん。仮設住宅の建設に追われたあと、今度は家の修理の注文が殺到。必要な職人を手配するのも大変。楢葉町にある猪狩さんの自宅。震災から3年半放置していたため、ひずみが出て、ふすまや障子の開けたてができない。土台から手を加える必要が。
2015-02-07 23:17:51#etv 猪狩さん、年老いた母が認知症に。この家に連れてきても、自分の家と認識できない。それでも、家族が揃ってここに帰ってきたいという猪狩さん。「他やってっからな、自分の家は後回しだ。(やっと自分の家のことができる?)多少ね。今日かぎりだよ」
2015-02-07 23:19:21#etv 住民帰還への動きが加速したのは、春から夏にかけて。5月28日、松本町長が初めて帰還の時期に言及。6月2日、町役場が一部を戻した。7月31日、仮設の商店街オープン。楢葉町では、国による除染について、除染検証委員会を設置。児玉龍彦教授も。徹底した安全対策を国に求めた。
2015-02-07 23:21:35#etv 住民の安全を確保するため、民間からも協力する動きが。安斎育郎さんを中心としたプロジェクトチームが、国の除染が終わった場所を再測定。現地案内人を務めるのは、早川住職。長年懇意にしてきた安斎さんに調査と助言を求めた。除染後の屋敷林に入ると、1μSv/時超えも。
2015-02-07 23:24:49#etv 土がむき出しになると線量が上がった。落葉を取り除き、深さ5cmの土を採取して計測する。1kg当たり4万ベクレルを越えた。国が責任をもって管理しなければならない指定廃棄物に相当する。「腐葉土の中間層なんです。重機が入らないから国もやりたがらない」
2015-02-07 23:26:34#etv 「当面は立ち入り制限をしていくしかしょうがないですね」早川さん、調査結果を手に町役場を訪ねた。原発について役場を批判もしてきたが、今は復興のために役場に協力していく。「こういうことを踏まえてどうしていくか。例えば、学習会みたいなことをやってもいいと」
2015-02-07 23:28:14#etv 8月13日、宝鏡寺。この時期は特例として町内での宿泊が認められていた。早川さん、墓参りに来る人達を迎えるため、事故後初めて寺に泊まりこんだ。1年に1度しかここに戻って来られない人たちもいる。「住職さん、うちのお墓、家出しちゃった」「そんな話聞いたことねぇ」
2015-02-07 23:30:11#etv 妻の千枝子さん、大量のペットボトルの水を持ってきていた。「ご飯炊くにしても何にしても。大丈夫だとは言うんですけども、町民誰も信用してません。ダムのところから引いてるんですけども、水面から1mのところで測って大丈夫って言うけど、町民は誰も信用してません」
2015-02-07 23:33:52#etv 木戸ダムでは、周囲から土砂が流れ込み、底の土が放射性物質に汚染された。しかし、国は除染を行わない方針。一度土壌に吸着されると容易に流れ出ないという。水道水から放射性物質が検出されたことはない。10月4日、環境省の説明会。追加的な除染の進め方についてだったが。
2015-02-07 23:34:56#etv 住民の質問は木戸ダムに集中。住民「ダムの湖底に、おそらく10万ベクレルくらいあるんでしょ、そいつを除染する考えがないみたいなんですけど、あれをあのまま残しておけば、水を飲む形にならないんじゃないか」環境省「飲んでいただいて100%大丈夫です。言い切れます」
2015-02-07 23:36:10#etv 環境省「今の形で(撹拌しないよう)ダムの中に沈めておくということが、一番安心安全できる対策だと我々申し上げております」住民「安心安全といって、原発爆発したじゃないですか。信用できませんよ」除染検証委員会は、除染しないなら24時間線量を測定すべきと国に要求。
2015-02-07 23:37:36