そもそも、ナック作品としてもあんまり取り上げられる機会がない点、70年代唯一の忍者バトルアニメ、東條昭平監督唯一のアニメ作品(ただ調査によって実際に携わったか怪しくなってきている)という興味から見る事にしたが……
2015-05-14 11:27:43結論から先に言わせてもらうと、全24話を通して物語の進展がなかったという何とも言えない実感を抱いた。バトルもので話が進まないまま終わってしまう作品ってあったんだなぁ……と正直初めて実感した。
2015-05-14 11:28:45早い話大体地雷だった。作画はそれなりだが、ナック作品特有のトリッキーな設定やストーリー展開も見受けられず、チャー研ではないがネタ的に楽しむ要素もおそらくはない。忍者アニメとしての面白みもあったかになると基本言い難い。
2015-05-14 11:30:37と茫然自失、最終的にもともと薄かった大筋のストーリーさえ放棄してしまい結局佐助の忍びとしての物語はなんだったのか……という最終回だった。
2015-05-14 11:31:58ただ、首藤剛志さんが脚本を担当された回だけは面白かった。前述した写し絵忍者の第19話、そして今回触れる第22話「美女と巨人の二人妖術」は特に例外。正直まんが猿飛佐助を見るとしたらこの2本はおさえたほうが良い
2015-05-14 11:33:37いや、正直首藤回以外は全体的にキツかった。一応岡迫デザインのヒロインが見れる、EDが格好良いとかになると本編関係ないじゃん!的な面もある。1クールにあったお色気路線も2クールではまずかったのかほぼ見られなくなってしまった。そこは地味に残念
2015-05-14 11:34:50そんな訳でまず後半のゲストヒロインとか。左上から一平の姉(第15話)、八重、妖術使いサハトの変装(第16話)、アンジー(第20話)、妖術使いデニラとおユミ(第22話)、バテレンお雪とその変装(第24話)にしのぶさん pic.twitter.com/f5j319BJNF
2015-05-14 11:37:31この時期になると……残念ながら第20話以降は微妙な作画も見受けられてしまうか。第22話登場のデニラはマントの下は全裸というどこのスーパーラブモーションやねん!なお色気の設定だが、作画が芳しくない故に微妙……
2015-05-14 11:38:36そして最終回でのしのぶのサービスシーン。1クール目では多かった事に反しれ2クール目ではこれが唯一となる。一応最終回としての意地があったのかもしれないが作画はよろしくない。 pic.twitter.com/KSQCICyLdY
2015-05-14 11:39:43第22話……妖術使いの美女デニラが佐助の母を人質にして佐助へ挑戦を挑む。受けて立つ佐助だが、彼女の相棒でもある巨人ゴーホムには佐助の術が通用しない……! pic.twitter.com/ju8KOZ9ObW
2015-05-14 11:41:00首藤回特有の「忍者は無力」の退廃した雰囲気が漂う今回だが、特にゴーホムの設定は写し絵忍者と同じく、忍者のスペックとして、キャラクターのドラマとしても上手く活かされている。
2015-05-14 11:42:06ゴーホムに術が通用しない理由をデニラは言う。「ゴーホムの頭(知能)は生まれたばかりの赤ん坊と同じなのさ。幼稚で純粋だからまやかしの妖術や忍術に騙されない」のである
2015-05-14 11:42:43これは面白い設定だ。忍術がまやかしの術であり、よく己の体を傷つけて「お前の術は敗れた!」というお約束があるのだが、何も知らない無垢な人物がまやかしを受けつけないというネタは妙に現実味があるような……
2015-05-14 11:45:00そんな赤ん坊同然の一方で佐助や清海を圧倒する馬鹿力の持ち主のゴーホム。今utさんとの会話で思い出したがカブトボーグの篠原真之介(赤ん坊だから精神攻撃が通じないボーガー)の先駆者がそこにいたのかとボーガーとして驚いている私がいる
2015-05-14 11:47:55そんなゴーホムのユニークな特徴はドラマでも活かされている。彼は佐助と戦う際に「何故逃げる、俺悲しい……」とポカンとした表情で口にしながら迫ってくる……
2015-05-14 11:49:17この忍びらしからぬゴーホムの言動だが、彼にとって”佐助と戦っているという自覚”がない上で、デニラからの指示を受けて佐助と戦っているにすぎないのである。
2015-05-14 11:50:05彼は幼少時から愚鈍さと醜い容姿で周囲から苛められていた過去があり、デニラだけが唯一の友達という設定。そんな彼は友達の命令を聞きながら佐助と戦っていた……
2015-05-14 11:51:25そうすれば、「自分が目の前の敵と友達になれる」とゴーホムは本気で信じていた。だから自分に恐れて相手が威嚇すれば「何故逃げる、俺悲しい」と彼は思った事を呟き、それでも相手の攻撃に対して遊びの一環として彼は馬鹿力を目の前の敵に奮う……という。
2015-05-14 11:53:18彼もまた悲しいキャラクターだ。忍者が無力と知らしめる人物として赤ん坊同然の知能と忍者以上の馬鹿力を併せ持った巨人ゴーホムも周囲から迫害される存在であり、迫害されている事を自分が知らず友達に利用されるまま戦うという……
2015-05-14 11:54:50そんなゴーホムとデニラに佐助の故郷は占領されてしまう。そこで何も知らないで花を摘んでいる3歳の少女おユミにゴーホムは出会うが、彼女は出会った彼に何も疑いを持たずに摘んだ花をあげるという……。
2015-05-14 11:56:19この何も知らない少女の真心は、元々友達を探していたゴーホムからすれば別に戦わなくても友達になれるきっかけ。二人は意気投合してデニラの元に帰るが、友達としてゴーホムを利用するデニラにとっては彼の利用を妨げるおユミの存在がありがたくはない。
2015-05-14 11:57:36ゴーホムから二人の自分の友達だから、二人とも友達になれと言われてデニラはしぶしぶ付き合っていたが、隙を見ておユミを殺そうとする時に佐助が乱入してくる……。
2015-05-14 11:58:50なお、その後デニラが自分の正体が醜い妖怪であり姿を見た者が石になるという事を明かす。その体質ゆえに彼女もまた幼少時から人々に迫害されていたという過去はちょっと切ない。 pic.twitter.com/Itv6PJEuA6
2015-05-14 12:00:01彼女もまたゴーホムを利用する傍らで、同じ境遇を持った人物として心を許していたのではないかと……実際イントロで魔竜道人へゴーホムには指一本触れるなとも言っていた事もあり。
2015-05-14 12:01:05また、ゴーホムとおユミの仲に関しては、彼女が普通の少女という事から醜い姿を持つ者同士で傷のなめ合いが出来なくなる事にデニラは危惧していたのかもしれない。デニラとゴーホムの違いは無垢な心か否か……。
2015-05-14 12:02:22