モンゴル現代仏教のダイナミズム(gudoon_gudeen さんのモンゴル旅行tweetより)

gudoon_gudeen さんのモンゴル旅行tweetをまとめてみました。
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

92年に再建されたという慎ましい本堂(現在は廃墟?)と、裏山にある地元の人々が建てた石仏の祠たちが、かろうじて仏教寺院であったことを窺わせるのみ… pic.twitter.com/xxLyx4RbzJ

2015-05-11 19:18:06
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

ウランバートル郊外のダンバダルジャー寺院。活仏・ジェプツンダンバ・ホトクト8世(ボグド・ハーン)によって創建されたという大寺院も、今は随分と荒廃している。戦後まもなしの頃、日本人捕虜の病院として本堂が使われていたこともあるとか。 pic.twitter.com/Az7VUNa2bm

2015-05-11 19:18:21
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

チョイジンラマ寺院博物館。ウランバートル市内中心部にある大寺院。ジェプツンダンバ・ホトクト8世の弟、ロプサンハイドゥ プの為に創建された。破壊を免れ、当時の姿を比較的残しているというのだが… pic.twitter.com/HFWFlNOCib

2015-05-11 19:18:29
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

実はこのチョイジンラマ寺院、1940年代に人民政府より「文化財」認定を受けて、博物館となっており、宗教活動を長い間停止されていた。民主化後の93年よりチャム仮面祭が復活したが、現在も宗教施設というより博物館のままの印象… pic.twitter.com/6fFdbRF6ks

2015-05-11 19:18:45
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

ボグド・ハーン宮殿博物館。独立革命後の最初で最後の皇帝であり、活仏だったジェプツンダンバ・ホトクト8世(ボグド・ハーン)の豪奢な宮殿を博物館に転用したもの。活仏ホトクト1世であるザナバザルの間や御製の仏像がある…も、これも博物館。 pic.twitter.com/Vo2rKIzAnG

2015-05-11 19:19:08
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

17世紀の初代活仏ジェプツンダンバ・ホトクトであり、優れた仏師でもあったオンドルゲゲーン・ザナバザルの名を冠した国立ザナバザル美術館。著名なターラー女神像など、優れた仏教美術が多数展示されている…が、勿論ここもあくまで美術館… pic.twitter.com/fldzCUmE3H

2015-05-11 19:19:56
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

ガンダン寺院。こちらは革命と大粛清を唯一生き延びた大寺院であり、現代モンゴル仏教の総本山とも言ってもよく、活気があり、伽藍も整った一大仏教センターである。なんと仏教大学まで併設している。 pic.twitter.com/sA04c1ohDe

2015-05-11 19:20:19
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

しかし、こちらのガンダン寺を象徴するこの巨大な十一面観世音菩薩、実は二代目の像で、91年にモンゴル大統領令と日本の阿含宗の資金援助によって再建し、96年に開眼供養したもの。初代の像は30年代にソ連赤軍に撤収されてしまったという。 pic.twitter.com/voN4BJm2md

2015-05-11 19:20:57
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

ただし、このガンダン寺院が民主化以後のモンゴル仏教復興の中心になっていることは間違いなく、門前町のザナバザル通りには往時の塔頭のように新たに仏教寺院がどんどん建設されている。簡素な講堂に仏様を配した感じの新しいお寺がたくさん。 pic.twitter.com/GUELRmKA5u

2015-05-11 19:21:17
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

リンポチェ寺院、山門も伽藍も整ったウランバートル市内のお寺。99年にラダック出身の在モンゴル・インド大使で活仏のバクラ・リンポチェ19世が創建した寺院。このように活気があり、参詣者や学僧が多いのだけれど、お寺としてはとても新しい… pic.twitter.com/o6T50VmdOl

2015-05-11 19:21:29
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

16年のウランバートル新国際空港開港に合わせて、このような巨大仏と仏教センターのコンプレックス施設を建設する計画があ るという。ダライ・ラマ師もお墨付きだとか…リオのイエス像やNYの自由の女神より大きな仏様を作る計画らしい…! pic.twitter.com/8PR3aV7Waf

2015-05-11 19:21:46
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

対独・対日戦争の勝利を顕彰する戦勝記念塔(ザイサン・トルゴイ)のふもとにある大仏。06年に韓国の仏教系NPOによって建設されたという。社会主義モンゴルの象徴たる戦勝記念塔とのコントラストが興味深い… pic.twitter.com/r9KE7HXjbc

2015-05-11 19:22:01
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

ザナバザル美術館の向かいの「仏教瞑想センター」。「ルナ・ブランカ」というビーガン菜食レストランを併設している。モンゴル伝統医学やゲルク派とは異なる現代的ヨーガや瞑想法の実践など、イニシエーションの体系が洗練され現代化されている。 pic.twitter.com/1bBz3NhthQ

2015-05-11 19:22:33
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うすぼんやり @gudoon_gudeen

モンゴル仏教史は、13世紀のウイグル仏教との接触から始まり、16世紀後半にアルタイ・ハーン朝とゲルク派の邂逅で隆盛を迎え 、20世紀の人民革命で一時は活仏たるボグド・ハーンを国家元首にするも、スターリニズムに影響された大粛清で法灯が絶やされた…というのが大体の流れだという。

2015-05-11 19:23:02
うすぼんやり @gudoon_gudeen

ところが、ペレストロイカに影響されてモンゴルでも民主化が始まると、92年憲法では完全に信仰の自由が解禁された。93年制定の宗教法では、準国教という地位まで与えられ、チンギス・ハーンと並ぶモンゴル民族主義の拠り所とされた。ものすごくダイナミックにリバイバルを迎えたんだなァ。

2015-05-11 19:23:09
うすぼんやり @gudoon_gudeen

1924年にジェプツンダンバ・ホトクト8世(ボクド・ハーン)が遷化したのを最後に、人民政府は活仏の「転生」の「終了」を宣言し たが、民主化後、ラサに転生していたという9世活仏をモンゴル政府の問い合わせにより、ダライ・ラマ政権が「公式認定」する…という奇跡的な復活まで遂げたそうな。

2015-05-11 19:23:34
うすぼんやり @gudoon_gudeen

個人的な印象としては、モンゴルの仏教は【1】元朝~人民政府までの歴史化され忘却された「仏教」【2】近代的な「Fine Art」の枠組み に入れられた静的な「仏教」【3】民主化以後のきわめて新しくダイナミックな「仏教」の3種に分類できるように感じられました。

2015-05-11 19:23:56
うすぼんやり @gudoon_gudeen

特に【3】の現代仏教のダイナミズムは大変面白く、現在進行的にさまざまな信仰が派生し、隆起している。文献学的にはチベット密教研究からのアプローチが中心ですけど、フィールドとしてはチベット密教とはまた別の勢いがあってとても魅力的だと思います、モンゴル仏教…

2015-05-11 19:24:31