砲弾小話~ロシア帝国海軍の大口径艦砲用散弾と榴弾、そしてお値段

散弾というと陸砲か大昔の「大砲」かというイメージがありますが、近代の大口径艦砲にもあったんですね、とか
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

1860〜80年代頃にゃ12インチ砲用散弾なんてものがあったようなんですが、これは一体何に使うものだったんでしょ。直径61mm 重量1.1kgの球形弾子が100〜200発入りとか、なんだか冗談みたいな大きさなんで、これで船を撃っちゃうのかなあ

2015-08-16 11:10:36
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

12インチ艦砲用散弾は有効射程600〜800mとされてるようで。これを使う12インチ砲はピョートル・ヴェリーキーだのの前ド級戦艦だか装甲艦だか何かに積まれてたんで、やっぱり的は船かしら。装甲されてない相手にゃ効くのかな

2015-08-16 11:21:38
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

当時の榴弾の信管がどんなだったかはサッパリ知らないですが、あるいは木造船相手だと爆ぜないで抜けちゃうなんて事もあるのかなあ。とすれば、散弾が欲しい気持ちもわからないでもなく

2015-08-16 11:23:57
たまや @tamaya8901

@FHSWman 日本の要塞砲でも二十七糎加農とか克式二十八糎榴弾砲、二十四糎加農などの海岸要塞の火砲に装備されていまして、対艦用のものと説明があったはずです。

2015-08-16 11:25:37
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

@tamaya8901 oh, ありがとうございます。複数の国で見られるということは、そう奇妙なものでもなさそうですね

2015-08-16 11:39:09
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

12インチ散弾については、当時のロシア12インチ艦砲の榴弾とも関係あるかも。これらはだいたい肉厚の鋳鉄製、弾底信管、炸薬は黒色火薬という代物。これら要素は時期的に全く当然なんだけど、木造機帆船とかを殺すにゃ向いてなさそうにも思えて。だから散弾の必要性が出てきたとか……?

2015-08-16 17:27:15
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

mmm... 19世紀のロシア海軍12インチ艦砲には散弾があったけど、20世紀に入ると12インチ榴霰弾とかを少数持たせるようになってるのね。もちろんこっちは対艦用でなく、対地用でしょうけども

2015-08-17 17:55:18
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

先日19世紀の露海軍12インチ砲弾の話で、同砲にある榴霰弾は対地用かしらと思ったんですが、この弾はどうも陸で見慣れたスタイルの榴霰弾とは違うらしく? 弾子球形でなくて、「セグメント弾」とか言うみたいで。写真は6インチ用(?)の同弾 pic.twitter.com/NaNqhuOpLG

2015-08-30 11:41:14
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たまや @tamaya8901

@FHSWman どっちかというと環層榴弾に近いですね

2015-08-30 11:46:07
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

構造は陸で見慣れた榴霰弾と全く同様で、弾頭信管、中央に導爆管、底に放出薬がある。ただし弾子が球でなく砲弾内壁にミッチリ詰まるようになってる。弾子サイズも陸砲の一般の榴霰弾よりは大きく、12インチ用だと1.1kg未満(サイズが不均一なんですな)のものが112個入ってる

2015-08-30 11:49:16
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

@sudo_simoigusa 弾子が大きいですし、非装甲部ならこれでも抜けちゃうんですかしらね

2015-08-30 12:15:45
SUDO @sudo_simoigusa

@FHSWman 1kgありゃ37mm砲弾より重いですからねえ、速度次第だけど大抵の非装甲部なら刺さるかと

2015-08-30 12:35:10
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

で、このセグメント弾の1.1kgの弾子ってのは、先日触れた12インチ散弾の球形弾子1.143kgと同等。てことは、セグメント弾と散弾の想定する標的は同様なものであろうと想像できる訳です。そして先日触れたように、12インチ散弾は対艦用の散弾でした

2015-08-30 11:53:40
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

12インチ艦砲散弾は19世紀半ば以降何種か制式されたものの、先日触れたように射程が600~700mしかなくて、あまり使い勝手の良い弾では無かったんでしょう。そこで同用途ながら射程を延ばして使いやすくした弾として、1889年にセグメント弾が採用された……という流れのような気がする

2015-08-30 11:58:47
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

対艦用にセグメント弾を使った実例も、ちょろっと探しただけで出てきました。例えば黄海海戦におけるペレスヴェートの152mm副砲は、60ないし69発の徹甲弾、660発の榴弾、そして80発のセグメント弾を消費しているとか。やはり榴弾がメインぽいですが、ともかく使われてはおります

2015-08-30 12:03:14
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

別の例を探してみると……黄海海戦で装甲艦セヴァストーポリの152mm副砲は323発を発射してて、うち37発がセグメント弾。これは旅順に帰還する際、襲撃してきた駆逐艦に対して発射されたと。とするとセグメント弾の用途の一つは駆逐艦除けなのかもだ

2015-08-30 13:09:57
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そのほかセヴァストーポリは地上攻撃支援のためにも砲撃してるのだけど、7月30日から8月9日までに152mm副砲は榴弾98発とセグメント弾9発を発射してる。普通の榴霰弾めいて、地上目標に使わないこともないのね

2015-08-30 13:14:13
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

各弾種の搭載比率は……セヴァストーポリのは判らないけど、ポチョムキン(神話的に有名なあの船)の場合、12インチ砲1門の弾薬定数60発は徹甲18、榴弾18、鋳鉄榴弾18、セグメント弾4、散弾2とされていたようです。大口径だと散弾系はやっぱり主用弾種からは外れますねえ

2015-08-30 13:21:47
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

これが6インチだと1門割り当て180発のうち徹甲47、榴弾47、鋳鉄榴弾47、セグメント弾31、散弾8になる。75mmでは徹甲125、セグメント弾50、散弾125の計300発。なるほど砲の用途が搭載弾種比率にも如実に現れてる感じ

2015-08-30 13:28:34
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

わたしゃ戦間期より前の大砲にはあんまり触れてきませんでしたが、19世紀末も面白そうな気がしてきましたのよ

2015-08-30 13:32:04
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

WW1の大砲も実はよくわかっておりません

2015-08-30 13:32:45
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

黎明期の魚雷の射程は1000mも無いわけで、そして実際もっと近くで撃つ訳だから、とすると弾子が1kgあるような対艦用散弾は水雷艇を追い払うのに使えるわけだ。やがて魚雷の射程も伸びてくるけど、それと同時期により長射程なセグメント弾が現れてくる、と

2015-08-30 13:43:45
SUDO @sudo_simoigusa

@FHSWman 鋳鉄榴弾が多いのが面白いですね

2015-08-30 13:45:09
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

@sudo_simoigusa なんだか鋳鉄榴弾は妙に安いみたいですね。当時の12インチ鋳鉄榴弾が130ルーブルくらいだったところ、鋼製榴弾は200ルーブルくらい、そして徹甲弾が500~600ルーブルになったようで

2015-08-30 14:10:49