第16回短詩会 入選作まとめ #短詩会
- silossowski
- 1693
- 0
- 0
- 0
〈「愛に」って打つべきところ「死に」と打つ、ぐらいの雨に打たれて帰る〉 内包しているものが良かったかもしれないけれど「愛に」「死に」の言葉が強すぎてかすんでしまった。これはいただけばよかった。後悔。
2015-03-09 23:02:18〈気まぐれに降りたる駅のにぎわいは夢でみる街街で見る夢〉 散りぬべき時知りてこそ人の世の花も花なれ人も人なれ、的な作品があったかと思いますが、五七五七七の後半七七はうまいこと言ってしまうとびったりと収まってしまう感じがあるので、その誘惑といかに戦うべきかに課題を感じています。
2015-03-09 23:06:40〈救世主たる私早起きをして洗濯機と世界を回す〉 〈洗濯〉などの日常ワードに大袈裟な語彙をもってくることでなにかを表現しようという試みがあちこちで観測されるので、これは磨けば詩になっていく思想だと思います。新川和江「ローズウッドの食卓」文頭の〈お醤油もこぼしたが、涙もこぼした〉から
2015-03-09 23:09:17〈作文であやつられたるぼくたちの作文ほどの幼い自決〉 〈自決〉が〈自決〉であるためには〈作文〉が〈作文〉であるわけにはいかず、〈作文〉を成立させたいなら〈自決〉は強すぎるという矛盾が気になりすぎました。
2015-03-09 23:11:31〈女児かなしはるけき国の春暖炉〉 これだけいただこうか激しく迷いましたが、五七五の形式と〈春暖炉〉という季語から俳句として認識。俳句として読む場合は〈かなし〉が結論になってしまっている上、〈女児〉〈はるけき国〉〈春暖炉〉と物が多く、魅力もわかりやすかったので取ることは断念。
2015-03-09 23:12:54〈スポーツを観戦してるみたいだねルールわかれば楽しめるのに〉 自己完結。自己完結を目指して自己完結をすることは立場として成立していると思いますが、自己完結に他人を巻きこんでも他人を益しないという不安から肯定はできず。
2015-03-09 23:14:01〈19歳苦手なものは朝ごはん盛りのついたシマウマのよう〉 〈朝ごはん〉と〈シマウマ〉という題材、そのおもしろみだけで作品として成立させるのは危うい。しかしおそらく「朝ごはんとシマウマっておもしろくね?」という遊び心だけの作品ではないので、どっちかに振り切るとあるいは脱皮が起こるか
2015-03-09 23:15:32〈ザッハトルテ、チェリーとブルーベリーのタルト、二段重ねのチーズケーキ〉 すべてがいやになったのでいっそ素敵なものだけを並べてしまえとつくってみたが、肯定はされなかったようだ。
2015-03-09 23:16:10〈当店のアイスクリームの特徴は「味変わります」「胃をすり抜けます」〉 わけがわからないので強い分析にかければなにかが得られるかもと思ったが、精査のコストと手に入るものが見合わない気配が濃厚だったので切り捨て。
2015-03-09 23:17:03〈ないはずの場所と人とでないはずのないはずのない鳥を飼う夢〉 面白い言葉遣いは「面白い言葉遣いって意味無いんだな」と知るために何回かやっておく必要があるという話を聞いたことがあります。面白い言葉遣いは意味無くても極めれば何かにはなるのでその気があるなら学んでも良さそうだけれど……
2015-03-09 23:19:01〈春の夜の都市伝説になりたくてハンカチ持たずに公園に行く〉 映像や物語の切り抜きで、オープニングとしては成立しそうだけれど短歌として成立はしない気がした。
2015-03-09 23:22:09〈初夏の砂糖菓子の浴びる月光を教えてくださいエリック・サティ〉 ほんとうは〈エリック・サティ〉ではなく〈ジムノペディ〉にしたかったけど音の問題で断念。これがなぜ無点だったのかはわからないので課題。
2015-03-09 23:23:01〈流体の複雑さを知る午前二時言葉も愛も渦巻き飲めり〉 〈言葉も愛も渦巻き飲めり〉という結論のせいで〈流体〉〈煩雑さ〉〈午前二時〉が噛ませ犬になってしまった。ざんねん。
2015-03-09 23:24:55