- platon_dorothea
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ようやく時間がとれたので、なんとか年内に『ぷらとんとアリストくれす ~ボードゲームの批評理論~』を読み終えることができました。当初の予感どおり重要な内容の大作で、おもしろかったです。タイトルは『ボードゲームの批評理論 〜価値の接合点〜』とかだとよかったんじゃないかな。 #藤本読了
2014-12-31 18:56:53内容の簡単なまとめ。ゲーム内の勝利に近づく価値を「公理価値」、プレイヤーが独自に感じるゲーム外の価値を「主観価値」と呼び、それが一致することを「価値の接合」と呼ぶ。そして、ゲームというものにはルールが規定する決定木が存在しているが、(続く)
2014-12-31 19:00:27(続き)プレイヤーはそれを自己内の「価値の接合点」にもとづいて分節化し、自分にとっての決定木を作っている。ゲームの理解が進むにつれ、接合点が変化して自己内の決定木が高度化していき、その過程がゲーム体験の深みとなる。なので、「公理価値」と「主観価値」がうまく一致するゲームがよい。
2014-12-31 19:03:06実際の内容はもっと多岐にわたります。「ゲームの存在意義はプレイヤーを楽しませることである」とか「ゲームには単純な運と他のプレイヤーの選択から生まれる複雑な運がある」とか、すばらしい知見がたくさんある。『あやつり人形』『ごきぶりポーカー』『コロレット』他のゲームの分析も豊かで的確。
2014-12-31 19:07:07個人的には、「主観価値と公理価値が接合しているよいゲームでは、プレイヤーを自律的に勝利に向かわせることができる」という部分が勉強になりました。自分がRftGのようなVPつきのカードを好まない理由が明確になりました。あと「アグリコラではみんな同じような農場を作らされる!」とかね。
2014-12-31 19:11:32価値の接合点による決定木の変化の過程というのが重要なのでもう少し内容を詳しく引かせてもらいます。『コロレット』では7色のカードがあり、本来の決定木ではそのとおりに7通りの分岐が存在しますよね。でも初心者は「自分が集めてる色」「それ以外」の2通りの分岐しかない決定木を持つ。(続く)
2014-12-31 19:16:12しかし習熟するにつれて、点数が階差数列であることを理解したり、相手にとって現在の場がどう評価されるかを考えられるようになったりして、これまで見えていなかったゲーム内の「公理価値」が自分にとって意味のある「主観価値」にもなり、「価値の接合点」が変化して決定木が高度化していく。
2014-12-31 19:18:36