TPP説明会での著作権非親告罪化の政府説明から見えてくること

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その１】先週金曜日に政府によるTPP説明会が、一般にも向けた形で行われ、その全編がネットでも見ることができるわけですが（live.nicovideo.jp/watch/lv221158…）、非親告罪化に関連する部分のマスコミの報道が、イマイチ的確でない印象があります。（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その２】主な報道は２つあって、１つはこれ。 『＜TPP＞政府が初の一般向け説明会「コミケ文化への影響を踏まえ対応している」』（弁護士ドットコム）bengo4.com/topics/3106/ (続く)

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その３】もう１つはこちら。 『著作権侵害「非親告罪化ならコミケ文化に影響」は理解　政府がTPP説明会』(THE PAGE)thepage.jp/detail/2015051… (続く)

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その４】どちらも間違っているわけではないのですがが、TPP政府対策本部の渋谷和久内閣審議官が行った非親告罪化に関する説明の一番の面白いというかキモが抜けているように思いますし、この記事だけ読んだ人が誤解を拡散しているような（とほほ）。(続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その５】ということで、まずは以下に渋谷氏の発言の重要部分をほぼそのまま書き写します。（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その６渋谷審議官の非親告罪化説明１】「我が国では現時点で（著作権は）親告罪なんですけれども、これは我が国の著作権保護に関する法体系が海外とはだいぶ違う。広く薄く網をかける海外と（違って）、日本の場合は、権利者が本当に大きな損害を被るような重大な事案について、（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その７渋谷審議官の非親告罪化説明２】かなり厳しい罰則を持って対処しているのが我が国の法制度であります。したがって、そんなたいした被害もないのに、取り締まりをするということは我が国では想定していない、ということで親告罪になっているわけであります。（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その８渋谷審議官の非親告罪化説明３】これを非親告罪にすると、ちょっとした二次創作のようなものまで、どんどん取り締まりの対象になってしまうということで、日本の様々なコミケ文化などが影響を受けるということで、（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その９渋谷審議官の非親告罪化説明４】これもよく報道されたり、今日も関係者の方々がいらっしゃっていると思いますけれども、その方面の方々の間では、大きな関心事項になっているわけであります。（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その10渋谷審議官の非親告罪化説明５】私どもは、皆様方のご意見はこれまでも直接お伺いをしてきておりますし、懸念事項はよく認識しているつもりであります。そういうことを踏まえて、対応をしているということですので、どういう結果になるかは、（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その11渋谷審議官の非親告罪化説明６】さっきも言いましたけれども、まだオープンですので、まだ結論は出ていないわけです。もし、これを何の注釈もない「非親告罪化で決まり」ということになると、どういう反応になるかというのは、（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その12渋谷審議官の非親告罪化説明７】私どもは熟知して交渉しているつもりですので、何とかそこは皆さんのご理解が得られるような方向でまとめたい。という風に思っているところであります。」（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その13】ちょっと、引用が長くなりましたが……。まず、会場側の質問に答えるというような形ではなく、政府の非親告罪化に関する説明において「コミケ文化」というような言葉が出てくること自体が新鮮な驚きですね。（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その14】はたして「コミケ文化」という言い方が適切か？　ということはもちろんあるわけですが、少なくとも、「同人誌等を中心とするパロディ・二次創作」を＜文化＞という言葉で括ったこと、そしてそれは非親告罪化によって影響を受けるときちんと認識されているし、（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その15】「それを踏まえて対応している」と言っている。さらに遠回しな官僚的な物言いを一応してはいますが、敢えてぶっちゃけに言い換えれば、「単純に非親告罪化を認めたら、大騒ぎになるのはわかってますので、できるだけがんばります」とまで言っている。（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その16】これ、官僚的な言い方ではありますが、渋谷氏の立場を考えれば、相当に踏み込んでおられる発言でしょう。その背景には、福井健策先生をはじめとするロビイングと、TPPの各分野の中でもこの部分に関する世論の関心が高いことが功を奏しているのではないかと。（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その17】ただ、この説明会だけでは意図的なのかどうかはわからないのですが（相手が官僚である以上、たぶん意図的だと私は思いますが）、渋谷氏は、保護期間延長の説明においては「皆さんのご理解が得られるような方向でまとめたい」とは言っていない。（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その18】もちろんこれには、非親告罪化については、コンテンツホルダも含めてこれを良しとする国内勢力がいない一方で、保護期間延長は、これを要望する勢力も少なからずいる、という決定的な違いがあるわけですが、政府の温度差が見えたようにも思うわけです。（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その19】TPPはパッケージによる外交交渉ですので、どのような妥協が行われ、最終的な決着が図られるのか予断は許しませんが、少なくとも渋谷氏の話を聞き直す限り、今回の説明会に関する報道よりも更にもう一歩がんばって交渉しているのではないかと推測する次第。（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その20】また仮にTPPにおいて非親告罪化が決まったとしても、その後の国内法の整備においては、相当程度配慮がなされるのではないかということは、やはり期待できるところではあります。（続く）

三崎尚人 @nmisaki

【TPP説明会その21】まあ、期待しすぎてぬか喜びになると悲しいので、とりあえずこんなところで。（おしまい）