茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1478回【本屋の棚の、学習効果】連続ツイート
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布施英利さん @fusehideto の『パリの美術館で美を学ぶ ルーブルから南仏まで』の刊行を記念して、下北沢の本屋B&Bで対談させていただいた。布施さん、ほんとうに面白かった! その会場となった本屋B&Bに、対談開始前に辿り着いて、棚を見始めたら、とまらくなくなってしまった。
2015-04-13 07:10:08棚においてある本が、どれも面白いのである。たまたま、対談場所は、奥の方の文芸のセクションに近かったのだけれども、どの本も「あっ、これ読みたい」とか、「どんなんだろう」と興味をひかれるものばかりで、取り出して眺めているうちに、対談開始時間になって、あわててマイクをとった。
2015-04-13 07:11:21それで、本屋B&B bookandbeer.com/about/ の木村綾子さんと話していたら、木村さんが、面白いことを言った。「うちくらいの規模の本屋だと、新刊も、せいぜい一つの本一冊くらしか配本されないので、こちらから、いろいろ調べて、注文していくしかないんです。」
2015-04-13 07:13:19つまり、こういうことだ(ろうと思う)。普通は、日販やトーハンといった取次が、売りだされた本を適宜配本してくれる。そこには、旬の本もあるだろうし、ベストセラーもあるだろうが、一方で、どこの本やさんも似たような品揃えになり、個性が薄くなり、全体として印象が弱まる。
2015-04-13 07:14:32一方、本屋さんの方でキュレーションして、取次に発注すれば、最新のベストセラー、話題本のフラッシュモブ的な奔流はなくなるかもしれないが、一方で、本屋さんの趣味、嗜好が反映されて特色ある棚ができる。本屋B&Bのキュレーションは、ぼくの感覚とあっていたらしく、とにかく棚が飽きなかった。
2015-04-13 07:16:01本屋B&Bが成立するのは、学生や、演劇関係者など、文化的感度の高い人たりが集まる下北沢という街の力もあるのかもしれない。一方で、地方などでも、志の高い本やさんが、取次任せではなく、自分の目利きで棚作りをすることで、逆にお客さんや市場を育てるという機能を持ちうるだろう。
2015-04-13 07:17:17地方には豊かな自然があり、ゆったりとした生活のリズムがある。若者が定住するときに必要なのは、雇用と文化であろう。目利きのキュレーションをした本屋の棚には、学習効果がある。小学生くらいから、気の利いたやつはそういう本屋に行く。
2015-04-13 07:18:57キュレーション本屋さんが各地にできることが、日本の文化を底上げするだろう。ぼくは、本屋B&Bのような空間にもっといたいと思ったし、地方に行ってそんな本屋さんがあったら、立ち寄りたいと思うだろうし、書店には、工夫しだいでまだまだ明るい未来があることを教えていただいた。
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