あやさな。

夏星 @natsu_hoshi

あやさな。とある夜に、早苗さんが急にお泊りしたいと言い出して戸惑うあやや。準備は万端で引きそうにない。首を傾げながらもまあいいかと家に招いて、腕によりをかけた豪勢な夕食に珍しいお酒をご馳走になる。目を輝かせながら堪能し、どういう料理なのかしっかりと書き留めてほろ酔い気分。

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すっかり寛ぐあややを見て、早苗さんにこにことご機嫌に始終笑っているから、流石のあややも気になって「それにしても、本当に今日はどうしたんですか？」とやんわり切り出す。すると早苗さんはくすくす笑って「今日は特別ですから」とよく分からない返答。早苗さんが悪戯っぽく見つめてくる。

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そんな瞳に見られて「？」といぶかしむあややに、早苗さんは「実は」と、あややのコップにお酒を注ぎながら「今日は、クリスマスイブですから」と楽しげに「はい？　何ですかそれは」「外の世界のイベントですよ」「…へえ？」俄然興味を持つあややに、早苗さんはやっぱり文さんだなぁと楽しくて。

夏星 @natsu_hoshi

「別名、恋人達のお祭りです」「ほうほ―――はい？！」「この日を好きな人と過ごすのって、女の子の夢なんですよ♪」「バッ――？！」途端、真っ赤になって狼狽しだすあややを、してやったりな顔で堪能して「ですから」と、あややの手を握る。「今日は文さんと、この夜を過ごしたかったんです」

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あやや、流石に赤面を隠せずに照れる。そっぽを向くのを早苗さんが阻止して、そのまま頬ずり。「文さん、今日はたくさんいちゃいちゃしましょうね」「……貴方の、その積極性は、本当にこちらの都合を考えませんね！」「ええ、文さんは私の事だけでオロオロして下さい」「……この」

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照れ隠し気味に怒って、あややは抱きついてくる早苗さんを、そのまま膝の上に乗せて、その手の平に口付ける。「わ！」「……じゃあ、覚悟して貰うわよ？　天狗をその気にさせたんだから」なんて艶っぽく見上げて、早苗さんその色気に赤面「……あ、文さんの癖に」「……どういう意味ですか？」

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両手で顔を隠してしまった早苗さんに、この人間、天狗をその気にさせて今更照れるとかふざけてんのかしら？　とイラッとしながら、とりあえず落ち着けとばかりにキスの雨を降らせる。早苗さんは「あー」って困った瞳を見せて「……文さんの癖にぃ」「……いや、だからどういう意味よ？！」とぐだぐだ。

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最終的に、早苗さんはすやーっと寝てしまって、あややのイライラぴーく。このまま勝手にしてやろうかとか、お姫様抱っこでしいた布団に寝かせながらイライラして思ってたら、がくっと身体が傾ぐ「……」服を掴んで離す様子の無い早苗さんを見て、はぁ、と重い溜息。苦笑して、ぽんぽんとあやす。

夏星 @natsu_hoshi

翌朝。「……お、覚えていません！　文さんとのめくるめく想い出の夜を！　大人の階段を！」「……でしょうねぇ」「あぁああ！　わ、私は何て勿体のない事を、ごめんなさい文さん！」「いいんですよ。何も泣く程に残念がらなくても（何も無かったんだし）」「……うぅ、あ、そうです！」「はい？」

夏星 @natsu_hoshi

「もう一度しましょう！」「…………はい？」「朝から、というのは流石にその、元気すぎるかなって思いますけど、お願いします！　早苗に想い出を！」「いや、しるかー！？」「では、頑張ります！」「あんたはまず落ち着け、って、ちょっ？！　あややややややや？！」　と、結局ラブラブエンドー。