◇黄昏町と私◇その4
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[町]「ぴーらやらよーいよい」道端で沢蟹が踊っている。「聞こえる?祭囃子の音」《所持異形3つ以上で[縁日(shindanmaker.com/553567)]に行ける/その際アイテムは全て消失》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547
2015-08-22 00:06:02[縁日]猿頭の老人が足元を見回している。「この辺で100圓を落としたんだがねぇ…君、見なかったかい?」《老人に100圓をあげるなら、お礼にあつあつの肉まんを貰える【魂+2】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/553567
2015-08-22 00:07:13寧子ちゃんが起きたところで、私たちは廃工場を後にした。二人とも元の居場所に帰りたい身。ずっとあそこに留まってはいられないのだ。「……くしゅんっ!」寧子ちゃんがくしゃみをする。毛皮を失ってからというもの、どうにも体が冷えているらしい。私にくっついてくる。1 #4215tk
2015-08-22 15:36:18「大丈夫ですか?」「へいき。お姉ちゃん、あったかいから」そう言って彼女は笑う。なんだかくすぐったい。しかし、やけに懐かれてしまったなあ。ちなみに今彼女は廃工場でなんとか見つけた作業着を着込んでいる。その上にマントのごとく纏っているのはかつての毛皮だ。2 #4215tk
2015-08-22 15:39:15「ねえ、今度はどこに行く?」「そうですねえ」そして結局、私はまだ彼女と行動をともにしている。まあいつまでも無事でいられないのが黄昏町だ。そのうちどんな形であれ別れは訪れるだろう。慌てる必要もない。……と、寧子ちゃんが足を止めた。「ねえ、何か聞こえるよ」3 #4215tk
2015-08-22 15:42:04獣耳をぴくりと動かし、彼女は言う。うーむ、私にもまだ獣耳があったら聞こえたのだろうか?代わりに、私の三眼は足元を歩く小さな生き物を捉えていた。沢蟹だ。「ぴーらやらよーいよい」なんだか聞き覚えのある歌を口ずさんでいる。「聞こえる?祭囃子の音」4 #4215tk
2015-08-22 15:45:12そう呟いたのは寧子ちゃんだ。言われて耳をすませば、たしかにあの賑やかな音がどこからか聞こえて来る。「こっちだ!」「わっ」私の手を握り、寧子ちゃんが走り出した。「行ってみようよ!きっと面白いよ!」私は苦笑し、頷いた。ま、運がいいことはたしかである。5 #4215tk
2015-08-22 15:48:11狭い路地を駆け抜け、ついた先はあの縁日だ。「わぁー……!」寧子ちゃんはここに来るのが初めてなのだろう。猫のような瞳をきらきらさせて辺りを見回している。年の割に子供な彼女には、さぞかしここは楽しそうに見えることだろう。「ねぇ、ねぇ!お店がいっぱいある!」6 #4215tk
2015-08-22 15:51:08「行ってみますか?」「うん!」元気よく頷いた寧子ちゃんは、私をぐいぐいと引っ張って縁日へと乗り出した。元気だなあ、本当……などと思っていると、不意に彼女が足を止める。「おじいさん、どうしたの?」「この辺で100圓を落としたんだがねぇ…君、見なかったかい?」7 #4215tk
2015-08-22 15:54:07見ると、腰を曲げた老人が困ったように首を傾げている。その頭は人ではなく、猿のそれだ。そういえば猪頭の情報屋とかもいたなあ。あれにくらべれば、猿頭はわりと違和感がない……気もする。「残念ですけど、私たちもここに来たばかりなんですよ」私は素直に答える。8 #4215tk
2015-08-22 15:57:25「なので、ちょっと落とし物は見かけてないんです。ごめんなさい」「そうだったか。いや、気にすることはない」お爺さんはにこにこと笑い、腰を伸ばした。わりと背が高い。よく見ると、片手には何やら袋を持っている。「孫に肉まんを買ってやりたかったんだがね。しかたない」9 #4215tk
2015-08-22 16:00:04「いいんですか?」「いいさ。わしの分をやればそれで済む話だからね。……お嬢ちゃんたち、まだ縁日にきたばかりなんだろう?こんなところで儂みたいな老いぼれに付き合っていても仕方がない。楽しんでおいで」私たちはお爺さんに頭を下げ、手をつないで縁日へと急いだ。10 #4215tk
2015-08-22 16:03:11四十日目終了! 特に何も起こらない! 異形:牙・蛇髪・竜尾・三眼・火玉(火耐性) 【魂18/力10/探索4】 #4215tk
2015-08-22 16:04:45[縁日]りんご飴屋の露店に座る、艶美な異形が君を手招く。「どちらの色がお好きかしら?」《赤りんごを選ぶなら【魂+1】、青りんごを選ぶなら診断名の後に3を付けも一度診断できる/-100圓》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/553567
2015-08-23 00:03:10[縁日]透明な音色をいくつも重ねる風鈴屋。山高帽の主人が君に渡した一つは、ひときわ耳に心地よい。《【魂+1/失っている名前、感情があるならそのうちひとつを取り戻す】/-100圓》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/553567
2015-08-23 00:04:27「ねェ、そこ行く可愛らしいお嬢さんたち」縁日を歩く私たちを呼び止めたのは、りんご飴屋の露店に座る、艶美な異形だ。手招きする彼女に興味を惹かれ、私は素直に店の前に行く。「なんでしょう?」首を傾げて尋ねるついでに、改めて彼女を観察させてもらった。11 #4215tk
2015-08-23 12:57:09人形のような美貌の持ち主、というのは今までも何度かお目にかかったことがある。が、この店主はそれに新たなバリエーションを増やしてくれた。木の幹を思わせる肌色と質感。髪の代わりに生えているのは枝葉だ。植物的な異形なのだろう。初めて見るタイプだ。やけに艶っぽい。12 #4215tk
2015-08-23 13:00:02